NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

想像力

2010年1月24日 9:11 PM

きょうは久しぶりにコンサートへ行ってきました。
地元で活動している「オペラえひめ」の定期公演です。
いい気分転換になりました。

さて、先週金曜に聴いてきた広島大学病院の佐伯俊成先生のご講演の報告です。
特にがん医療において、医療者が患者・家族に情報を伝えるときの大事なポイントと、それを実現するための技術についてのお話でした。
医療者向けの内容ですが、そのすべてにおいて「医療の中心は患者」「患者の感情に応える」という事が貫かれ、患者・家族の立場で聞いていて希望を感じることができました。

例えば「想像力のない医療者は去るべきです!」
こういう情報を伝えたらどう感じるのか?言葉と本音は違っているのではないか?常に想像力を働かせることの大切さを説き、患者会に参加してみることを医療者に勧めてくださいました。

講演の中で患者向けの指針についても触れていらっしゃったのでご紹介します。
 *主治医は自分のよき相談相手と心得る
 *病気に対する心配を信頼すべき人に打ち明ける
 *自分の悪い行いが病気をもたらしたわけではない
 *がんと最後まで闘い続ける必要はない
 *いつも前向きに考えられなくても決しておかしくない
 *これまでに使ってきた対処方法を使う
 *以前助けになった仲間にまたお世話になる

いつも前向きでなくてもいい…この言葉はうれしいですね。
どうしてもしんどくて顔を上げられない気分のときにも、それを認めて待ってくれる人がいたら、どんなに嬉しいでしょうか。

佐伯先生のお話を聞いた医療者の方々が、これまでよりほんの少しでも想像力を働かせてくださるようになれば、その病院にはあたたかな風が流れるようになると思います。
同時に、わたしたち患者・家族も、医療者の「治したい」という思いや忙しさを少し想像してみることが大事です。
そうやって互いに歩み寄ることで、よりよい医療を実現できるのだと思います。

 

ピアサポーター養成セミナー

2010年1月23日 9:11 PM

宇和島へ行ってきました。
愛媛県から委託を受けて実施している「ピアサポーター養成セミナー」の最終回でした。
定員の30人近い方が参加してくださいました。

市立宇和島病院の梶原伸介副院長から、地域でのがん医療への取り組みについての紹介。
次に、高知でがん相談に対応している安岡佑莉子さんから、高知での活動紹介。
そしてコミュニケーション技術の基礎。
最後に、地元でどんなピアサポートが出来るかを参加者の皆さんとご一緒に考えました。

これで、今治、新居浜、松山そして宇和島と4か所での開催がすべて終わりました。
それぞれの地域で、これからどんな取り組みが出来るのか?
次のステップに向けて県や医療機関の担当者と話し合っていきます。

患者・家族が孤独の中で病気に向き合っている現状が少しでも改善されるように、そのために少し先を歩いている私たち経験者=ピアがお役に立てる場が愛媛でも増えることを目指して…。

 

1時間半の価値

2010年1月22日 10:28 PM

また寒さが戻ってきました。

私の母は今年80歳になります。
重度の認知症で3年ほど前からは、私のこともわかりません。
「娘さんは何歳?」と聞くと「24歳!」と答えるそうなので、44歳の私が顔を見せてもそりゃあ娘とは認められないですよね…。

そんな状況なので、母に関わる法的な手続きのために私が成年後見人になっています。
きょうはその手続きのために、ある金融機関へ。
何枚もの書類に署名して押印して、最後に”母が父の妻であり、父は死亡している」という証明書が必要だということになりました。
市役所で確認すると、元々本籍のあったところでしか証明書は取れないとのこと。
え~?!
結局手続きは出来ず、そこまでにかかった1時間半もの時間が無駄になったのでした。
ガックリ。

夜は松山赤十字病院で開かれた緩和ケア講演会へ。
講師は広島大学病院の佐伯俊成先生。
テーマは「がん医療におけるコミュニケーションの基本技術」。
医療者向けの講演だったのですが、患者・家族の思いを見事に反映した内容で、何度も心の中で拍手を送りました!
詳しい内容は改めて報告しますが、とにかく「そう、それをわかってほしかったんです!」という患者・家族の視点に立ったお話でした。
更に嬉しかったのは、150人を超える医療者の参加があったことです。
若い方の姿も多く見られました。
わかりやすいお話でしたから、早速あすからの医療現場で生かされるものと思います。

この講演も1時間半。
昼間のマイナスを取り返してなお余りある収穫でした!

