思いを伝える
2013年5月30日 10:23 PM
きょうは、伊予病院で職員の方向けにお話をさせていただきました。
伊予病院は、建物の外観がピンク!
山の斜面に建ち、遠くからでも目立つ病院です。
リハビリテーションに力を入れていますが
地域の中核病院として、治療が一段落したがん患者さんも受け入れています。
夕方、きょうの勤務の終わった看護職、介護職を中心に50人ほどの方が集まってくださいました。
私自身の経験、患者満足度調査の結果、仲間が遺してくれたメッセージなどを紹介し
人生の仕上げのときを過ごす患者と、それを見守る家族のために
医療職だからこそできることや、すべき事についてお話をさせていただきました。
思いは伝わったのだろうか?
毎回の事ですが、お話をさせていただいた後は反省と不安でいっぱいになります。
一昨日の商工会議所での講演は反響があり
2か所での講演が新たに決まりました。
患者・家族の思いを伝える。
語らなければ伝わらない。
これからも語り続けていきます。
貴重な人材を守るためには?
2013年5月28日 10:32 PM
きょうは、松山商工会議所でお話をさせていただきました。
対象は、企業の経営者のみなさん約50人。
企業の貴重な人材を守るために、
がんについて正しい知識を知っていただく事が目的です。
そして、社員がもしもがんと診断されたら…
どう声を掛ければいい?
病気の事をどこまで尋ねていい?
周囲の他の社員への説明は?
このような疑問や不安を解決するための方策を
ご一緒に探っていきたいとお伝えしました。
2人に1人ががんと向き合う時代。
企業にも、がんへの備えが必要です。
しかし、産業医のいない中小・零細企業が自分たちの努力だけで備えをするのは難しいでしょう。
医師など専門家との連携、わたしたちのようなNPO法人との協働など
さまざまな手で、働く人を支える仕組みを作っていきたいと思っています。
話をしながら思い出していたのは
治療と仕事の両立に悩んでいた仲間の顔です。
ファンキーモンキーベイビーズの「ヒーロー」が好きだったKさん。
背中を押してください。
がん登録をどう活用するか?
2013年5月26日 9:02 PM
きょうは徳島でがん登録に関する勉強会に参加してきました。
これは、徳島のNPO法人 AWAがん対策募金が開催したもので
徳島、大阪、愛媛から医療関係者、行政担当者、そして患者関係者など50人ほどが参加しました。
がん登録とは、どのくらいの人がどういうがんに罹患しているかなどについての集計のことです。
詳しくは http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics05.html
登録によって得られた情報は、医療の質の向上やがん対策などに役立てられます。
きょうの勉強会は、そうした情報を患者・家族を含む国民も活用できる方法を探るため開かれました。
この取り組みの先進地の一つ、大阪では患者団体が情報を提供するwebサイトを開設しています。
大阪がんええナビ http://www.osaka-anavi.jp/
この中の、「がん診療スピード検索」を見ると、部位ごとの医療機関別の治療法一覧などを見ることができます。
勉強会に参加していた徳島の患者団体「がんフレンド」でも情報を活用、公開しています。
http://www.geocities.jp/rfl_awa/gf/
この中の、院内がん登録比較 という部分を見ると
同じ部位、同じ病期でも、医療機関によって治療法に特徴があることがわかります。
以前にこのブログでも紹介したように、
現在「がん登録」の法制化がすすめられています。
公表されている現段階での法案骨子(案)では、国民への情報提供についても言及されています。
がん登録で得られた情報を、どう公開していくのか?
患者・家族に役に立つ情報はどういうものか?
医療者任せにせず、わたしたちも考え発言していくことが重要です。
みんなの質問ノート
2013年5月24日 9:52 PM
きょうは、町なかサロンでの医療相談の日でした。
四国がんセンター名誉院長の高島成光先生のご協力で、月に2回行っています。
相談に来られた方のお一人がカバンから取り出したのは
おれんじの会が作成した『みんなの質問ノート』でした。
医療者への質問するときのヒントを集めた小冊子です。
何をどう質問すればいいかをまとめています。
相談に来られた方は、この内容を参考にしながら質問事項を整理して来てくださいました。
「整理してみたら、それだけでも気分が落ち着きました」とおっしゃっていました。
お役に立ててよかったです。
この冊子は、愛媛県内のがん診療連携拠点病院や保健所などで手に入れることができます。
もちろん、町なかサロンにも常備しています。
近いうちに、このホームページからもダウンロードできるよう準備を進めています。
ぜひ、ご活用ください!
人生のディナー
2013年5月23日 9:48 PM
きょうスーパーで買い物をしていた時のこと。
お菓子売り場で、水ようかんを見つけました。
2年前のちょうど今頃、入院していた母は急に食事を摂ろうとしなくなりました。
人生の終わりが近づいたサインでした。
何でも食べられそうなものをあげてみてくださいと言われ
口当たりのいい水ようかんを食べさせてみました。
「おいしい」と言って、しっかり食べてくれたときの表情。
水ようかんを前に、思わず涙がこぼれそうになりました。
昨日、テレビ番組で「人生のディナーを召し上げれ」というテーマで
あるホスピスで取り組んでいる食事の工夫について紹介していました。
人生の仕上げのときに、入院患者から食べたいもののリクエストを受け付けるという取り組みです。
再放送も終わってしまったようですが
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3351.html こちらで番組情報を見られます。
胃がんだった仲間が、最後にラーメンが食べたいと言ったときのこと。
それを聞いた患者仲間のひとりが、
病院の了解をもらって、自宅からラーメンを作って来てスープを口に含ませたことがありました。
仲間の愛のこもったスープは、最高においしかったはず!
