桜の季節は別れのとき
2009年3月31日 8:44 PM
さきほど大阪から戻りました。
思わぬ花冷えで、期待していた大阪城の桜は三分咲き。
でも松山へ戻って石手川公園の近くを通ったらほぼ満開になっていました!
やはり桜はいいものですね。
会員専用掲示板に大西さんが書き込みして下さっている通り、『ドキシル』という抗がん剤が卵巣がんの治療薬として承認されることが決まりました。
早ければ来月にも患者さんの手元に届くことになります。
この承認には、患者会の積極的な取り組みが大きく影響しました。
詳しくはhttp://smiley.e-ryouiku.net/?eid=813237 をご覧ください。
さて、きょうは3月31日。
定年や異動などで職場を去る方も多いことと思います。
四国がんセンターの院長 高嶋成光先生も定年を迎えられました。
医師人生の大半を四国がんセンターで過ごし、また日本のがん対策についてもあらゆる場で発言を続けてこられました。
先日、愛媛新聞に掲載された記事によれば、病院の名称が「がんセンター」に変わるときに、それまでヘビースモーカーだった先生はスッパリ禁煙したそうです。
以来、ずっとがんと向き合ってきた高嶋先生。お疲れさまでした。
そしてこれからも愛媛のがん患者・家族のために力を貸してください。
あなたに伝えたい ほんとうの緩和ケア
2009年3月28日 10:23 PM
きょうは、大阪で開かれた緩和ケアの学習会に参加しました。
『大阪がん医療の向上をめざす会』が主催する初めてのセミナーです。
『・・・めざす会』は、大阪を中心に活動している8つの患者団体の関係者が運営している会です。
セミナーの講師は、緩和ケアに携わる医師や専門看護師など4人。
緩和ケアの概念や地域で支える緩和ケア、こどもたちへのケアの必要性、患者自身ができる緩和ケアへの取り組みなどについて講演があり、その後は参加者とのディスカッションとなりました。
この中で基調講演を務めた市立豊中病院の林昇甫医師の話が印象的でした。
がん治療と緩和ケアの目標はQOLの向上という点で一致しており、互いに補い合う関係にあり、目指すべきは治療と同時に緩和ケアを実践する包括的がん医療である、という点です。
がんの疑いで検査を始める時点から、緩和ケアは必要かもしれないと林医師は言います。ここまで言及してくれた医師はこれまでいませんでした。
参加者からは、現在治療を受けている病院で十分なケアを受けられない辛さを訴える意見もあり、また医療者と患者・家族との意識のズレへの指摘もありました。
医療者も患者・家族も、緩和ケアに向き合い始めたばかりです。こういう議論の場がたびたび設定され、互いに意見交換するところから何かが生まれてくるのでしょう。
近いうちに愛媛でも、患者主体の緩和ケアを学ぶ場を作りたいと思います。
ピアサポート
2009年3月27日 10:47 PM
嬉しいご報告です。
正力厚生会が、がん患者団体の様々な活動に対して助成を行う制度に応募していたところ、審査を経ておれんじの会が助成団体に選ばれました!
