NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

嬉しい話とちょっと愚痴

2009年3月18日 9:47 PM

きょうは嬉しい報告が一つ。
寄付金を頂きました。
社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会愛媛県協会からです。
この団体は、生命保険の営業マン・ウーマンの方々が会社の枠を超えて加入しているものです。
御縁があって愛媛県協会の会長さんとお目にかかりました。おれんじの会の活動に興味を示してくださり、例会にも参加していただきました。たびたびの情報交換の中で、がん患者・家族が置かれている現状、愛媛での取り組みなどを理解してくださり、寄付を頂けることになったというわけです。感謝です!
今後のおれんじの会の活動への大きな期待と胸に刻み、大切に使わせていただきます。

そんな嬉しい事がある一方…。
患者・家族の不安や悲しみが理解されない出来事も起こります。
どうすれば伝わるのでしょう。
こんな夜はどうしようもない無力感を感じてしまいます。
早く寝て嫌なことは忘れることにします。

 

愛媛のがん対策を考える

2009年3月17日 7:36 PM

松山では桜が開花しました。
松山地方気象台が観測を初めて最も早い開花だそうです。

きょう夕方のテレビ愛媛のニュース番組で『家族性腫瘍』について取り上げられていました。
インタビューに答えていたのは…お気付きの方も多いでしょうね。おれんじの会会員のIさんです。
番組の中でも紹介されていた通り、四国がんセンターでは家族性腫瘍の相談に応じてくれます。
詳しくはhttp://www.shikoku-cc.go.jp/kranke/support/consul/index.htmlをご覧ください。

さて、きょう私は県庁医療対策課へ行ってきました。
愛媛県のがん対策の担当窓口です。
来週月曜23日に開かれる「がん対策推進協議会」の打ち合わせをしてきました。
「がん対策推進協議会」は、愛媛県のがん対策推進計画に沿ってどういう取り組みが必要なのか、何が課題なのかなどを協議する場です。ここで患者・家族としての意見を述べることになっています。
緩和ケア、在宅医療、相談支援など、おれんじの会の1年間の活動を通じて見えてきた課題や対策案は次々に浮かびます。
しかし、どう動こうとしても必要なのは財源です。おカネ無しでは出来ることに限りがあるのが現状です。
既に平成21年度予算は決まっていますから、もう1年先22年度予算での対応を考えるしかありません。
そんな先の事を言っていられない患者さんのことを思うと、本当にまどろっこしいのですが、行政の仕組み上致し方ありません。

3年先、5年先の患者さんたちが、現在と同じ問題で悩んだり苦しんだりしなくて済むように、しっかり先を見据えた対策が取られるように協議会で意見を述べてきます。

この協議会は傍聴できますが事前申し込みが必要です。
愛媛県医療対策課089-912-2449へお問い合わせください。

 

リンパ浮腫

2009年3月16日 9:03 PM

乳がんや子宮がんなどの手術の後遺症のひとつ、リンパ浮腫。
この悩みは深刻です。先日も相談があったばかりです。
タイミングよく、NHK教育テレビの『きょうの健康』でリンパ浮腫が取り上げられています。
第1回はたったいま放送が終わってしまいましたが、あす(3月17日)が第2回。そして20日(金)は視聴者からの質問に答える形式で放送されます。
放送時間は、夜8:30~8:45。再放送は翌週の昼1:05~1:20です。
詳しくはhttp://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/index.htmlをご覧ください。

私が入院していたときに仲良くなった方が、リンパ浮腫から高熱を出して入院したことがあります。39℃の熱に加えて、ようやく治療が終わったと思った途端に襲ってきた後遺症に、すっかり落ち込んでいました。
眠れない夜、ある看護師さんがナースステーションでただ泣かせてくれたそうです。その数時間でずいぶん慰められたと話してくれました。
not doing,just being
何もしなくても出来る看護があるんですね。

その看護師さんは、現在も婦人科病棟で働いていらっしゃいます。「もう歳だからねぇ、若い人に支えてもらってるんよ」と笑っていましたが、きっと多くの患者さんを支え、若い看護師さんにいろいろな事を伝えていらっしゃることと思います。
私の手術前夜「がんが憎いねぇ」と言ってくださった一言を、私はいまも忘れていません。ずっと現役でいてほしい看護師さんです。

 

患者・家族の声を発信

2009年3月15日 8:43 PM

久し振りに青空が広がりました。
ずっと気になっていた庭の掃除を実行!とは言っても、冬の間ほったらかしにしていた雑草ジャングルが、30分やそこらで片付く訳もなく…あすから晴天が続くそうなので地道に取り組むことにします。

