トンネルを抜けて…
2010年6月29日 9:53 PM
4日間の出張を終えて、昨夜戻ってきました。
26日には、ある研究会でがん患者・家族を地域で支えることについて短いお話をさせていただきました。
28日には、ワクチンについての学習会に参加してきました。
出発前には、あと2件の予定を入れていたのですが、体力・気力を考えてキャンセル。
もっと頑張れればという悔しさもあるのですが、ともかく無事4日間の出張を終えられたことに感謝です。
この間にも、相談や問い合わせの電話やメールが入ります。
その中で、とても嬉しいメールがありました。
去年治療を受けたAさんからです。
手術を受けたのですが、それは大変な後遺症を残すものでした。
病気が見つかるまで、ずっと元気に過ごしてきたAさんにとっては告知だけでもショックな出来事だったのに、更に後遺症まで抱えることになった事実はとても受け入れがたいものでした。
「このまま消えてなくなりたい」という言葉を繰り返していました。
その後退院したと知らせを受けてから2カ月ほど、どうされているか気になっていたところ送られてきたメール。
「本当に死を考えたことも、周りの誰の言葉も耳に入らなかった日々もありましたが、やっと長い長いトンネルの出口が見えた気がしています」
ここまで、ご家族やお友達の存在がチカラになったことは間違いありませんが、何よりもご自分の力です。
苦しんで苦しんで、悩んで悩んで、眠れない夜をどれだけ越えてきたことか。
そこを踏ん張ったAさんの勇気に心から拍手を送ります。
在宅医療
2010年6月27日 8:09 PM
例会のご案内です。
来週日曜、7月4日の例会は勉強会です。
テーマは「どう活用する?在宅医療と医療連携」です。
入院日数の短縮化で、病期にかかわらず自宅で生活しながら病気と向き合うケースが増えてきました。
住み慣れた自宅で過ごせるのはいいのですが、病状が急変したときや家族の介護力の問題など不安は尽きません。
そうした不安も含めて、自宅で過ごす患者・家族を支えるのが在宅医療です。
でも、医療設備のない普通の家で何ができるのか?
費用がかかりそう。
どこへ相談すればいいのかもわからない…などの疑問に答える勉強会を企画しています。
講師は、松山ベテル病院院長の中橋 恒先生です。
中橋先生自身も、日々患者さんの家を訪ねる在宅医療に積極的に取り組んでいます。
先生からのお話に加えて、在宅医療の実際を紹介するDVDも上映します。
関心のある方はぜひご参加ください。
7月4日(日)午後1時30分~ 松山市味酒町の愛媛県総合保健協会が会場です。
お待ちしています。
ひとやすみ
2010年6月25日 8:12 PM
愛媛で初めて開催するリレーフォーライフに向けて支援の動きが広がっています。
一昨日の実行委員会には、大学のボランティアサークルの学生や関心を持つ方々が初参加してくださいました。
昨日の夜は、松山市内の医療機関で緩和ケアに関わっている医師、看護師の方々がチームを作って協力してくださることになり、その実行委員会が開かれました。
病院の垣根を越えてのチーム結成です。
病院ではなかなか聞きづらい「緩和ケア」について、患者・家族と医療者が気軽に語り合う場を作れればと願っています。
大変なことの多いリレーの準備ですが、一緒に頑張る仲間の顔を見ているとまた元気をもらえます。
そんなわけで、夜の会議が続き慢性の睡眠不足です。
今夜は一つ約束をキャンセルさせてもらい、休養時間を確保。
日本戦が今夜でなくてよかったです。
マニフェスト
2010年6月22日 9:36 PM
蒸し暑い一日でした。
松山は真夏日を記録したそうで、さすがの私も今年初めて冷房をいれました。
夜になって雨が降り始めました。
さて、参議院選に向けて各党のマニフェストが出揃いました。
がんについて書かれている項目を読み比べました。
その差は歴然。
さぁ、どうする?
難しい問題を考えた後には息抜きも必要。
会員のみなさんは、専用掲示板をご覧ください。
すいぎゅうさんがイングリッシュローズの素晴らしい写真をUPしてくださっています!
緩和医療学会にて うれしい出逢い
2010年6月21日 10:16 PM
緩和医療学会報告の続きです。
学会2日目、最後のプログラムとして行われる市民フォーラムでお話をさせていただきました。
上野さんは26歳のときに睾丸がんが見つかり、厳しい治療を受けています。
その記録を新聞に掲載し、その後単行本として出版されました。
本が出た2002年、私もまだ治療が続いていた頃で、若年がん患者の闘病記に飛びつき夢中で読んだ経験がありましたので、今回のフォーラムでご一緒できることをとても楽しみにしていました。
上野さんのお話は、ストレートで聞く人の心にまっすぐに届くものでした。
お目にかかれてよかった~!
雑談のときに、シスプラチンの副作用の辛さや子どもが持てなくなった事、再発の不安などについて話をしました。
「そうそう」
「そうだよね」
…共感し合える仲間との出会いというのは、本当にうれしいものです。
元気を注入してもらった出逢いでした。
感謝!