きょうの読売新聞に記事が掲載されていたそうですが、残念ながら知ったのは夜になってからで新聞を買いに行くことができず、ネットで調べても詳細は書かれていないので、厳密には「選ばれたらしい」という報告です。スミマセン。
おれんじの会が応募した取り組みは「ピアサポーター養成事業」です。
「ピア」とは仲間という意味です。つまり仲間による支援、がんを経験した仲間同士で支えあう仕組みです。
がん対策の中で、「ピアサポーター」の取り組みは注目されていて、すでに全国では積極的に活動が展開されているところが多くあります。
この活動については、詳しい内容や開始時期などを改めてご案内します。
私が入院していた時、たくさんの仲間に支えられました。恩返しがしたくても、残念ながらほとんどの方が既に天国へ旅立ってしまいました。
受け取ったたくさんの力を、次に伝えていきます。
EXILE
2009年3月26日 8:44 PM
23日のがん対策推進協議会が終わり、とりあえず締切や気の張る会議がなくなったせいか、がくっと疲れが出て一日中起き上がれず食事も取らずに寝てました。
この時間になってようやく復活です。
昼間、ちょっと目が覚めたときにテレビを見たら『徹子の部屋』にEXILEが出演していました。
EXILEのメンバーはたばこを吸わないそうです。
この話は、以前このブログでも紹介したNHKのラジオ番組「たばことどうつき合いますか?」の中で紹介されていました。
あれだけのパフォーマンスを繰り広げるためには喫煙は禁物なのでしょうね。
メンバー自身が吸わないだけでなく、周囲のスタッフにも禁煙を勧めているそうです。
以前は、カッコ良さを演出する小道具として映画やテレビでたびたび見られた喫煙シーンでしたが、最近はほとんど目にしなくなりました。
本人だけでなく周囲の人の健康を脅かす行為が、カッコいいわけはありません。
たばこを吸わないという話を聞いて以来、ますますEXILEが好きになった私です。
たばこ
2009年3月24日 10:24 PM
きょう昼間、仕事の打ち合わせがあったホテルの会議室でのこと。
テープル上には灰皿が…。
会議が始まって間もなくあちらで煙、こちらでライターの音。
参りました。
最近はどこでも分煙が進んでいて、煙害に遭うことはまずないのですがホテルの会議室は別でした。
途中で目は痛くなるし咳込むし気分も悪くなったのですが、先方はクライアントですし仕事の途中で帰るわけにもいかず数時間を耐えるしかありませんでした。
たばこの臭いが消えず、気分が悪いまま夕方のニュースを見ていたら、神奈川県で全国初の『受動喫煙防止条例』が可決したとのこと。やりましたね、神奈川県!
ここに至るまで様々な圧力がかかったと聞いていましたが、大きな第一歩です。
この動きが全国へ広がることを願っています。
愛媛県がん対策推進協議会
2009年3月23日 10:37 PM
きょうは「愛媛県がん対策推進協議会」でした。
去年策定された「愛媛県がん対策推進計画」に沿って今年度どういう取り組みがなされ、今後どうしていくかを話し合う会議でした。
私は患者代表委員として参加、患者会としてのこれまでの取り組みと今後取り組んでほしい対策について意見を述べてきました。
対策については
①緩和ケアの情報提供
②在宅医療の情報提供
③ピアサポート事業、がんサロン開設
④愛媛がん患者塾と懇話会開催
に絞って提案をしました。
何をするにしても、まずは「ヒト・モノ・カネ」です。
特に予算がつかないことにはどうしようもありません。来年度予算はすでに決まってしまっていて、ここに新しい対策を盛り込むのは現実として無理なので、狙うのはもう1年先2010年度予算です。
厳しい地方財政の中で、がん対策にどれだけの予算をつけてもらえるのか?そのためには、なぜがん対策が必要なのかを訴えていかなければなりません。
患者・家族は何に困っているのか、何を必要としているのか?
それを訴えられるのは、そして訴えるべきは他の誰でもない患者・家族本人です。
2010年度予算に向けて、活動開始です!
髪
2009年3月22日 7:35 PM
きょうは美容院へ行ってきました。
いま私の髪は肩甲骨のあたりまでのロングヘアです。
ちらほら目につき始めた白髪を染めたり、艶を保つためにトリートメントをしたり結構なエネルギーと時間と費用(!)がかかりますが、長い髪は特別に大事なものなのです。
9年前、抗がん剤治療のために髪は抜け落ちました。
カツラをどうしようかと悩んでいた時、私より3年先に卵巣がんの治療をしていた友人が自分のカツラを貸してくれました。元気を取り戻していた彼女の”縁起のいい”カツラは半年間私を支えてくれました。
カツラなしで外出できるようになってからも、ずっとベリーショートで通しました。いつまた再発するかわからないと思うと、髪を伸ばす気にはなれなかったのです。
そして最終治療から5年が過ぎ、ひとつの区切りを迎えることができました。その時、やっと髪を伸ばしてみようかという気持ちになりました。
あれから4年。背中に届く長い髪は、私が生還した証でもあるのです。
ところで、美容師さんにひとつ聞いてみました。
「長い髪をきれいに保てるのって、何歳くらいまでですかね?」
「う~ん、個人差はありますけど50代までかなぁ」
…あと何年?
