仲間を支える
2015年7月31日 11:09 AM
きょうも暑い松山です。
昨日の朝日新聞 愛媛版に、
町なかサロンの様子を紹介する記事が掲載されました。
連動して、web上の有料サイトapitalにも掲載されています。
http://apital.asahi.com/article/news/2015073000002.html
(こちらは会員登録しないと本文が読めません…)
仲間が患者さんやご家族を支える活動の一端を紹介していただきました。
仲間が支える=ピアサポート活動を担う人材の養成を
今年度も実施します。
このサイトのトップページにご案内していますが
愛媛県のピアサポーター養成研修の委託を受け、8月29日~30日に開催します。
傾聴やコミュニケーションの技術、がんの基礎知識、専門職との連携などを学び
すでに活動しているピアサポーターの活動の様子もお伝えします。
患者や家族として、がんに向き合った経験があり
心身の状態が安定していて2日間の研修に参加できる方が対象。
受講は無料です。
関心のある方は、町なかサロン(089-997-7638)へお電話ください。
仲間だからこそ、できることがあります。
患者、家族の声を反映したがん対策を
2015年7月26日 4:57 PM
梅雨が明けた途端に、朝は蝉の鳴き声で目が覚めるようになりました。
ぐずついた天気で体調がすぐれなかったのですが、青空は元気をくれるようです。
昨日は、愛媛県がん診療連携協議会に出席してきました。
県内のがん治療にあたっている病院関係者を中心とした会議ですが
患者・家族の声も反映するため、わたしも一員に加えていただいています。
全国で診療連携協議会は開催されていますが、
実は患者・家族が正式に参加しているのは珍しいのです。
愛媛は、医療者や行政の理解が進んでいる地域といえます。
緩和ケアや集学的治療、がん登録、値域連携などの分科会があり
わたしは相談支援部会に所属しています。
サロンの運営や、相談員養成、情報提供ツール作成などについて協議を行いました。
県内から百人以上の医療者が集まり、愛媛のがん医療、がん対策をより良くするために
さまざまな角度からディスカッションを行いました。
来週水曜には、国のがん対策推進協議会が開催されます。
次期がん対策推進基本計画策定のための第一歩。
ここにも、患者・家族の代表が参加しています。
当事者の願いが反映されるがん対策が進むよう、今後の議論を注目したいと思います。
【お知らせ】台風接近に伴って
2015年7月15日 11:07 AM
よく晴れて、ぐんぐん気温が上がっている松山です。
台風が近付いています。
悪天候が予想されるため、町なかサロンでは以下の対応とさせていただきます。
・16日(木)19時~ 『知っておきたい 保険薬局との付き合い方』
15時の時点で警報が発令されている場合には中止
・17日(金)13時~ 医師による医療相談
警報にかかわらず、休止
16日~17日にかけては
通常のサロンの運営も、悪天候の場合には休止いたしますのでご了承ください。
治療と仕事の両立、阻むものは?
2015年7月14日 10:52 AM
「がんと共に働く」
就労世代でがんに罹患する人が増え、この問題の重要性が言われるようになりました。
医師や看護師などの医療者、企業の経営者など
立場を超えて議論が行われる機会も増えています。
しかし、現実は?
昨日、都内で治療をしている女性と話をしました。
手術の日程がようやく決まったものの、入院日が決まらない。
職場での引継ぎの段取りをしようにも、その計画が立たない。
「病院の事情もわかるのよ。
患者は、わたし1人じゃないし、予定通り退院できない人が出ればベッドが空かない。
でもね、その病院の事情を職場に理解してくれとは言えないわよ」
そのとおりです。
治療が一段落して、通院しながら働く、仕事を探すことに目が向きがちですが
治療スタートのところで職場の理解が得られなければ
それまで積み上げてきた信用にも影響しかねません。
治療と仕事の両立を阻むものは、こういうところにもあると
改めて考えさせられました。
勝俣範之先生ご講演
2015年7月12日 10:41 PM
今月、町なかサロンを開設して3年を迎えました。
記念しての講演会に、日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科の
勝俣範之先生をお迎えしました。
治療法を選ぶとき、さまざまな情報をどう考えればいいのか?
科学的に情報を取捨選択するにはどうすればいいのか?