緩和医療学会にて
2010年6月20日 8:33 PM
東京の国際フォーラムが会場です。
この学会は看護師の参加が多いのが特徴です。
厳しい勤務の中で研究をし、その成果を発表し、更に学ぼうという姿を見るだけでも励まされる思いでした。
いくつも収穫はありましたが、大きかったのは小澤竹俊先生にお目にかかれたことでした。
小澤先生は横浜で在宅ホスピスに取り組んでいて、その様子をNHKの番組で見て以来、一度お話を聞きたいと思っていました。
小澤先生がポスター発表なさっていた内容は「援助とは?」
先生は「援助とは、相手の支えを強める(育む)こと」と言っています。
では、支えとは何か?
①将来の夢 ②支えとなる関係 ③自分で決める自由
患者さん・家族の「支え」は何かをキャッチし、それを”励ましではない方法”で援助する可能性などについての発表でした。
援助者(医療者、家族など)はどう支えればいいのか?
「苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいると嬉しい」ということを徹底的に意識すること。
このブログでの紹介はここまでにします。
小澤先生の取り組みなどについてはhttp://www.bekkoame.ne.jp/~ta5111oz/ をご覧になってください。
学会2日目の収穫は、また明日に。
私の体調についてみなさんからご心配をいただいていて恐縮です。
今回の東京出張で、何だかずいぶんエネルギーを注入され出発前より元気になっていますのでご心配なく!
東京都日の出町に引っ越すのか、地域を変えるのか?
2010年6月17日 8:36 PM
東京都日の出町で、がんにかかる医療費を無料化する条例制定の準備が進んでいます。
詳しくはhttp://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=26158
検討課題も多くすぐに実施とはいかないようですが、思い切った取り組みに拍手を送りたいと思います。
では、日の出町に引っ越すのか?
それとも、自分の住む街を変えるのか?
答えは明確です。
住み慣れた街で、それは全国どこであっても、安心して病気の治療を受け暮らしていける環境を目指さなければなりません。
折しも、政治の季節。
各党のマニフェストが発表されます。
私たちが望む暮らしは、果たしてどこにあるのでしょうか?
ご褒美
2010年6月16日 10:19 PM
きょうは、新居浜市にある住友別子病院へ。
今年度の事業についてご説明に行ってきました。
帰りはちょうど日没の頃になり、JRの車窓から思いがけない美しい風景を見ることができました。
水が満面にはられた田んぼが、まるで鏡のように空を映していました。
暮れかかる空の微妙な濃淡までくっきり。
線路が田んぼより少しだけ高い所を走っているので、ちょうどいい角度で見ることができたのだと思います。
沖縄での不調が尾を引き、咳が続く中の移動は正直しんどかったのですが、思いがけないご褒美をもらいました。
写真がなくてゴメンナサイ。
沖縄にて その2
2010年6月15日 10:13 PM
沖縄滞在3日目。
講演先の那覇市立病院の救急外来での1枚です。
点滴の針を留めてあるテープにERの文字。
沖縄県内で最も患者数の多い救急外来なのだそうです。
そして翌日は、がん政策を考えるタウンミーティングが4時間にわたって行われました。
すべてのプログラムが終わって、登壇者、スタッフ全員での記念撮影。
地元の患者・家族会のみなさん、琉球大学の増田先生ほかスタッフのみなさん、私を含め県外からの参加者です。
前列中央のメガネをかけている女性は、地元を中心に活躍するプロの歌手 砂川恵理歌さんです。
この日「一粒の種」というとてもステキな歌を披露してくださいました。
「一粒の種」は、若くしてがんで亡くなった男性の遺言が元になって生まれました。
遺言を聞き取り詩にした看護師さん、曲をつけたシンガーソングライター、そして歌い継ぐ砂川さん。
この4人の命への思いは、NHKでドキュメンタリーとして放送され大きな反響を呼びました。
♪一粒の種に 一粒の種に
ちっちゃくていいから
私もう一度 一粒の種になるよ
出会って語って笑って泣いた
生きててよかったよ
あなたのそばでよかったよ
とてもあたたかな歌です。
歌声はhttp://www.youtube.com/watch?v=i0z-M01N1s4 でどうぞ。
沖縄にて その1
2010年6月14日 9:54 PM
手前から「島らっきょう」「うみぶどう」「チャンプルー」です。
沖縄料理のお店では三線の生演奏。
京都大学の中村先生、グループ・ネクサス理事長の天野さんと一緒に。
翌日はがん患者・家族の「ゆんたく会」に参加。
ゆんたくとはおしゃべりの意味です。
この日は琉球大学医学部の一室に40人近い方が集まっていました。
午後開かれた沖縄県がん診療連携協議会を傍聴しました。
愛媛でのがん対策推進協議会にあたるもので、沖縄のがん医療、がん政策に関して協議する会です。
傍聴者からの意見も取り入れるという開かれた会で、この日も参加していた患者・家族から積極的に意見が出されていました。
そして夜は講演です。
私は「がんになっても安心して暮らせる地域を目指して」と題して講演させていただきました。
その後の講演は、東京大学の東尚弘先生が、医療の質について講演なさいました。
この時点で、朝の患者会から11時間が経過。
病院の外はスコールのような暴風雨でした。
この続きはまた明日。
さぁ、W杯日本戦だ!