NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

患者の語り

2010年1月31日 8:36 PM

きょうは、「『患者の語り』が医療を変える」というフォーラムに参加してきました。
これは、厚生労働省の研究費によって、がん体験をめぐる『患者の語り』をデータベース化を行っているグループが開いたものです。

告知を受けたときの気持ち、治療法の選択、周囲の人との関わりなどについて患者自らがカメラの前で語り、それをデータベース化するというものです。

現在40人を超える乳がん患者の語りが公開されています。
百聞は一見に如かず。
こちらをご覧ください。
http://www.dipex-j.org/

年代別、話の内容別に検索ができます。
例えば「若年患者の声が聞きたい」、「リンパ浮腫のときに他の人はどうしているの?」といったポイントに合わせて語りを聞くことができるというものです。

きょうのフォーラムは、このデータベース化研究のこれまでの成果と今後の展開について話し合われました。

今後他の部位のがんにも広げていくことや、医学教育に取り入れていく可能性などについて活発な意見が出されました。

自身の体験をカメラの前で語り、きょうのフォーラムでも登壇していた鹿児島の三好綾さんは「8年前、自分が若年性乳がんと診断されたときにこんなサイトがあれば、ずいぶん助けられたはず。今後もっともっと広がっていってほしい」と語っていました。
本当にその通りです。
勇気をもって語る患者が増え、さらに展開していくことを願っています。

 

よしちゃんの思いを伝える

2010年1月30日 11:03 PM

きょうも『家族必携』問い合わせの電話は鳴りやみません。
深夜になり鳴ってもない呼び出し音が聞こえてくるような錯覚が…。

さて、きょうは午前と午後の2回がん関連の勉強会がありました。

まず朝は、松山市立素鵞小学校でPTAの方々を対象にお話をしてきました。
私自身の経験を語り、その後検診についての基礎知識と子宮頸がんについての情報提供。
そして最後には、おれんじの会で作成したDVD(会員の語りを収録したもの)を見ていただきました。
50~60人くらいだったでしょうか、寒い体育館での話にもかかわらず皆さんがとても熱心に聞いてくださいました。
特に、ご自分の娘さんたちが対象となる子宮頸がんワクチンについては身を乗り出して聞いてくださいました。

午後からは、地域での緩和ケアを考えるセミナーのシンポジウムに患者の立場で参加しました。
愛媛大学附属病院腫瘍センターと医療福祉支援センターの研究会として開催されたもので、医療関係者など100人余りが集まりました。
緩和ケアを切り口に、地域でがんに向き合うために何が出来るのかについて話し合いました。

きょうの2つの勉強会ともに、”よしちゃん”の思いを代わって伝えてきました。
「若いお母さん、がん検診を受けてください!」
「緩和ケアなどがんについて勉強することは、自分の人生を決定することです!」

よしちゃんが語らせてくれたメッセージが多く方々のこころに留まりいつか実を結んでくれますように。

 

不測の事態!

2010年1月29日 9:41 PM

朝9時、おれんじの会の電話が鳴りました。
「長野からなんですが…」

そういえば、きょうの信濃毎日新聞に『家族必携』紹介記事が掲載されると連絡を頂いていました。

送り先を伺って電話を切ると、また電話。
えっ?
切るとまた同じ市外局番?
えっ、え~~っ!!!

対応しているうちに時間が過ぎ、打ち合わせを30分ずらしてもらう事態になりました。
打ち合わせの間も電話は鳴り続けました。
きょうに限って、この打ち合わせに始まって夜までビッシリ会議などの予定が入っていて電話を取る事ができません。
結局、一日で100件近いお電話をいただきました。

メッセージを残してくださっていた方には折り返しお電話をしたのですが、着信履歴だけの方にはご連絡できず。
申し訳ないことをしてしまいました…。

それにしても、こんなに反響があるとは思いもしませんでした。
私たちが想定した以上に、ご家族の悩みや不安の深いことを思い知った一日でした。

さて、これから発送作業に入ります!

