NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

ブログ

これからの医療を担う人たちへ

2016年4月8日 9:47 PM

4月。

桜にばかり目を奪われていましたが

すでに、あちこちで緑が鮮やかになり始めています。

梅の木には、もう実がなっていました!

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毎年この時期には、愛媛県立医療技術大学で

臨床検査学科の学生さんに講義をさせていただいています。

 

臨床検査技師が患者と直接関わる機会も増えてきている中で

患者や家族の思いを知り、

医療現場で働くことの意味を考えてもらうことを目的としています。

今年で5年目になります。

 

わたし自身の経験と、愛媛で行った「がん患者満足度調査」の内容を伝え

わたしたちの仲間が、これからの医療者のために残したDVDメッセージを

観てもらいます。

そのうえで、グループに分かれて

患者にどう声かけをするかを考え、発表してもらいます。

 

患者の不安に、どうすれば寄り添えるのかを

懸命に考え、議論している様子を見ていると頼もしさを感じます。

 

大学の臨床検査学科で、患者や家族の心理について

当事者を講師に学んでいるところは殆ど無いと聞きます。

患者や家族にとっては、医療機関で接する白衣の人は同じです。

ちょっとした仕草や、一言の声かけが不安を和らげることもあれば

その逆もあるわけです。

 

きょう、クラスの仲間と議論したことを

医療現場に出ても忘れないでいて欲しいと願っています。

 

 

 

 

 

 

”町なかサロンウイーク”

2016年3月27日 9:57 PM

ブログ更新を怠っている間に、もう桜の季節を迎えてしまいました。

今年は花冷えが続いていて、少し長く花を楽しめそうです。

 

きょうから”町なかサロンウイーク”です。

特別企画を連続して実施します。

 

第一弾として、きょうは映画の上映会を行いました。

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作品は『希望のちから』。

ハーセプチンが誕生するまでを、実話に基づいて描いた作品です。

 

患者を助けたいという医師の思いと

新しい治療に賭ける患者と家族の願いが伝わってきます。

 

わたしが使った抗がん剤も、

誰かが開発し

誰かが臨床研究に参加してくれたおかげで手にできたということに

改めて感謝の思いでいっぱいになりました。

 

あすからも様々な企画が続きます。

●28日(月)18時~20時

 「大切な人を見送った方のためのサロン」

 

●29日(火)13時~15時

 「治療後のフォローアップ ~検査と暮らし~」

 

●31日(木)13時~15時

 ムジーカ倶楽部歌声がかり ミニコンサート

 

●4月1日(金)13時~15時

 医師による医療相談

 

詳しくはトップページのチラシをご覧ください。

ご参加をお待ちしております!

 

 

 

切れ目のない緩和ケアとは?

2016年3月6日 9:37 PM

松山では最高気温が21℃を超えたそうです。

夜になっても暖房が要らない暖かさで、びっくりぽんです。

 

昨日、きょうと緩和ケアを考えました。

昨日は医療者対象のセミナーで、テーマは「診断時からの緩和ケア」

患者の立場からディスカッションに参加させていただきました。

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国の「がん対策推進基本計画」の中に

”診断時からの緩和ケア”という文言が盛り込まれていますが

一部の医療者の中には、緩和ケアが必要なのは病期が進んだ患者だけという意識が

まだまだ根強く残っています。

そこで、日本緩和医療学会が主催し

”診断時からの緩和ケア”とはどういうものか、どう提供すればいいのかを

考えるセミナーを開催したものです。

 

患者、家族が抱える辛さはさまざまです。

体の痛みはもちろんですが

再発への不安、死の恐怖、社会から切り離されていく孤独感…。

置かれている環境、人間関係などにも左右され

病期だけで線を引いて軽重を言えるものではありません。

だからこそ、がんと診断されたときから

本人が必要だと感じたときには、いつでも

辛さを訴え、それを緩和してもらえることが重要です。

 

そのためには、最初が肝心。

診断し、最初の治療を行う医師(多くの場合は外科医)が

緩和ケアの重要性を理解し、「辛いことはありませんか?」と声をかけてくれるだけで

その後の病気との向き合い方はずいぶん違ってくると思います。

 

昨日のセミナーの参加者120人あまりの半数は

がん治療医だったと聞きました。

治療医からの発言がほとんど聞かれなかったのは残念でしたが

少しずつでも、”診断時からの緩和ケア”が進んでいくよう願っています。

 