いわゆる「医療否定本」を例に挙げながら解説していただきました。
「超早期がんも進行がんになる可能性があり
進行がんも治療をしっかりやることで治ることも、延命できることもある。
ただし、治療と生活の質のバランスを考えることが必要。
自分が何を大切にしたいのかを医療者と話し合う中で
そのバランスを見つけていくことが大切。
そのためには、正しい情報を知り、
主治医に限らず良い味方を見つけること」
このような内容でした。
参加者の中には医学生の姿もあり
「患者から余命について尋ねられたらどう答えるべきか?」という質問が出ました。
勝俣先生は
「余命を尋ねることの裏側にある不安に目を向けるべき。
どんな不安があるのか?
なぜ、それを聞きたいのか?
患者の思いに耳を傾けるように」
と答えてくださっていました。
先生は、「医療否定本の嘘」(扶桑社)を出版されています。
関心のある方はお読みください。
ブログは、http://nkatsuma.blog.fc2.com/ です。
がん治療、何を信じればいい?
2015年7月8日 9:50 PM
きょうも雨。
青空が恋しいです。
町なかサロンを開設して3年を迎えます。
記念しての講演会を12日に開催します。
講師は、日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科の勝俣範之先生です。
いわゆる医療否定本について、科学的知見に基づいて反論を展開している医師で
その取り組みはNHKでも紹介されました。
つい先日には『医療否定本の嘘』(扶桑社)を発行されました。
この中で、最善の医療には「科学的・医学的データ」「医師の専門性」
そして「患者さんの希望・価値観」の3つが必要と書かれています。
わたしたち患者、家族は3つの要素をどう考えればいいのか?
わかりやすい言葉で語っていただきます。
医療者のみなさんにも是非お聞きいただきたい講演です。
12日(日)午後1時30分~ 愛媛県総合保健協会9階会議室
事前申し込みは必要ありませんが、一般の方は500円の参加費が必要です。
ご参加をお待ちしています。
願いごと
2015年7月6日 10:27 PM
松山は雨が降ったりやんだりの一日。
朝晩は肌寒さを感じるほどで、7月に入った感じがしませんが
あすは七夕。
町なかサロンでも、今年も笹を準備しました。
来てくださった方に願い事を書いていただきます。
このブログで以前にも書いたことがありますが
わたしたちの仲間が、病院の笹飾りにこんな言葉を記しました。
”きょうも楽しく あすも楽しく”
緩和ケア病棟に入院中に書いた言葉です。
この数週間後に、小学生の息子を残して旅立っていきました。
わたしの願い事は何だろう?
心から願うことは、なんだろう?
毎年この時期に考えています。
町なかサロンの笹飾りは、来月7日まで。
願いごとを書きにお越しください!
らしく、働く
2015年7月5日 10:18 PM
きょうは九州、小倉へ行ってきました。
産業医科大学で開かれていた「第20回日本看護福祉学会学術集会」で
がん就労者支援をテーマにしたセッションに登壇させていただきました。
産業医、産業保健師、病院の看護師、そしてわたしが患者の立場から
仕事と治療の両立のための支援に必要なことについて発言し
会場の参加者と一緒にディスカッションを行いました。
国のがん対策推進基本計画に、「就労を含めた社会的問題」への取り組みが明記され
このようなテーマでの議論が活発になってきたことを感じます。
仕事を考えることは、生き方を考えることにつながります。
がんという病気を得てから仕事について考えるときには
一層深く考えることになります。
仕事を続ける場合も、新たな仕事を探す場合も
”らしく、働く”ことが大事。
この言葉は、厚生労働省のがんと就労の検討会の報告書に書かれているフレーズです。
場合によっては、仕事を辞める選択もあると思います。
それも含め、その人らしくいられるように
医療者だけでなく、さまざまな立場からの支援を期待するものです。
学会での議論が、5年後の患者への具体的な支援に確実に繋がりますように。
わたしたちの町なかサロンでは
毎月1回、就労支援セミナーを開催しています。
今月は25日(土)13時~15時
産業カウンセラーやキャリアコンサルタントの資格を持つ
わたしたちの仲間が、ご一緒に考えさせていただきます。
お気軽にご参加ください。