NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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大学病院の緩和ケアセミナーで考えたこと

2011年12月2日 10:47 PM

12月に入ってどんよりしたお天気が続いています。
でも、クリスマスの飾り付けが気持ちを明るくしてくれます。

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愛媛大学病院の廊下です。
病院での飾り付けというと、なぜか子どもっぽいものが多いのですが、ここはオトナのクリスマス!

昨日は、大学病院で緩和ケアセミナーが開かれました。
他県の大学病院での緩和ケアチームの取り組みについての報告に続いて、院内での緩和ケアの事例報告が2例行われました。
どちらも、大学病院で治療を受けていて在宅へ移行した患者さんの事例でした。

そのうちの1つの事例は、在宅移行後短い期間で旅立ったケースでした。
なぜ、もう少し早く移行できなかったのかが議論になりました。

病院の看護師からは、在宅という選択肢があることを早くから知らせていたそうですが、患者・家族ともに「まだ大丈夫」と、なかなか受け入れに至らなかったそうです。
病状について、厳しく急変があり得るという現実を伝える時期の見極めが難しかったという報告でした。

このような患者・家族と医療者との認識の差は、よく見聞きすることです。

いわゆる「悪い知らせ」に対して、患者・家族と医療者はどう向き合うのか?

これは、治療がある段階へ進んだときに、患者・家族と医療者とが一緒にしっかり考えておくべきことではないかと思います。

簡単なことではありません。
私も、母の病状についての悪い知らせを聞いた時の衝撃を、いまもはっきり覚えています。
帰りの車の中で、ハンドルを握る手が震えていました。
でも、この段階があっからこそ、心を定めて母の最期の日々へ向かっていくことができたのだと思っています。

体力的にも精神的にも余力のあるときに、「悪い知らせ」はどこまで聞くのか、誰と話し合うのか、どういうふうにサポートしてもらいたいのか…こういう事を患者・家族と医療者が共に考えておくことは大事なのではないでしょうか?

 

 
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