「規則正しい生活とバランスの取れた食事をしている人の髪はすぐわかりますよ」と美容師さん。
そう、生活のバロメーターなんですよね。
そんなわけで、今夜の食事はいつもより野菜を多くしたのでした。
ドラマと研究会で思うこと
2009年3月21日 7:53 PM
今朝のドラマ『だんだん』。
案の定、主人公の祖母は家族と医師の熱意に応えて新しい抗がん剤治療に挑戦し、”奇跡的”に腫瘍が縮小する効果を得ました。
このエピソードで勇気づけられ、病気に立ち向かう気力が出る人もいるでしょう。
でも、やはり私は違和感を感じずにいられないのです。
「あきらめない」のは大事ですが、それだけが正解、それだけが美しいことではないと思うのです。
人の生き方が様々であるように、病気との向き合い方もいろいろです。家族愛に支えられて病気に立ち向かうことも、ひとりで病気との闘いに区切りをつけることも、どちらも尊重されるべきでしょう。
がんを家族の絆を見つめ直す道具として安易に使うのではなく、厳しい治療の実態や経済的な問題などを正面から取り上げるドラマが、そろそろ作られてもいいと思うのですが…。
さて、きょう午後は愛媛緩和ケア研究会の事例検討会に参加してきました。
ある症例を取り上げ、どうすればより良いケアを提供できたかを検討するワークショップ形式の研究会です。
2時間熱心に検討が続きました。
ほとんど毎週末、どこかでこうした研究会が開かれています。勤務の合間を縫って医療者が参加し、研鑽を積んでいる姿を見るにつけ、愛媛のがん医療に希望を見出しています。
もう抗がん剤はええんだが…
2009年3月20日 8:57 PM
NHK朝の連続テレビ小説『だんだん』が最近気になっています。
時計代わりだったのですが、”がん”が登場してからちゃんと見るようになりました。
主人公の祖母にすい臓がんが見つかります。
抗がん剤治療の副作用が厳しく、一旦治療を中止します。
しかし、他の薬剤の適応があることがわかり新しい治療を勧めるシーンがありました。
孫とその友人である医師が、祖母に迫ります。
「新しい治療法を試してみましょう!」
「生きることを諦めないで!」
そこで祖母のセリフです。
「もう抗がん剤はええんだが…」
医師と家族にこんなふうに言われたら逃げ場がなくなるよなぁ。
追い詰めないでよ~。
昨日一緒だった患者さんも同じ感想を言っていました。
その患者さんは大腸がん。大腸がんは患者が増えていることもあって研究が進み、新しい治療薬が次々開発されています。もちろん喜ばしいことではあるのですが、それは副作用もまた果てしなく続くということでもあります。手足の強いしびれ、身の置き所のない倦怠感、吐き気、下痢、仕事や家事ができない歯痒さ…。その副作用と向き合うのは家族でも医師でもなく、本人だけです。
「おばあちゃん、一日でも長生きして」というのは簡単です。
それに応えて辛い副作用を耐え抜くのは美しい話です。
でもその前に、治療に向き合うことの苦しさや孤独、支えるという簡単な言葉では済まない周囲の闘いがあることを忘れないでほしいのです。
朝のドラマでそこまで描くのは無理でしょうかねぇ。
さあ、明日の放送はいかに?!
忙しさの中の安らぎ
2009年3月19日 10:22 PM
いろいろな事があった一日でした。
まず、新しく御縁の出来た方のお宅へお邪魔してお昼を御馳走になり、お連れ合い様との最期の別れやお墓についての心温まる話を聞かせていただきました。
それから四国がんセンターへまわり、緩和ケアの情報提供について医療者と意見交換をしました。
そして夜はクラシックコンサート。
昨日のブログにも書いた、社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会愛媛県協会が主催するコンサートです。
ピアノとバイオリンのデュオで、耳馴染みのある名曲の数々を聞きました。
アンコールで演奏された曲がとても印象に残りました。
貴志康一さんという方が書いた曲で、確か『水夫の唄』というタイトルだったと思います。派手な曲ではありませんが、静かに心に響く素敵な曲でした。
このところの疲れを溶かしてくれるような演奏でした。
このタイミングで音楽を聴けたことは、本当に救いです。
忙しいけれど、充実した一日でした。