そして、きょうは在宅での緩和ケアを考える市民公開講座でした。

大切な時間を自宅で過ごすことを選んだ患者に寄り添う緩和ケアには

高い専門性が求められます。

愛媛県内で、患者、家族の思いを十分に聴き取り、寄り添う医療を提供している報告を聞き

希望を感じることができました。

 

いろいろなところで、さまざまな角度から

患者と家族を支える緩和ケアのあり方が考えられています。

それぞれの成果も見えるようになってきました。

しかし、何かが足りない。

診断され、治療を受けて、場合によっては大事な時間を自宅で過ごす。

その間の「切れ目のない」ケアが見えてこないのです。

ここが、次の課題だと感じています。

 

切れ目のないケアを受けるためには

患者と家族が、どう病気に向き合うかを考えることも重要。

 

医療者と、わたしたち当事者が共に考えていくことが

より一層大事な時期にきていると感じた2日間でした。

 

 

 

 

 

 

愛媛で進む在宅緩和ケア

2016年3月2日 11:15 AM

3月に入った途端に気温が下がり、今朝も布団を出るのが辛いほどでした。

でも日中の日差しは日増しに力強くなってきているようです。

 

さて、次の日曜 3月6日に在宅緩和ケアについて考える市民公開講座が開催されます。

特別講演は金子稚子さん。

2012年に41歳で亡くなった流通ジャーナリスト 金子哲雄さんの妻です。

金子さんは、病気と向き合いながら最後まで自分らしくあることを大事にし

自宅で稚子さんのサポートを受けながら仕事も続け

葬儀や墓地、自分がいなくなった後の妻の生活も準備を成し遂げ旅立ったそうです。

妻から見た在宅緩和ケアのお話です。

 

前半には、愛媛県内で進んでいる在宅緩和ケアモデル事業の報告があります。

今治、松山、大洲、八幡浜の各地域で

地域性に合わせた取り組みが行われ、それぞれで成果があがっています。

どのような取り組みが行われているのか、

わたしたち患者家族は、在宅での療養を願うときにどう利用すればいいのかを学ぶ

貴重な機会です。

 

3月6日(日)午後1時~ 松山全日空ホテル南館

参加は無料で、事前の申し込みも必要ありません。

詳しくは、トップページのチラシをご覧ください。

 

 

 

 

八幡浜での初サロン

2016年2月28日 9:21 PM

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最高気温が16℃を超え、春を感じる一日でした。

 

きょうは、愛媛県の南部 八幡浜市で初めての「出張サロン」を開催しました。

八幡浜医師会のご協力と、地元の医療関係者の方がボランティアでお手伝いくださり

実現に漕ぎ着けました。

 

大切な人を見送った方のためのサロンを開催。

7人の方が参加してくださいました。

 

町なかサロンでも、ご遺族のためのサロンを定期的に開催しています。

涙が溢れて止まらない方。

他の人の話をじっと聞いている方。

自分なりに気持ちを整えて、やっと笑えるようになった方。

参加した方の数だけ、喪失感や後悔、悲しみがあります。

 

涙が溢れる方の背中に、隣に座った方がそっと手を置いたり

一緒に涙を流したり、時には笑ったり。

 

同じ経験をした仲間として

自分だけじゃないと思える場所を、これからも各地で作っていきたいと願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切な人を見送ったとき

2016年2月18日 7:00 AM

ほぼ1週間、出張に出ていました。

移動の大変さを心配していただきますが

飛行機も新幹線も、ホテル生活も全く苦にならず

旅先での仲間との情報交換や学び、新しい事との出会いは

地元での次の仕事への大きな活力になります。

 

さて、きょう、町なかサロンでは

「大切な人を見送った方のためのサロン」が開かれます。

 

おれんじの会が活動を始めた時から大事にしてきた取り組みです。

これまで、おれんじの会の例会や

町なかサロンでの特別企画として継続してきましたが

今月末に、南予地方で初めて開催することになりました。

 

2月28日(日)午後1時~ 八幡浜市保健センターが会場です。

詳しくはトップページのチラシをご覧ください。

 

なかなか周囲に話せない悲しみや喪失感など

同じ経験をした人同士だからこそ、わかりあえることもあります。

 

わたしも、亡き父が最後の入院をしたこの時期は

いまでも、ふと寂しさを感じることがあります。

きょうは、一人の遺族として参加する予定です。

 

