生き続けるメッセージ
2013年11月26日 10:20 PM
今夜は済生会松山病院で、看護職の管理者のみなさんを対象に
お話をさせていただきました。
参加者はおよそ30人。
90分間の講演です。
医療者向けの講演では、いつもDVDを見ていただくことにしています。
ちょうど写真中央のスクリーンに映っているのですが
3年前に亡くなったわたしたちの仲間、小野光則さんが遺してくれたメッセージDVDです。
小野さんがホスピスに入院したとき、
自分の最後の仕事と言って、これからの医療者のために患者の思いを語ってくれました。
「コミュニケーションとは、お互いの事を知りたいと思うところから始まる」
「医療現場には手のぬくもりが欠かせない」
「その人が納得する人生を歩めてこその天寿。 医療者はそれを支えてほしい」
きょうの研修でも、みなさんが真剣に小野さんの言葉に耳を傾けてくださいました。
きっと明日からの看護に
そして管理者として後輩の指導に活かしてくださるものと思います。
メッセージは生き続けています。
RUN寛平RUN
2013年11月24日 9:19 PM
久しぶりにアポイントのない一日。
明後日の講演の資料を完成させ、机の上に積み重なっていた資料の整理ができました。
新しい週を気持ちよく迎えられそうです。
さて、次の土曜30日に、今治市で済生会今治病院主催の市民公開講座が開かれます。
特別ゲストは間寛平さん。
2008年から2011年にかけて世界一周マラソン『アースマラソン』を完走した寛平さん。
途中で前立腺がんが見つかりましたが、治療をしてなお走り続けました。
マラソンの様子や、病気との向き合い方などのお話をうかがいます。
寛平さん、済生会今治病院の松野院長、わたしも対談に加わらせていただきます。
11月30日(土)午後2時~午後4時40分
テクスポート今治
参加は無料で事前申し込みは必要ありません。
詳しくは http://www.imabari.saiseikai.or.jp/uploaded/life/631_580_misc.pdf
きょうの記事のタイトル『RUN寛平RUN』は
忌野清志郎さんが応援ソングとして作った曲で、忌野さん最後のレコーディングとなったものです。
30日にはマラソンの様子が映像で紹介され、BGMとしてこの曲が流れます。
お楽しみに。
おいしいものへの喜び
2013年11月23日 9:27 PM
ボジョレ・ヌーボー解禁の日、わたしも楽しいお酒をいただいてきました。
おいしく食べて飲めることは、本当に大きな喜びです。
足かけ5か月の入院生活が終わり退院することになった日。
主治医から退院後の生活について説明を受けました。
「何かほかに質問は?」と聞かれ、
「あの…先生、お酒は飲んだらダメですよねぇ?」
「何言ってるの?これからまだ薬を飲むんですよ!!」と一喝。
退院後も経口の抗がん剤治療が3年間続くことになっていました。
3年間、主治医の言いつけを守りましたが、自分の誕生日に一口だけ飲んだことがありました。
そのときのワインのおいしかったこと。
食べられない、飲めないという経験をしたからこそ
おいしいものへの喜びが身に沁みるのです。
仲間のチカラ
2013年11月18日 11:28 PM
きょうは日帰りで東京へ。
来年夏の学会へ向けての会議でした。
羽田空港にも街にもクリスマスツリーが登場していました。
ついこの前見上げた気がするのですが…。
さて、きょうのテーマは「仲間のチカラ」。
以前からメールを通じて交流させてもらっている子宮頚がんの患者さんが
地元で、同じ痛みを経験した人たちの語り合いの場をスタートすることになったと知らせがありました。
最初にメールをもらったのは去年だったと思います。
病気そのものの苦しみ。
子どもを産めなくなった辛さ。
将来への不安。
わたしが病気をしたときに抱えていた痛みと同じ事が綴られていました。
まだ体にもこころにも痛みが残っているようですが
仲間のために一歩踏み出すことにしたとのこと。
とてもうれしくなりました。
同じ経験をした仲間のチカラは、とてもとても大きいです。
信頼できる医療者も支えてくれるそうで、一つずつ丁寧に無理をせず準備している様子が
メールから伝わってきました。
がんばれ。
大学病院学び合いサロン
2013年11月16日 9:56 PM
我が家では、昨日から庭木の剪定中です。
小さな庭ですが亡父が植えた樹がいくらかあり、年に一度はプロの手入れが必要です。
ふだんは放ったらかしの庭が元気を取り戻しつつあります。
さて、毎月第3水曜は大学病院で「学び合いサロン」が開かれています。
2009年、おれんじの会が設立されて最初に医療者と協働で立ち上げた事業の一つです。
医療者と患者・家族が一つのテーマを共に学び合うことが目的で、
毎月1回の開催を続けてきました。
次回は20日、来週の水曜です。
おれんじの会が県から委託を受け製作した
小冊子『みんなの質問ノート』についてご紹介する予定です。
これは、診察室などで医療者に質問するときの助けになればと
具体的な質問例を示したものです。
例えば、最初の説明時の主治医への質問として
「治療法はいつまでに決めなくてはなりませんか?