 

埼玉県志木市に生まれればよかった…

2010年1月21日 5:07 PM

どんよりとした曇り空です。
次第に冷えてきました。
きょうは、午後からPCに向って事業報告書作りに専念しました。
先日実施した「家族ケア」についての報告書です。
アウトプット、アウトカム、数値化して記入せよ…頭をかきむしりながらようやく仕上げました。

さて、本日の記事のタイトルの意味。
こちらをお読みください。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20100118-OYT8T01347.htm

先日からたびたび話題にしてきた子宮頸がん予防ワクチンに関して、埼玉県志木市では年齢を限るものの全額補助という英断を下しました!
補助を決めたのは魚沼市に次いで2番目です。

ワクチンの接種費用は50,000円前後です。
決して安くありません。
この経済状況の中、娘にワクチン接種をしてやれない家庭があってもそれを責めることはできません。
でも、志木市や魚沼市に住んでいれば無料で受けられるのです。
公費によって、若い女性のいのちと体が守られるのです。
愛媛はどうでしょう?松山市はどうでしょう?
格差が生じていいのでしょうか?

昨日の国会審議の中での、この子宮頸がんワクチンに関する質問と答弁が紙面で伝えられていました。
公明党の松あきら氏の質問に対して、鳩山総理は
「助成を積極的に検討し、できる限り早期に実現できるよう努力する」と答えています。

この答えの行方を見守っていかなければなりません!

 

医療連携

2010年1月20日 10:20 PM

きょうはあたたかな一日でした。
松山では最高気温が19℃。
日中は、寒がりの私でも暖房をつけずに過ごせました。
庭の紅梅のつぼみの赤みが急に増してきました。

昨日の記事でも書いたとおり、きょうは叔母の診察日。
3年前に放射線治療を受け、その後半年に一度の経過観察が続いています。
駅へ迎えに行くと、どうも歩き方がいつもと違ってみえました。
聞くと、膝の痛みが最近ひどくなってきたとのこと。
整形外科を受診しているのですが、加齢からくるもので、治すよりも付き合っていくしかない症状なのだそうです。

その痛い膝を抱えて片道3時間の通院。
半年に一度とはいえ、なかなかしんどいはずです。

そのことを知った主治医から「じゃあ近くの病院に紹介しましょうか?」と言ってくださったのですが、叔母は間髪を入れず「いいえ!先生にお願いします」とキッパリ。
帰りの車の中で「やっぱり大きい病院じゃないとねぇ」と言っていました。

そうですよね。これが患者の本音ですよね。
大きな病院で、できれば主治医も替えたくない。

でも医療行政の流れは医療連携へ。
いわゆる大きな病院は手術や大掛かりな検査、入院を引き受け、経過観察や通常の検査は地域のクリニックで。

これはがん領域も同じです。
効率よく、緊急性の高い患者に必要な医療を提供するために連携が必要だということは理解できます。
しかし、だからと言って患者・家族の不安は置き去りでいいということにはなりません。

患者・家族が安心できる医療連携とは何か?
これも考えていかなければならない課題です。

叔母は幸い異状なしでした。ホッ。

 

プロフェッショナル

2010年1月19日 11:15 PM

すっかり夜型の生活になってしまいました。
以前は日付が変わる頃には寝て早起きする良い子だったのに…。
毎日、きょうこそ10時には仕事をやめて早寝をしよう!と決意しながら気づくと11時、12時です。

そんなわけで昨夜も遅くなったのですが、いいことがありました。
ちょうど夜中にNHKで『プロフェッショナル~仕事の流儀』の再放送をしていて目が釘付けになってしまいました。
昨夜の主人公は研究者浅川智恵子さん。
NHKなので社名を出していませんでしたが、たぶんIBM。
浅川さんはソフト開発の研究者です。
子ども時代の事故がキッカケで全盲になった浅川さん。
出来ることが限られていく生活の中で、さまざまな挫折を繰り返しながら”自分にしかできない仕事”であるIT分野の研究者の道に進みます。
そして、ホームページの情報を音声化する世界初のソフトの開発を成功させ、現在はIBMで日本人ただひとりの研究職最高位に就いています。

番組の中で浅川さんのいろいろなメッセージが紹介されていましたが、一番心に響いたのは「自分に出来ることは限られている」という言葉でした。

そう、私に出来ることなんて限られているんですよね。
その当たり前のことに気付き、自分の限界を認めていく事の大事さを考えたのでした。

浅川さんのその他のメッセージはhttp://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/100112/index.html をご覧ください。

あすは朝一番から叔母の通院の付き添いです。
島に住んでいる叔母は、朝7時の船に乗りJRを乗り継いでおよそ3時間かけての通院です。
半年に一度の経過観察。無事でありますように。

さぁ、そろそろPCを閉じることにします。

 

いのちのリレー

2010年1月18日 9:28 PM

あるメーリングリストで訃報が伝えられました。
北海道で病気と向き合っていた金子明美さん。
金子さんの思いの一端を知る事ができるサイトはhttp://www.nhk.or.jp/heart-blog/people/rfl/post_153.html

