がん患者大集会と緩和ケアシンポジウム
2009年11月8日 10:52 PM
きょうは『第5回がん患者大集会』が行われました。
全国十数か所をテレビ会議システムで結び、これからのがん対策について意見を交換するものです。
四国会場は、松山市の四国がんセンターでした。
私は不在だったので、どんな様子だったのかは参加した方からの報告を待ってお知らせさせていただきます。
私は岡山へ行ってきました。
緩和ケアに関するシンポジウムに参加するためです。
これは、岡山大学医学部に緩和医療学講座が開講し、地域全体で緩和ケアに取り組もうという『野の花プロジェクト』がスタートしたのを機に開催されたものです。
会場には500人近い参加者。応募は900人を超えたそうです。
それだけ岡山の方々の関心が高いのか、それとも特別講師、女優の仁科亜季子さんの人気だったのでしょうか?
聖路加病院の林章敏先生から、緩和ケアの基礎知識についての講演があり、岡山県の担当者から地域でのがん対策の取り組みの報告。そして仁科さんの体験談。
続いて、私も加わってパネルディスカッションが行われました。
3時間のシンポジウムの間、ほとんど席を立つ方はなく、とても熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
主催した大学医療者も、行政の担当者もとても熱意を持っていらっしゃるので、岡山の緩和ケアはこれから大きく進むのではないかと思います。
会場の最前列に初老のご夫婦らしいお二人がいらっしゃいました。
男性は車イスで、隣に女性が座り常に様子を見守っている姿から、おそらく男性が患者さんで、何か自分たちに役立つ情報が得られるのでは?と思って参加なさったのかも…と拝見しました。
きっと会場の500人近い方々の多くが当事者だったのだと思います。
この方々にとっては、来年や半年先の理想でなく、あすから自分たちに直接福音をもたらしてくれる情報が欲しかったのだと思います。
きょうのシンポジウムで繰り返し言われたこと。
「治療の早期からさまざまな痛みのケアをうけるべき」
「自分たちだけで抱えず、医師や看護師などの助けを受けること」
「家族も辛い思いをするのは当然。家族へのケアも必要」
こうした話が、それぞれのみなさんの苦しみに少しでも助けになることを願っています。
会場の、あのご夫婦が穏やかな時間を過ごされることを心から願っています。