NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

例会報告

2009年1月18日 9:02 PM

きょうは、第9回例会でした。
前回の記事でご紹介した通り、テーマは『新しいがん治療薬』
松山は、ちょうど昼頃から雨が降り始め、参加者が少ないかもと心配しましたが新居浜や宇和島からの方も含め、50人余りが参加して下さいました。
分子標的薬について、かなり専門的な内容も交えながらの1時間の講演と、その後30分ほどの質疑応答が行われました。
参加者からは、
重篤な副作用情報は患者にどう伝えられているのか?
がんワクチンとは?
治験に参加する患者の注意点は?などの質問が寄せられました。
「医療者からの薬に関する説明は難しい。患者・家族が理解しやすいような対策を、医療者と患者会で協力して進めることは出来ないか?」という提言もありました。

患者にとって新薬の情報は希望です。副作用の情報は命に直結します。こうした非常に重要な情報が、実際には患者自身になかなか伝わってこないという現状を改めて痛感しました。
効果の高い薬が開発されることは勿論大事ですが、それが患者に安全に届けられ、安心して使うことができる仕組み作りも構築されなければならないと思います。

 

がん治療と薬

2009年1月16日 10:04 AM

18日(日)の例会は勉強会です。
テーマは『新しいがん治療薬』
講師は、愛媛大学医学部附属病院薬剤部主任で、がん薬物療法認定薬剤師の井門敬子さん。

最近、がん治療の中で使われるようになったのが「分子標的薬」と呼ばれるものです。
乳がんのハーセプチン、肺がんのイレッサなどがよく知られています。
従来の抗がん剤が、がん細胞と同時に正常な細胞も攻撃していたのに対し、分子標的薬はがん細胞のアキレス腱を狙い撃ちするという特徴があります。
あと10年~20年もすると分子標的薬が中心になるだろうといわれています。
新しい薬はどういう仕組みで生まれ、どう作用するのか?
気をつけたい副作用は?
今後期待される薬は?
など、新しいがん治療薬についての講演です。
会員以外の方も参加できますので、関心のある方は直接会場へお越しください。

松山市味酒町の愛媛県総合保健協会9階会議室で、午後1時30分からです。
なお、健康食品・健康器具の勧誘などは固くお断りします。

 

共にがんに立ち向かう

2009年1月14日 7:22 PM

四国松山でもここ数日厳しい冷え込みが続いています。
治療中の患者さんにとっては風邪は大敵。暖かな日が一日もはやく来ますように。

先週末から東京、広島と出張で、そのついでにそれぞれでがん関連のNPO法人の事務所を訪ねてきました。
東京は、『キャンサーネットジャパン』。多角的な活動を展開しているがんに関係するNPO法人の大御所的存在です。
広島では、『広島がんサポート』。法人化したのは去年ですが、大変充実した活動をしています。
事務所があるのは広島市内中心部の立派なビルの中。事務所と会議室、それに患者さんがくつろげるサロンを備えています。明るい光が入るサロンには、様々なパンフレットや図書が並べられ、カウンターキッチンまで完備されています。
しかし、感嘆すべきは設備の素晴らしさだけではありません。
ここでは「フレンドコール」という事業を広島県から委託を受けて行っています。がん患者・家族からの電話に対応して、話を聞いたり相談に乗ったりする事業です。週に一度、同じ経験をした患者・家族が電話対応にあたります。必要に応じて、相談窓口や情報提供窓口の紹介もするそうです。

行政と患者・家族との協働。これはとても大事だと考えています。行政だけ、医療者だけ、あるは患者・家族だけが、それぞれ別々に活動しているのでは、がん対策という大きな問題に立ち向かえるはずがありません。国民の3人に1人の命を奪う病気には、行政・医療者・当事者、他にもマスコミや企業、政治も加わっていわば”六位一体”の取組が必要なのです。
愛媛でも、そうした取り組みが実現する日が必ず来ると信じつつ、でも焦らず一歩一歩進んでいきたいものです。

 

始動

2009年1月4日 8:38 PM

Uターンラッシュのニュースが流れています。
あすから普段の生活が戻ってきます。
がんと向き合っている人にも、普段の治療生活が戻ってきます。
おれんじの会の会員にも、抗がん剤治療の予定を中心に生活を組み立てている患者さんが多くいます。
Iさんは2週間に一度水曜が治療で週末は副作用でダウン。Oさんは火曜が治療で金曜から復活、Nさんは毎週月曜が治療。Kさんは年明けすぐにCTで治療の効果を確認するはず…新しい薬が効いていますように。
長く治療を続けている患者さんの一人が、闘病仲間にこう言ったそうです。
「もう治療なんか止めたいよぉ」
手足のしびれ、どうしようもない倦怠感、何より先の見えない不安。
そうですよね、止めたくなりますよね。
別の患者さんは
「僕も止めたいよ。でもその勇気はないんだよね」

また闘いが始まります。

 

お正月に思うこと

2009年1月2日 5:54 PM

あけましておめでとうございます。
滞りがちなブログを訪問して下さり、ありがとうございます。
今年も(こそ?!)おれんじの会の活動報告や、がんに関する様々なことを書いていきますので、よろしくお願いします。

みなさんはお正月をどのようにお過ごしでしょうか?
病院で過ごしている方もいらっしゃるでしょうね。
実は、私も23歳のときに病院でお正月を迎えました。自然気胸という、肺に穴の開く病気になり12月29日に緊急手術を受けたのです。1月1日には、看護師さんの「おめでとうございま~す」のことばで目覚めました。昼食におせち料理もどきが出されたのを覚えています。術後の痛みや咳で辛いお正月でしたが、寒さの中病院へ通わなければならない母にとっては、本人以上に辛い年明けだったことと思います。いまになって申し訳なさに胸が痛みます。

がん患者の家族はsecond patient=第二の患者と呼ばれるそうです。手術や抗がん剤こそ必要ありませんが、その不安や悲しみは相当に深いものがあります。相応のケアが必要だと考えられています。でも、残念ながら日本の医療機関では家族の精神面へのケアにまで手が回らないのが現状です。
「私がしっかりしなければ」「一番辛いのは本人なのだから」と孤独に頑張り過ぎてしまう家族や友人。
このお正月にも、病院で長い時間を過ごしたり重い荷物を手に寒空の中電車に揺られて通う方たちがあることを思います。
世間が楽しそうなお正月ムードの中だからこそ、なお一層辛さが増してくるのではないでしょうか。

患者も、傍にいる家族や友人も、少しでも心安らかな状況で病気に向き合えるようになりますように。
また、医療者の働く環境が改善され、その手と心に優しさが込められますように。
そのために、私たちひとりひとりに出来る事は何だろうと考えるお正月です。

 

 
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