相談したり考えたりして治療方針を変えてもいいですか?」
暮らしの事に関しては、看護師やソーシャルワーカーに
「仕事と病気のことについて相談できるところはありますか?
会社に伝えるべきことは何でしょうか?」
全部で32の質問項目を記しています。
この小冊子を製作した経緯や、わたしたちの思いをお伝えし
医療者と患者・家族のコミュニケーションについて考えたいと思います。
11月20日(水)午後6時~ 大学病院中会議室
関心のある方であればどなたでも参加できます。
お待ちしています。
インフルエンザ予防接種
2013年11月14日 10:20 PM
きょうインフルエンザの予防接種をしてきました。
接種後、一定の時間を置いて医師が様子を確認してくれました。
去年まで受けていた医療機関では、このような対応はありませんでした。
丁寧な対応に安心しつつ、
このような差を、患者側が事前に知ったうえで医療機関を選択する事の重要性を
改めて感じました。
冬支度の一つが完了。
大切な方を見送った人のために
2013年11月12日 9:42 PM
日本中が冷え込んだ今朝。
松山も寒い朝でした。
慌ててインフルエンザの予防接種に行こうとしたら
「大変混み合っていますので、お待ちいただきますが…」とクリニックの電話。
あきらめて週末に延期しました。
いよいよ冬支度の始まりです。
さて、今週土曜に町なかサロンでは
『大切な方を見送った人のためのサロン』を開催します。
奇数月に定期的に開催しているこのサロンは
家族、恋人、友人など大切な人を見送った経験者だけの語り合いの会です。
11月16日(土)午後1時~午後3時までです。
わたしも個人的に11月は特別な思いがあります。
29年前の11月13日に父親を
7年前の11月20日に友人を、それぞれ見送りました。
寂しさ、後悔、そして楽しかった思い出。
同じ経験をした人だけで自由に語り合いましょう。
あたたかなお茶を準備してお待ちしています。
11月例会
2013年11月11日 5:51 PM
おれんじの会の例会を昨日開催しました。
今回のテーマは「セカンドオピニオン」。
あいにくの雨でどの程度の方が参加してくださるか心配しましたが
40人を超える参加者がありました。
そのうち10人は、新聞の告知記事などを見て初めて来て下さった方でした。
四国がんセンター副院長の谷水正人先生と
四国がんセンター相談支援センター副師長の清水弥生さんによる講演と
それに続いての質疑応答でした。
質疑応答では、参加者からの質問にも熱心に答えてくださいました。
納得して治療法を選択するために「セカンドオピニオン」が重要だとわかってはいても
なかなか言い出しにくいのが患者・家族の本音です。
そんなときには、一旦病院の相談窓口で話をしてみるのも一つの方法だと学びました。
何が不安なのか?
何が知りたいのか?
自分の希望は何なのか?
こうした問題を整理したうえで、じっくり考えながら選択していくことが大事なのだと思います。
12月例会は正会員対象の交流会。
次回勉強会は1月に開催します。
がんとリハビリについて学ぶ予定です。
詳細が決まり次第ご案内します。
より良いサロン運営を目指して
2013年11月9日 7:38 PM
カメラ、照明、テーブルを囲む人たち・・・。
これは、昨日都内のスタジオで行われたある収録の一場面です。
厚生労働省の委託事業「がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム」で
今年度取り組んでいる”がんサロン”の運営に関する教材作りの一環です。
わたしも運営委員として関わらせていただいています。
昨日、きょうの2日間DVDの撮影が行われました。
写真は、サロンの様子を再現する場面の収録風景です。
準備をするときにどんな注意が必要か?
自分の考えを強く主張する参加者がいた場合の対応は?
再発や死に関する話題はどうする?など
サロンで起こり得る事を考える内容となっています。
今後、編集や最終調整を経て、テキストとDVDが公開されます。
その際には改めてご紹介させていただきます。
退院記念日です
2013年11月8日 11:06 PM
あまりにも長くブログをお休みしてしまったので
復活するタイミングがつかめず、1か月以上が経過してしまいました。
「ブログ更新はあきらめています」という悲しい言葉さえ聞かれるようになり
意を決しての復活です。
きょうは、わたしの退院記念日です。
14年前の11月8日に、足掛け5カ月の入院生活を終えました。
病院の外にのびる銀杏並木が見事に紅葉している晴れた日でした。
生きて帰れる嬉しさ。
同時に、帰れなかった仲間の無念を感じずにはいられませんでした。
「後に続く仲間のために出来ることをしよう」
そう誓った日でもありました。
もう一度、あの銀杏並木の美しさを思い出し
自分のなすべき事を考えようと思う11月8日です。