NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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愛媛県がん対策推進条例

2010年3月10日 9:22 PM

きょうは、「愛媛県がん対策推進条例審査特別委員会」に参考人として出席してきました。
現在開会中の県議会に提出されている「愛媛県がん対策推進条例」に関して、患者・家族の一人として意見を申し上げるためです。
医療者側からの参考人として愛媛大学医学部の櫃本真聿先生が出席しました。
提案議員側と特別委員会委員との間で2時間にわたって審議が行われ、最終的には全員一致で原案通り可決されました。
本会議での決議を経て成立することになります。

条例は前文と14の条文で成り立っています。
少し長いのですが、前文を記します。
「がん対策基本法の趣旨を踏まえ、すべての県民が生命を尊重する良心に基づき、温かみのある適切ながん対策を推進することにより、がんになってもお互いに支え合い、安心して暮らしていける地域社会を実現することを決意し、この条例を制定する」

条文には、他県にはない特色が盛り込まれています。
在宅医療の推進、愛媛県がん対策推進委員会の設置、施策の見直し、そして県民総ぐるみによる推進など。

もちろん、条例ができたからすぐにがん医療が充実し、患者・家族の療養生活が変わるわけではありません。
ですが、患者・家族が望む医療を実現するための第一歩が踏み出せたことは間違いありません。

条例制定は県議会議員のみなさんのお力によって成し遂げられました。
この条例を活かしていけるかどうかは、私たち患者・家族側にも係ってくることです。
条例が定めるさまざまな項目の達成度がどうなっているのか、私たち患者・家族が望む医療に向けて近づいているのか。
それをしっかり見つめ、必要に応じては意見も出し、積極的に関わっていくことが求められます。
そうしてこそはじめて条例制定の果実を自分たちのものに出来るのだと思います。

委員会での決議のあと、用事があって四国がんセンターへ行きました。
きょうの条例可決のニュースを一緒に喜びたかった仲間の顔が浮かびました。
帰りの車の中で、泣けて泣けて仕方ありませんでした。

条例ができたことは一つの通過点。
先に逝った仲間が流したたくさんの涙を決して無駄にしてはならないと、改めて気持ちを引き締めています。

 

 
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