孤立無援の療養
2011年5月23日 10:36 PM
徳島へ行ってきました。
悠々と吉野川が流れる町で、がんの話をさせていただきました。
その出張先に、東京にお住まいの方から電話がかかりました。
先週、読売新聞の夕刊で、おれんじの会を紹介する小さな記事が掲載されました。
その記事を見てお電話をくださったのです。
ご家族二人だけで病気に向き合っているとのこと。
主治医とは全くコミュニケーションがとれず、診察の時には機嫌を損ねないようにいつもビクビクしているそうです。
病気のこともよくわからない。
これからどうすればいいのかを、誰にも相談できない。
二人きりの家族で、お互いに気を使いながら孤立無援の生活を送っている様子が電話から伝わってきました。
胸が痛みます。
街にも病院にも人があふれる東京で、誰にも助けを求められず、新聞の小さな記事を頼りに愛媛にまで電話をしてくださったこと。
本当に胸がかきむしられるようです。
すべての患者・家族の療養生活の質の向上を、と謳って「がん対策基本法」が制定されて4年。
まだこんな事が繰り返されているのかと、悔しさと情けなさでいっぱいです。