 

日本一短い手紙

2010年1月28日 7:59 PM

きょう「日本一短い手紙」コンクールの入賞作品が発表されました。
このコンクールは、福井県坂井市の丸岡町文化振興財団が開いているものです。

45歳の女性が、亡くなった母親に宛てた手紙がこころに響きました。
  『イナイイナイバァ!酸素マスク外し 3歳の孫を笑わせたね』
3歳だと、祖母の死を理解するのは難しいかもしれません。
でも、小さな心の奥底のどこかに、病気や死というものに自然に向き合える種が播かれたでのはないかしらと、勝手に想像しています。

私の母方の祖母は家で息を引き取りました。
集まってきた親せきは、寝ている祖母の側に代わる代わる座り、静かな穏やかな雰囲気の中での最期の時間を過ごし、その瞬間を迎えました。
当時、小学校3年生だった私は、人が死ぬというのは、こんなふうに枯葉がすっと枝から離れるような自然なものなのだと思い込みました。
それだけに、その10年後の父親の無残な最期を受け入れることが難しかったのかもしれません。

「日本一短い手紙」で思いだしましたが、松山市子規記念博物館では「はがき歌」コンテストを実施しています。
こちらは正岡子規にちなんで五・七・五の短歌形式で書いた手紙です。
もうずいぶん前のコンテストで入選した歌がいまだに頭に残っています。

『生きてくれ そばにいてくれ いつまでも 歩けなくても話せなくても』

 

すばらしい仲間

2010年1月27日 11:33 PM

きょうも、「家族必携」についてお問い合わせがありました。
ご兄弟(ご姉妹?)が病気で、なかなか治療法が見つからずやっと希望をつないだある療法について”適応外”との連絡を昨夜受け取ったばかりだそうです。
「何もしてやれなくて…」との涙声。
そんな大変なときに、新聞記事だけを頼りにお電話をくださったのだと思うと胸が一杯になります。
今夜発送しました。少しお待ちくださいね。

さて、今夜は理事会でした。
主に来年度の事業計画について話し合いました。
県内各地で孤独に病気と向き合っている患者・家族のみなさんに「ひとりじゃない」というメッセージをどうすれば届けられるか?
当事者の思いに応える活動をするには?
2時間を超える話し合いになりました。

親バカというのでしょうか、手前味噌と言うのでしょうか、自画自賛というのでしょうか。
本当に素晴らしい仲間に恵まれたことを実感します。
治療を続けている自分のことは二の次、これからの患者・家族を支えるシステム作りに目を向けて具体的な取り組みを考えだすパワー。
思い出したくもない自分の辛い体験をたどって、同じ思いをさせないためにどうすればいいかを語る愛情。

こんなにすばらしい仲間が集まったのは奇跡としか言いようがありません。

スミマセン、きょうは思いきり自慢させていただきました!

 

薬剤師研修会にて

2010年1月26日 4:09 PM

きょうは快晴です。

『家族必携』の紹介記事がきょうは鹿児島の南日本新聞に掲載されたそうで、鹿児島にお住まいの方からお問い合わせがありました。
北へ南へと発送作業が続いています。
それにしても、受話器の向こうから聞こえてくる様々なイントネーション。
日本語の豊かさを改めて実感しています。

昨夜は新居浜へ行ってきました。
東予地域の病院薬剤師のみなさんの研修会で、がん患者・家族の思いをお話させていただきました。
週明けで忙しい一日が終わった後、夜7時過ぎからの研修会に40人近い薬剤師の方々が参加なさっていました。

その薬剤師の仕事について、私たちはどの程度知っているでしょうか?
特にがん領域では、高度化する薬物療法を担う目的で「がん専門薬剤師」「がん薬物療法認定薬剤師」という資格制度が設けられています。
抗がん剤や医療用麻薬などについて最新の知識を持ち、どういう病状でどういう処方が適切なのかについて日々研究が続けられています。
興味のある方はhttp://www.jshp.or.jp/ を参考になさってください。

熱心に話を聞いてくださる薬剤師のみなさんのお顔を拝見しながら、ここにも患者・家族を支えようという熱い思いがあることを知り嬉しくなった夜でした。

 

『家族必携』全国へ

2010年1月25日 2:46 PM

どんよりとした空で寒い一日です。

きょうは朝から電話対応が続いています。
実は、私たちおれんじの会が作成した『家族必携』について、共同通信から配信された記事が各地の地元紙で紹介され、問い合わせが相次いでいるのです。
新潟から、福島から…。

去年この事業を計画したときには考えてもみなかった展開です。
私たちの思いが、遠くの地でがんと向き合う方たちの元へ飛んでいきます。
少しでもお役に立つようにと願いを込めながら発送作業を続けます。

遅くなっていますが、おれんじの会会員のみなさんには例会案内と共に発送しますので少しお待ちください!