より良い病院サロンを目指して

2016年2月10日 10:55 PM

きょうは、病院でサロンの運営を担当している方々と

わたしたちピアサポーターとの意見交換会でした。

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昨年から開催しています。

日頃、サロン開催の前後に事務連絡などで顔をあわせることはあっても

じっくり話をする機会はあまりありません。

そこで、お互いの思いを少しでも理解し合う機会になればと

開催しています。

 

ピアサポーターから、自分自身の経験と

サロンの意義などについて話をさせていただきました。

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病院のサロン担当者からは

「企画の段階から、ピアサポーターから意見を聞かせてほしい」

「周知方法でアイディアは?」などの声を聞かせていただきました。

 

手探りで病院サロンに関わるようになって、7年が過ぎました。

少しずつ病院との信頼関係を築いてきました。

これからも、医療者とピアサポーター、両方の手で

より良いサロンを育てていけるように努めていこうと思います。

 

しんどい時の食事について

2016年2月7日 9:22 PM

きょうは2月例会、交流会でした。

寒さのせいもあるのか、参加者は少なかったのですが

会員で、がんを経験している医師が参加してくださったので

かかりつけ医の事や、在宅医療の事などを教えていただきながら

おしゃべりすることができました。

よいサロンでした。

 

さて、町なかサロンでの特別企画。

次の土曜 13日は食事を取り上げます。

「しんどい時、上手く付き合う食事の話」がテーマで

栄養満点のお手軽レシピを

松山赤十字病院の栄養士の方から教えていただく予定です。

実演もあります!

 

定員は10人程度で、事前申し込みを受け付けています。

興味のある方は、町なかサロンまで電話(089-997-7638)で

お申込みください。

参加は無料です。

 

治療中、吐き気があって病院の食事はほとんど取れなかったのですが

突然”鯛焼き”が食べたくなったことがありました。

家族があちこち探して買ってきてくれて、6匹(6個?)を

いっぺんに食べたことを覚えています。

日頃、そんなに甘いものを食べる習慣はなかったのですが

なぜか、あんこたっぷりの鯛焼きだけ食べられたのでした。

いまでも、鯛焼きを見かけると、あの病室の風景を思い出します。

 

 

笑えない日も。

2016年2月3日 12:30 AM

日に日に梅の数が増えていきます。

そういえば、ほんの少しだけ日差しの力が増してきたようにも感じます。

 

季節は明るい方へ向かっているのに

少し気の重いことがあり、笑えない日が続いています。

それを知っている仲間が、さりげなく寄り添うメールを送ってくれました。

 

それで思い出したこと。

 

もう10年以上前、まだこの活動を始める前のことです。

友人が、がんの治療をすることになりました。

わたしが経験者と知っていたので、何かと頼ってくれました。

 

治療がつらく、不安を抱えて

つい涙することが多かった彼女に対して、わたしは

「笑った方がいいのよ。作り笑顔でもいいから!」と

繰り返し励ましたのです。

 

「そうですよね」と言いながら、ぎこちなく作り笑顔を見せてくれていましたが

それが、どんなにしんどいことだったか。

 

後にピアサポートについて勉強するようになって

自分がしてきたことの間違いにようやく気付きました。

 

笑顔になれない日もある。

どうしても涙が止まらなかったり

自分や誰かを責めなければいられない気持ちの時も。

そのすべてを受け止め、励まさず、口先の慰めを口にせず

ただ傍にいること。

自分が患者だったときに、それが一番うれしかったことを

すっかり忘れてしまっていたのです。

 

「わたしは、あなたのそばにいるよ」

メールの絵文字に込められたあたたかさを感じながら

大事なことを、改めて胸に刻みました。

 

 

 

 

絵本のチカラ

2016年2月1日 10:39 PM

2月に入りました。

出張で数日家を空けて戻ったら、紅梅が咲き始めていました。

でも、まだ当分寒さは続きそうです。

 

昨日は、町なかサロンで初の「絵本」を使ってのサロンを開催しました。

絵本セラピスト協会認定 絵本セラピストの福井一恵さんをお招きしました。

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6冊の絵本を読んでいただき、そこから感じたことなどを語り合います。

 

同じ絵本でも、参加者の数だけ感じ方があり

自分とは異なる受け止め方を知って、その本の魅力に気付いたり

考えさせられたり・・・。

 

参加した方は、ご家族への向き合い方や

治療中にかけられた言葉の思い出なども語り合っていました。

 

絵本は、決して子どもだけのものではなく

大人も、心をやわらかくして自分のことを振り返ることができると

改めて感じたサロンでした。

 

 

 

 

 
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