トップページでお気付かと思いますが、アンケート調査の結果を新たに掲載しました。
今年1月~2月にかけて会員のみなさんと例会参加者のみなさんにご協力いただいた『病診連携について』のアンケートです。
多くの方が自由記述欄に書き込んでくださいましたが、作業の都合ですべてを掲載しておりません。8日のオープンカンファレンスでは、掲載分以外のご意見についても述べさせていただきました。
ご協力、ありがとうございました。
これまでに実施した他のアンケート結果についても随時掲載していく予定です。

行政や医療者、マスコミから、患者・家族会としての意見を求められる事が多くなってきました。
広くみなさんの声を集めデータ化し、それに基づいて意見を出していくのが、患者・家族会の務めだと考えています。
これからも様々な課題についてアンケートを実施する計画ですので、ぜひご協力をお願いいたします。

 

共感とユーモア

2009年3月14日 8:19 PM

家の近くの田んぼでシロツメクサが咲いています。
小さい頃は、花を編んで遊んだものです。
松山市郊外のこの辺りでも、田んぼは次々と宅地へ姿を変えています。そのうち、シロツメクサも記憶の中だけの花になってしまうのでしょうか?

さて、昨日は病院の”ハシゴ”でした。
大学病院で患者サロンのプレオープンがあり、がんセンターへ寄って用事を済ませ、夜は松山赤十字病院で緩和ケアの研修会に参加しました。
研修会の講師は、東京豊島区にある要町病院副院長の吉澤明孝医師。『緩和ケアと在宅医療連携』というテーマでのお話でした。
この中で吉澤医師は緩和ケアのポイントとして
①傾聴
②共感
③手当て
④ユーモア:にもかかわらず笑うこと
を挙げました。

お話を聞きながら、午前中の大学病院でのサロンの様子を思い返していました。「傾聴」できたかどうかは難しいところですが、「共感」と「ユーモア」は間違いなくありました。
がんという共通点があるからこそ、ひとつひとつを「共感」を持って聞くことが出来ましたし、2時間の開催中何度も笑い声に包まれました。(実はお葬式の話をしながら笑ったりしました)
参加者のおひとりが「他所ではがんの話をしながら笑うなんてあり得ませんよ」とおっしゃっていました。
いい一歩が踏み出せたことを思い返していました。

そうそう、サロンの会場にオレンジ色のかわいい花が届けられていました。おれんじの会のOさんが、看護学校の授業の前にわざわざ届けてくれたものでした。この優しさが参加者にも伝わったのかもしれません。

傾聴、共感、ユーモア…サロンだけでなく患者会活動の根幹となるポイントを、しっかり胸に刻みます。

 

がん患者サロンオープン!

2009年3月13日 9:18 PM

愛媛大学医学部付属病院に、がん患者と家族のためのサロンが開設されることを、先日ご紹介しました。
きょうは、そのプレオープンの日でした!

大学病院で活動しているボランティアコーディネーターと、私たちおれんじの会の有志がお迎えしました。
参加者は8人。患者が5人と家族が3人です。
その中のおひとりは、松山市外からわざわざ来てくださった方でした。手術のために入院していた時も、抗がん剤治療を続けている現在も周囲に病気のことを話し合える仲間はほとんどいないとのことで、「誰かに話を聞いてほしい」という一心で1時間以上かけて来てくださいました。

きょうはプレオープン。
これから更に準備を重ねて、4月10日(金)に正式にオープンします!
『ひとりじゃない』というメッセージを多くの人に伝えていきます。

 

痛み

2009年3月12日 8:13 PM

私はいわゆる”頭痛持ち”です。以前は前兆をうまく捉えられなかったため、激しい痛みで起きていることも出来ず嘔吐を伴うようなこともたびたびでした。
長い付き合いになり、薬を飲むタイミングを計れるようになりましたが、それでも失敗して頭を抱えて横になるしかない時もあります。
そんな時に思うのは「1分でも早く痛みが治まってほしい!ということだけです。

がんという病気は、身体の痛みを引き起こすことがあります。
最近では、がんそのものの治療と共に痛みのコントロールも研究が進んできました。さまざまな薬が開発され、その使用方法も多くのバリエーションがあります。疼痛コントロールがうまくいけば、がん患者の痛みの8割から9割は緩和できるという数字もあります。
しかし現実はどうでしょうか?
きょうも、ある患者さんが痛みのために受診したところ「4日くらい経てば効く薬」を処方されたと聞きました。効くまでの数日は我慢しろということでしょうか?
痛みを抱えながら数時間かけて病院へ行き、また数時間かけて家へ戻っていったであろう患者さんの姿を想像すると、たまらない気持です。

健康な医師が、がん患者の痛みを共感することはできません。想像力に頼るしかありません。
4日間も痛みを我慢できるものかどうか?
それを想像してみるのは、そんなに難しいことではないと思うのですが…。

 

愛媛初!病院内にがん患者サロン誕生

2009年3月11日 9:01 PM

愛媛大学医学部付属病院に、がん患者と家族のための語り合いの場”サロン”が誕生することになりました。
県内の医療機関の中に、こういう場ができるのは初めてのことです!

