誰かが声を大きくしなければ
2011年8月31日 10:02 PM
8月が終わります。
いつの間にかセミの大合唱が聞こえなくなり、いつの間にかデパートにはブーツが並んでいます。
ああ、時間の経つのが早過ぎる…。
さて。
前回の小児がんの問題について、会員専用掲示板に早速ご意見の書き込みがありました。
会員のみなさんは是非お読みください。
(読むのにはIDとパスワードが必要です。わからない方はご連絡くださいね)
この中で「誰かが声を大きくしなければ」と書いてくださいました。
そう、誰か、つまり当事者が声を大きくしなければ残念ながら相手=医療者や行政には伝わりません。
国の小児がん対策に取り組んでいる委員には、経験者や親も含まれています。
声をあげるのは決して楽なことではありません。
批判や非難にさらされることもあります。
眠れない夜もあります。
でも、「誰かが声を大きくしなければ」ならないのです!
子どもたちの思いにこたえる
2011年8月29日 10:58 PM
室伏選手、金メダル!
やった~!
金メダルが決まったときに、選手が持っていた日の丸の寄せ書きに、被災地域の学校の生徒さんからと思われる文字がありました。
「ぼくたちはあきらめない」
たしか、こう書いてありました。
室伏選手は、子どもたちの思いに応えたんですね。
さて、国のがん対策の一つとして小児がんへの取り組みが強化される見込みです。
現在、その議論が進んでいます。
以前にもこのブログで書いたことがあったと思いますが、子どものがんは、以前と比べて治療成績が格段に向上し、多くの子どもが厳しい治療を耐えて元気を取り戻し、社会へ羽ばたいていっています。
しかし、成長期に強い治療を受けたことにより、長い時間が経ってからさまざまな後遺症に悩まされることが少なくなく、就職や結婚などで差別を受けることもあると聞きます。
そうした課題はこれまで取り上げられてこなかったのですが、ようやく総合的に国をあげて取り組むことになります。
「あきらめない」
そう思いながら歯を食いしばって病気と向き合っている子どもたちが、今夜も全国の小児科病棟に、自宅にいます。
闘いぬいた彼らをしっかり応えていくことは、国の大きな役目です。
診察室での「会話」
2011年8月27日 9:31 PM
ほぼ1週間ずっと出張に出ていました。
大阪、東京、名古屋。
交通機関の乗り継ぎにもすっかり慣れたのですが、今回は天候不順に振り回されました。
新幹線が止まる、飛行機の出発が遅れる…。
ついイライラしてしまうのですが、考えてみれば、自由に動けることだけでどれほど恵まれたことか。
感謝が足りないことを、改めて反省。
さて、先週寄せられたある相談から。
ずっと健康だったので病院にかかることに不慣れな方でした。
医師からのたくさんの説明の中で、どの点が重要なのかがわからなかった様子です。
検査の内容、その結果、考えられる病名、今後の治療方針…すべてがゴチャゴチャになり、不安だけが大きくなっていました。
こういうケースは少なくありません。
何も説明しない医師はダメですが、最近は逆に説明し過ぎて患者・家族を混乱させるだけのケースもあるようです。
相手が自分の話を理解できているか窺いながら会話を進める、というのはオトナの常識だと思うのですが、白衣を着た途端に一方通行の「宣告」になってしまうのはなぜでしょう?
医療者の側からすれば、多忙すぎる外来の場で、いちいち相手の理解度を量っていたのではたまらない、というのが本音でしょう。
医療者の話を聞こうともしない、すべてお任せという態度の患者・家族にも問題があります。
両者の問題は、もうずっと長い間言われてきたことですが、なかなか解決の手掛かりが見つかりません。
「ちゃんと先生の話を聞けなかった私が悪いんです…スミマセン、こんな事で相談して」と電話の向こうでおっしゃった声が耳に残ったままです。
治療記念日
2011年8月25日 12:15 AM
前回の更新からほぼ1週間。
放置ブログになってしまい、申し訳ないことです。
夏の終わりは、毎年のことながら少し気分が滅入りがちです。
12年前、最初の抗がん剤治療を受けたのは8月23日からでした。
朝9時から夜中の2時、3時まで続く点滴。
1週間の治療中、50本を超える点滴を受けました。
いまでもハッキリと病室の風景を思い出すことができます。
同じ部屋で治療を受けていた仲間の顔も思い出します。
でも、今年は気分が滅入ると言っていられない状況です。
待ってくれない仕事が山積み。
さあ、あとひと踏ん張り。
サロン
2011年8月19日 9:05 PM
厳しい残暑が続いていますが、あすから少し涼しくなるそうです。
熱中症も注意が必要ですが、これからは気温の変化にうまく対応していくことが大事になりそうです。
昨日は四国がんセンターでサロンが開かれました。
お盆休みの関係で、入院も外来も患者数が少なくなっているとのことで時間になっても参加者はまばらでした。
でも、時間が経つにつれて少しずつ増え、結局9人ほどの方が参加されました。
「ここへ来て久しぶりに笑えた」と言われた女性の患者さん。
それこそ、サロンの大きな役割だと思います。
短い時間でも、同じ病気に向き合う仲間と一緒に泣いたり笑ったりできる場所があることは大事です。
来週は市立宇和島病院でサロンが開かれます。
24日(水)午後1時30分から3時30分まで。
病気に向き合う患者・家族の方、どなたでも参加できます。
眠気と格闘中
2011年8月17日 10:19 PM
暑さのせいなのか、単なる怠け心なのか?
