NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

親を看るということ

2010年7月1日 9:36 PM

きょうから7月。
松山は蒸し暑い一日でした。

昨日から3日間に亘って、四国がんセンターの職員研修をおれんじの会で担当させていただいています。
全職員と、病院に関係する業者の方々併せて500人近くが参加する研修です。
今年は「聴き方 伝え方」をテーマにしています。
患者・家族の声にならない声を聴きとってくださるようにと願っています。

さて、昨日からテレビを騒がせている韓国人俳優が亡くなったニュースについて。
がんと向き合っている父親の事も関係しているのでは、という一部報道がありました。
それが事実かどうかはわかりませんが、少し思うところがあります。

年を重ねて次第に弱っていく親を子どもが看るのは普通のことです。
自分が元気で、親の面倒をみられるのは幸せなことだといえるでしょう。
でも、そう頭ではわかっていても心が苦しいということもあります。

私の母は持病があり、9年ほど前から入退院を繰り返すようになり、その後認知症が重症化して現在は専門病棟に入院しています。
現在の病院に落ち着くまでは、本当に厳しい闘いの日々でした。

歩けなくなる、排泄ができなくなる、問題行動を起こすようになる…病気のせいだとわかっていても自分の親の変化を受け入れるのは簡単なことではありませんでした。
受け入れられない自分が、ひどい人間に思えました。

親戚や周囲の方から「しっかり看てあげなさいね」と言われるたびに胸にナイフが突き刺さるようでした。

病院のベッドで小さくなっていく母を残して帰る車中は、涙が止まりませんでした。

亡くなったパク・ヨンハさんが、前夜父親の身体をさすりながら「ごめんなさい」と言っていたと聞きました。
彼の気持ちが、少しわかる気がします。

 

 
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