私は直接の面識はありませんが、室蘭でのリレーフォーライフを目指して活動していた頃の様子をテレビで拝見したことがあります。

金子さんは、国のがん対策推進協議会の委員としても活動していました。
その協議会での発言の一部をご紹介します。

2008年11月 がん対策推進協議会議事録より

今標準的治療の中に分子標的薬のすごく高額なものがすごくあって、なかなか工面するのに大変な患者さんがすごく増えてきているんです。
ですけれども、そこに対しての何ら施策が何もなくて、せめて入院で使用している限度額認定証を外来でも使用していただけるということのプッシュもぜひしていただきたいなと。
あと、長期における化学療法の助成に対しても、本当に心から前向きにご検討いただきたいなと切にお願い申し上げます。
本当にどんなに立派な病院でも、どんなにたくさん医療機器がそろっていても、やっぱりそれを受ける患者さん、全てのがん患者さんが受けられなければ、それはやっぱり絵にかいたもちになってしまうのではないかなと私は思っております。

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来年度の国のがん対策予算を見てみると、金子さんが訴えた治療費の助成などに関するものはまったく算定されていません。
がん予防・早期発見に関する予算は106億円余りです。

金子さんの言葉をしっかり受け止め引き継いでいかなければなりません。
それは生き残った者の務めだと思うのです。

 

熊本にて

2010年1月17日 10:18 PM

ファイル 369-1.jpg

熊本城です。
快晴の空にそびえ立つ姿は美しいの一言でした。

昨日、熊本県八代市で開かれた市民講座で緩和ケアについて患者・家族が思うことについてお話をさせていただきました。
八代市にある平成病院院長の坂本眞一先生が、お声掛けくださって実現したものです。

父親の死、自分自身の患者としての体験、おれんじの会での取り組みなどお話し、医療者と患者・家族、そして市民の方々も一緒にがんについて正しい知識を持ち、話をし、がまんをしないことで「痛い」と言える社会にしていければ、というようなお話をさせていただきました。

会場にいらした130人ほどの方々も、また参加なさった医師、看護師、薬剤師のみなさんも本当に熱心に聞いてくださいました。
感謝でした。
参加なさった方が「緩和ケア」という言葉を、これまでより少しでも身近に感じてくださるようになればと願っています。

およそ20年ぶりの熊本。
馬刺し、からし蓮根、だご汁、水前寺のり…郷土料理を満喫しました。
そして太平燕(タイピーエン)
ファイル 369-2.jpg

春雨スープに五目野菜と揚げ卵が入っています。
生まれて初めて食べましたが、これは美味!!
熊本城の美しさと豊かな郷土料理。
すっかり熊本の魅力にハマった2日間でした。

 

子宮頚がん予防ワクチン

2010年1月16日 10:19 PM

このブログでも再々書いている子宮頚がんに関して。
予防ワクチンが去年10月に承認され、12月22日から販売が始まりました。
先日、知り合いが松山市内のクリニックで見つけたチラシでは1回の接種費用が15,000円と書いてあったそうです。
3回の接種で1セットですから合計45,000円。
決して安い費用ではありません。

実は、すでに承認・販売が定着している諸外国の多くは費用を公費で負担しています。
日本でもそうあるべきです。
そこで署名活動が始まりました。
ぜひ多くの方々のご理解をお願いしたいと思います。
詳しくはhttp://hpv.umin.jp/ をご覧ください。

 

がん医療に関する情報を得るには

2010年1月15日 8:27 PM

寒い日が続いていますね。
つい、背中を丸めて歩いてしまいます。
ビルの窓に映った自分の姿を見てハッとすることがあります。
カッコ悪いです。気を付けなければ!

さて、会員専用掲示板に障害年金についての書き込みがありました。
障害年金受給者なのに、国民健康保険の保険料を多く払い過ぎていたという報告です。

私も社会保障関係の知識はほとんどありません。
勉強しておかなければと改めて思いました。

障害年金のこと、治療費のこと、生命保険のこと…。
おカネに関わる事は口にしずらいという方もあるかもしれませんが知っておくべき情報はたくさんあります。
治療を受けている病院の相談窓口でソーシャルワーカーに尋ねてみましょう。
え~知らなかった!というようなこともあるかもしれません。

がん医療に向き合うときに、情報を得るチャンネルは一つでも多く持っておくべきです。
主治医や看護師はもちろんですが、栄養士、臨床心理士、薬剤師、ソーシャルワーカーなど、病院にはいろいろな職種の専門家がいます。
みんな忙しそうに見えるかもしれませんが、頼りにされると嬉しいものなのです。
上手に使い分けて情報を引き出しましょう。

 

 
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