実は、大学病院の医療者のみなさんとおれんじの会有志とで、去年夏に意見交換会をスタートさせました。
がんに向き合うのは患者・家族だけではなく、医療者も共に向き合っているはずなのですが、なかなかうまくコミュニケーションがとれていない現状。どうすればお互いが理解し合い、信頼し合っていけるだろうか?というテーマで話し合いを重ね、その中から生まれたのが”サロン”という形でした。

”サロン”は2種類。
1つは患者・家族だけの交流の場。
こちらは毎月第2金曜の午後1時から午後3時まで、病院1階のボランティアルームで開催します。がん患者・家族であれば、大学病院にかかっていなくても誰でも参加できます。
私たちおれんじの会会員でカウンセリングの研修を受けた者が一緒にお話をさせていただきます。

もう1つは患者・家族と医療者との意見交換の場。
こちらは毎月第3水曜の午後6時~午後8時、病院1階の会議室。

私たちと一緒に意見交換を続けてきた、薬師神医師はこう言っています。
「日照りの夏は一緒におろおろ歩き、寒さの冬は手を携えるような関係になりたい」
嬉しい言葉です。患者・家族は、医療者の背中だけを見ているような寂しさを感じる事が多いのです。「一緒に、手を携えて」がんに向き合える日のために、”サロン”が第一歩になることを願っています。

 

緩和ケア勉強会in大阪

2009年3月10日 9:21 PM

「大阪がん医療の向上を目指す会」が緩和ケアについて考えるセミナーを開催します。
3月28日(土)午後1時30分~ 難波市民学習センターです。
詳しくはhttp://www.mezasukai.info/info/2426.html をご覧ください。

おれんじの会の例会でもたびたび話題になるのが緩和ケアです。
”がんになったら緩和ケア”と言われている通り、病気の進行度にかかわらず身体や心の痛みがあるときには、その苦しさを和らげるケアが必要です。
しかし”緩和ケア=終末期医療”という考えから医療者も患者・家族もなかなか脱却できません。
緩和ケアを自分たちの療養生活にどう取り入れるのか?子供へのカ緩和ケアは?などを考えるセミナーです。

8日に東京で行われたカンファレンスでご一緒した市立豊中病院の林 昇甫先生も講師のおひとりです。
大変”熱い”気持ちを持ったドクターです。

主催する「大阪がん医療の向上をめざす会」は活発な活動を展開しています。愛媛出身の女性(悪性リンパ腫患者)も参加しています。

 

地域連携

2009年3月9日 8:45 PM

松山はきょうも雨でした。庭のクリスマスローズが冷たい雨に濡れてかわいそうです。

さて、8日に参加した「地域連携パス」についてのオープンカンファレンスの報告です。

まず「地域連携」とは何か?
とても簡単に言ってしまえば、がんの治療を拠点病院と地域の医療機関とで共同で行うというものです。
手術や大きな検査は拠点病院で、通常の検査や経過観察は近くの医療機関でと分業する仕組みです。

その場合、どういう検査をしてどういう治療をして…というしっかりした計画書を共有していることが大事になります。
その計画書を「地域連携パス」と呼びます。
このパスを作成する研究が進められていて、研究の経過などについて話し合う場が、8日のオープンカンファレンスでした。

研究に携わっているドクターや看護師から発表が行われ、私は患者・家族の立場から意見を述べました。
おれんじの会1月例会で参加者のみなさんにご協力いただいた「病診連携に関する意識調査」の結果をもとに発表しました。
(この調査結果は後日HPで公開します)
詳細はここで再現しませんが、要点は
 ①治療初期に、連携を含めて治療計画を提示すること
 ②地域の医療機関に関する情報の提供
 ③連携のメリットとデメリットの説明
 ④パスという道具に頼らず、
  十分に患者・家族とコミュニケーションを取ること
そして最後に、私たち患者はデータ化できない「不安」「希望」を抱えながら家族や友人と共に暮らしている。その「人生」を支える連携を考えてほしいと訴えました。

会場には200人ほどの医療者が参加していましたが、果たしてどの程度伝えられたのか…。

入院期間の短縮化、がん医療の在宅への移行。
地域連携は、私たちの思いとは関係なく進んでいくはずです。
どういう段階であっても「見捨てられた」と感じることなく望む医療を手にしていくためには、地域連携の動きに私たちも注目していく必要があります。

 

 
ページトップに戻る