ある病院で
2010年9月29日 11:08 PM
きょう9月29日は、母の誕生日です。
今年で80歳。
病院を訪ねると、職員の方々からのお祝いの歌が終わったところでした。
今年春の肺炎が響きずいぶん弱った感じではありますが、介助すれば食事が取れ、おだやかに過ごせていることに心から感謝です。
きょうは、もう一人80歳になる知り合いの女性を訪ねました。
人間ドックで乳がんが見つかり、あす手術を受けます。
ご本人は全く揺るがない強い精神的支えを持っていらっしゃるので、お目にかかって逆にこちらが励まされる思いでした。
一緒に訪問した方と「私たちもこのようにありたいもの」と話したことでした。
ところで、その病院で気になったこと。
私たちが話していたすぐ近くで車イスの女性がテレビを見ていました。
そこへやってきた看護師と男性スタッフ。
私的なおしゃべりをしながら、その女性に声をかけることもなくいきなり車イスを動かしました。
当然、女性はビックリした表情をしていましたが黙ったまま。
なぜ一言「車イスを動かしていいですか?」の声掛けができないのでしょうか?
この病院は公立でがん診療連携拠点病院にも指定されていますが、看護職員の数が少なくいろいろと問題を耳にすることも多い施設です。
確かに、他の看護師の言葉づかいを聞いていてもあまり優しさは感じられませんでした。忙しさがそうしてしまったのでしょうか?
病棟の雑然とした様子は、単に施設の老朽化だけが理由ではないように見受けられました。
知り合いの病室は4人部屋でしたが、他科混合病室。
この温かさを感じられない病棟でこれからがんに向き合うのかと思うと、いかにご本人がしっかりしていると言っても、私のほうが心細い気持ちになってしまいました。
地域間格差、施設間格差。
残念ながら、がん医療の中でますますその差は大きくなっています。
仕方ないと諦めたくはないのです。
諦めてはいけないのです。