NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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家族だってこころが痛い

2009年12月23日 8:00 PM

きょうは寒さが緩んでちょっと一息つける一日でした。
母がお世話になっている病院のスタッフのみなさんに、一足早くクリスマスケーキならぬシュークリームをお届けしてきました。
病院では、あす患者さんたちにケーキが出されるそうです。

さて、日曜に開催した「家族塾」の報告です。

おれんじの会では今年夏以降、小冊子「家族必携」とセミナー「家族塾」を合わせて、がん患者を支える家族のケアについて取り組んできました。
まず、家族会員にアンケートを行い「困っていること」「知りたい情報」などを調べました。その結果を受けて構成を考え、必要に応じて医師、ソーシャルワーカー、看護師などに原稿を書いていただき小冊子を作成しました。
そして、それを教科書にしたセミナーの開催とつながったわけです。

セミナーでは、医療者とのコミュニケーションについて寸劇の形でポイントをご紹介しました。
ファイル 347-1.jpg

この寸劇に登場したメンバーは、家族ケア事業に一緒に取り組んできた仲間です。
全員が、家族としてがんに向き合った経験を持っています。
悲しみ、後悔、孤独感…いろいろな思いを抱えています。
この事業に取り組むことは、辛い経験を思い起こすことであり、時にはふさがりかけた傷口をまた開くようなことでもありました。

そんな思いを乗り越えて、ようやく辿り着いた「家族塾」でした。
メンバーの思いは「笑顔で家族を支えられるようになってほしい」というただ一つです。

「家族だってこころが痛い」これは、原稿の執筆をしてくださった四国がんセンターの大中先生の演題です。
そう、家族だってこころが痛くて当然なのです。
でも周囲からは「あなたがしっかりしなくては」「頑張ってね」と言われ、弱音を吐くことすらできません。
「家族だってこころが痛い」ということを、ご家族自身にも、また周囲の方々にも、医療者にも知ってほしいと願っています。

「家族塾」に参加したという方からお電話をいただきました。
家族が手術を受け無事終わってから、自分の方がこころが辛く夜眠れない、身内にもあまり言えない、こころの持って行き場がないんですと訴えられました。

きっと告知から手術まで、一生懸命頑張ってこられたんでしょうね。
しんどくなって当然です。
「必要なときには医師など専門家の手を借りたり、同じような経験をしている人と話してみることもできますよ」とお話しました。

私たちの小さな取り組みで解決につながるような易しい問題ではありませんが、少しずつでも「家族だってこころが痛い」ということが理解されていくように、この活動を発展させていきたいと思っています。

 

 
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