さて、わたしは人生のディナーに何をリクエストしようかなぁ。
テレビ番組で紹介されました
2013年5月22日 10:04 PM
「がんと向き合う人のための町なかサロン」がテレビ番組で紹介されました。
NHKの四国向けのニュース番組の中で、今朝放送されました。
同じ内容が、来週月曜(27日)夕方の『いよイチ』で、愛媛県内向けに放送される予定です。
こちらでは、取材したディレクターによる解説もあるそうです。
この中で紹介されたように、町なかサロンの最大の特徴は
同じような経験をした仲間が運営しているという点です。
患者や家族として、がんという病気に向き合った経験があり
コミュニケーションなどについて一定の研修を受けた人(ピアサポーター)が活動しています。
つらい、苦しい、不安…
うまく言葉にできないような思いを、同じような経験があるからこそ共感し
必要に応じては自分たちの経験や、身に付けた知恵や工夫をお伝えし
またご希望によっては、病院など関係機関へおつなぎする活動をしています。
詳しくは、トップページの「町なかサロンとは?」をご覧ください。
松山市内中心部にあります。
どうぞ気軽にお立ち寄りください。
大事な人を見送った方のためのサロン
2013年5月18日 9:37 PM
町なかサロンでは、いろいろな立場の方の集まりを企画しています。
今月は、「大事な人を見送った方のためのサロン」を開催します。
25日(土)午後1時~午後3時です。
同じ経験をしたピアサポーターが、一緒にお話をさせていただきます。
ご家族、お友達、仕事の仲間や恋人など、
大事な人をがんで失くした経験のある方であれば、どなたでも参加できます。
お待ちしています。
わたしは、2007年に友人を見送りました。
まだ30歳だった彼女の最期の日々を支えたひとりが、チャプレンでした。
チャプレンとは、病院付きの牧師のことです。
きょう、数年ぶりにお目にかりました。
相変わらずのやさしい笑顔を拝見していると、改めて彼女の事が思い出されました。
苦しみながらも正面から病気に向き合い、彼女らしく生き抜いた姿は
多くの人のこころに刻まれ、
そして、その人たちが彼女のご両親を支えています。
がん登録法案へ意見を!
2013年5月14日 12:18 AM
国会には、がん対策に取り組む議員連盟「国会がん患者と家族の会」があります。
この議連で、がん登録の法制化について議論が続けられてきました。
このたび骨子案がまとまり、広く意見を求めています。
詳しくは http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/
国のがん対策の基礎情報を確実に収集し、それをがん対策につなげ、
そして患者・家族の治療、暮らしを支えていくために。
わたしたち当事者も意見を伝える貴重な機会です。
きょうの例会
2013年5月12日 9:33 PM
きょうは、おれんじの会例会でした。
テーマは「標準治療と先進医療」
住友別子病院がん診療部長の亀井治人先生が講師です。
会員外の方も多く、66人の参加でした。
標準治療と先進医療の違いや、選択する際の注意点などについてお話いただきました。
大事なのは、病気を治すための科学的な判断と共に、
患者が何を望んでいるのかについて、医療者と患者・家族が十分に話し合い
納得して選択することだということです。
医療者には、患者・家族の思いに耳を傾けることが求められ
わたしたち患者・家族にも、自分の望みを整理ししっかり伝えることが求められるといえるでしょう。
自分の望みが何かを考えることなく
有名な医師の本や、芸能人の体験談に振り回されるのは残念だと、わたしは思います。
次回6月は総会です。
「町なかサロン」開設1周年を兼ねて、記念講演会を開催します、
国立がん研究センターがん対策情報センター長の若尾文彦先生をお招きして
医療者とのコミュニケーションについてお話いただく予定です。
6月9日(日)開催予定です。
緩和ケア推進検討会
2013年5月8日 10:38 PM
きょうは、厚生労働省緩和ケア推進検討会でした。
患者の立場で参加させていただいています。
去年春からほぼ月1回のペースで開催され、10回目です。
きょうは、看護師の研修の在り方と地域連携について協議が行われました。
議論の内容については、後日資料と議事録が厚生労働省のホームページで公開されます。
がん看護領域では、日本看護協会が認定する有資格者が3、600人を超えるそうです。
・がん看護専門看護師 432人
・緩和ケア認定看護師 1、288人
・がん化学療法看護認定看護師 1.005人
・がん性疼痛看護認定看護師 631人
・乳がん看護認定看護師 187人
・がん放射線療法看護認定看護師 103人
(いずれも2013年5月7日時点)
専門知識・技術をもった看護師がこんなにいることが、残念ながら患者・家族には十分には知られていません。
わたしたちのところにご相談をいただいた際に、
「病院には専門知識をもった看護師さんがいますから相談してみますか?」とお伝えすると
ほとんどの方が「そんな方がいるんですか?」と言われます。
きょうの議論の中で
「専門知識や技術を持ち、研修を重ねた看護師が、その能力を十分に発揮できる仕組みが重要」との指摘がありました。
わたしも、賛同する旨の発言をさせていただきました。
せっかく身につけた知識や技術が、わたしたち患者・家族に目に見える形で提供されることが重要です。
それは、わたしたちの安心につながります。
緩和ケア推進検討会では、今後も協議が続きます。