NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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違法な自由診療について

2017年8月29日 10:03 PM

違法な臍帯血移植に関する報道が続いています。

 

松山市内のクリニックでも

法律上必要な届け出をせずに移植を行っていたということで

愛媛新聞から、患者団体としての見解を聞かれ

回答した記事が本日付で掲載されています。

 

誠実な取材に、こちらも丁寧に回答したつもりですが

紙面には限りがあり

お伝えしたことのすべてが掲載されているわけではありません。

少し長くなりますが

わたしの見解を書かせていただきます。

 

患者さんやご家族は

「これ以上できる治療法はありません」と言われて

ああそうですか、と簡単に受け入れられるものではありません。

何か方法はないものか?

ネットや口コミなどで手立てを探そうとするのは

ごく当たり前のことだと思います。

 

しかし、残念ながら医学的な知識を持たず

情報の探し方について詳しくもなく

そして、何より冷静とはいえない状況のなかでは

藁をつかんでしまうことも少なくありません。

 

「有効性」「安全性」という言葉が

医療のうえでどれほどの重みを持つものか。

わたしがこの事を理解できたのは、

治療が一段落し

落ち着いて自分の病気を考えられるようになってからでした。

 

世の中には「有効性」や「安全性」が

十分に確認できていない医療が存在します。

広い意味でいえば、治験を含む臨床試験もそういえます。

http://ganjoho.jp/public/dia_tre/clinical_trial/index.html

 

「有効性」と「安全性」を確認するために

研究段階の治療を患者に行うわけですが

そこには厳しい基準や規制があり

参加する患者は守られています。

 

一方で、そうした基準や規制の外で

一部の医師が

自分の見識や経験だけで治療を行っているのも事実です。

 

今回の事件では

十分に適合していない臍帯血を移植していたという報道もありました。

どういう患者さんを対象としていたのかはわかりませんが

もしも状態の良くないがん患者さんを対象としていたならば

あまりにも安全性を軽んじた

つまり患者の命を軽んじた許されない行為だと思います。

 

しかし、医学に詳しくない人であれば

どこが問題なのかわからないわけです。

「これで奇跡的に治った人がいますから」と言われれば

その奇跡が自分にも?!と思ってしまうかもしれません。

 

もしも、「これ以上できる治療法はありません」と言われ

自由診療などを考えるのならば

せめて次の3つのことを確認することをお勧めしたいと思います。

 ・メリットだけでなくデメリット、リスクについても

  具体的に説明を受けること

 ・副作用が出たときに必ず対応してもらうこと

 ・もともとの治療医と連携を取ってもらうこと

 

この3点について渋ったり、十分な対応がない場合は

慎重に考えたほうがよいと思います。

 

本当は、自由診療を考えるときには

もともとの治療医に相談するのが一番なのですが

中には、頭ごなしに否定する医師もいて

その結果、誰にも相談せずに自由診療を受けている方もあるようです。

 

主治医に言えないならば

病院の相談窓口や看護師、薬剤師など他の医療スタッフに

もしくは信頼できる患者団体などに相談してみることも

一つの方法だといえます。

 

残念ながら、医療を金儲けだと思っている人間が存在します。

取り締まるための法整備が待たれますが

わたしたち自身も、しっかりと考えていく必要があると言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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