ここのところ、仕事の集中力がずいぶん低下しています。
ただいまも眠気と格闘中。
もう少しがんばろうか。
いや、明日早起きした方が効率的。
いやいや、もうひと踏ん張りすれば明日が楽。
ああ、一日が36時間あればいいのに。
相変わらず、夏休み終了直前の小学生の心境です…。
最後のメッセージ
2011年8月15日 9:56 PM
まだお盆休みのところも多いようですが、公立の医療機関は関係ありません。
きょうは愛媛大学病院、四国がんセンター、松山赤十字病院を回ったのですが、どこも患者さんでいっぱいでした。
この暑さの中、不安を抱えて病院へ来ることのしんどさを思います。
さて、テレビ放映のお知らせです。
先月旅立った、おれんじの会副理事長の小野光則さんが、入院先で行った看護学生のための特別講義の模様が放映されることになりました。
16日(火)18:15~18:50の間、あいテレビのニュース番組の中で企画として放映される予定です。
愛媛県内向けの放送です。
小野さんの最後のメッセージをぜひお聴きください。
お盆やすみ
2011年8月13日 10:02 PM
夕立のおかげか、少しだけ過ごしやすい夜を迎えています。
昨日大学病院で処方されたお薬をもらおうと思ったのですが、街の調剤薬局は軒並みお休み。
え~???
そうか、お盆休みなのね。
混むはずのない時間帯の渋滞、家族連ればかりのスーパー。
そうか、世間はお休みなのよね。
私はというと、リレーフォーライフの準備や秋から動き始めるイベントの企画、会議用の資料作りと仕事が山積みで、とても休める状況ではありません。
もっと早くから頑張っておけばよかったと、夏休み終了直前の小学生の気分です…。
でも、がんばっても世間がお休みなのでメールの返事も来ないし…。
ま、いいか。
と、自分を甘やかしております。
講演会の情報
2011年8月12日 10:31 PM
済生会今治病院からセミナーの案内が届きました。
9月17日(土)午後2時~午後4時20分
今治国際ホテルクリスタルホール
講演
1.ピロリ菌除菌療法と早期胃がんの内視鏡治療
2.ウイルス肝炎治療と肝がん予防
3.がんと向き合って
ニュースの職人/キャスター 鳥越俊太郎さん
入場無料で、申し込みは不要だそうです。
地域医療って?
2011年8月11日 11:13 PM
きょうも暑い一日でした。
松山では、きょうから3日間「松山まつり」が行われています。
さて、きょうの愛媛新聞社説はとても興味深い内容でした。
復興と地域医療について書かれています。
記事によれば…
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国の復興基本方針では、「地域包括ケアを中心とした地域づくり」を掲げている。
これは、地域の医療資源を集約、連携し、在宅医療を推進して支え合うというもの。
この理念は、「住み慣れた地域で、病を得ても安心して暮らせ、最期を迎えられる」街づくりにつながる。
そのことを、医療者だけでなく行政と住民が理解し、協力して取り組まなければ、日本中の地域医療は崩壊する。
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これは、がん医療にもそっくり当てはまります。
都市部の医療機関でお任せで治療するということは、もはやあり得ない話です。
大病院での入院期間は短縮化され、患者・家族は、地域の医療資源を活用して長い病気との向き合いを設計していかなければなりません。
そのことを、行政と、患者予備軍とも言える一般住民が共に考えていく。
それが求められています。
8月11日付け愛媛新聞社説は http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201108114823.html