 

想像力

2010年1月24日 9:11 PM

きょうは久しぶりにコンサートへ行ってきました。
地元で活動している「オペラえひめ」の定期公演です。
いい気分転換になりました。

さて、先週金曜に聴いてきた広島大学病院の佐伯俊成先生のご講演の報告です。
特にがん医療において、医療者が患者・家族に情報を伝えるときの大事なポイントと、それを実現するための技術についてのお話でした。
医療者向けの内容ですが、そのすべてにおいて「医療の中心は患者」「患者の感情に応える」という事が貫かれ、患者・家族の立場で聞いていて希望を感じることができました。

例えば「想像力のない医療者は去るべきです!」
こういう情報を伝えたらどう感じるのか?言葉と本音は違っているのではないか?常に想像力を働かせることの大切さを説き、患者会に参加してみることを医療者に勧めてくださいました。

講演の中で患者向けの指針についても触れていらっしゃったのでご紹介します。
 *主治医は自分のよき相談相手と心得る
 *病気に対する心配を信頼すべき人に打ち明ける
 *自分の悪い行いが病気をもたらしたわけではない
 *がんと最後まで闘い続ける必要はない
 *いつも前向きに考えられなくても決しておかしくない
 *これまでに使ってきた対処方法を使う
 *以前助けになった仲間にまたお世話になる

いつも前向きでなくてもいい…この言葉はうれしいですね。
どうしてもしんどくて顔を上げられない気分のときにも、それを認めて待ってくれる人がいたら、どんなに嬉しいでしょうか。

佐伯先生のお話を聞いた医療者の方々が、これまでよりほんの少しでも想像力を働かせてくださるようになれば、その病院にはあたたかな風が流れるようになると思います。
同時に、わたしたち患者・家族も、医療者の「治したい」という思いや忙しさを少し想像してみることが大事です。
そうやって互いに歩み寄ることで、よりよい医療を実現できるのだと思います。

 

ピアサポーター養成セミナー

2010年1月23日 9:11 PM

宇和島へ行ってきました。
愛媛県から委託を受けて実施している「ピアサポーター養成セミナー」の最終回でした。
定員の30人近い方が参加してくださいました。

市立宇和島病院の梶原伸介副院長から、地域でのがん医療への取り組みについての紹介。
次に、高知でがん相談に対応している安岡佑莉子さんから、高知での活動紹介。
そしてコミュニケーション技術の基礎。
最後に、地元でどんなピアサポートが出来るかを参加者の皆さんとご一緒に考えました。

これで、今治、新居浜、松山そして宇和島と4か所での開催がすべて終わりました。
それぞれの地域で、これからどんな取り組みが出来るのか?
次のステップに向けて県や医療機関の担当者と話し合っていきます。

患者・家族が孤独の中で病気に向き合っている現状が少しでも改善されるように、そのために少し先を歩いている私たち経験者=ピアがお役に立てる場が愛媛でも増えることを目指して…。

 

1時間半の価値

2010年1月22日 10:28 PM

また寒さが戻ってきました。

私の母は今年80歳になります。
重度の認知症で3年ほど前からは、私のこともわかりません。
「娘さんは何歳?」と聞くと「24歳!」と答えるそうなので、44歳の私が顔を見せてもそりゃあ娘とは認められないですよね…。

そんな状況なので、母に関わる法的な手続きのために私が成年後見人になっています。
きょうはその手続きのために、ある金融機関へ。
何枚もの書類に署名して押印して、最後に”母が父の妻であり、父は死亡している」という証明書が必要だということになりました。
市役所で確認すると、元々本籍のあったところでしか証明書は取れないとのこと。
え~?!
結局手続きは出来ず、そこまでにかかった1時間半もの時間が無駄になったのでした。
ガックリ。

夜は松山赤十字病院で開かれた緩和ケア講演会へ。
講師は広島大学病院の佐伯俊成先生。
テーマは「がん医療におけるコミュニケーションの基本技術」。
医療者向けの講演だったのですが、患者・家族の思いを見事に反映した内容で、何度も心の中で拍手を送りました!
詳しい内容は改めて報告しますが、とにかく「そう、それをわかってほしかったんです!」という患者・家族の視点に立ったお話でした。
更に嬉しかったのは、150人を超える医療者の参加があったことです。
若い方の姿も多く見られました。
わかりやすいお話でしたから、早速あすからの医療現場で生かされるものと思います。

この講演も1時間半。
昼間のマイナスを取り返してなお余りある収穫でした!

 

 
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