真摯であること
2012年11月15日 10:02 PM
急に冬本番がやって来たような寒さです。
オイルヒーターにストーブ…あわてて引っ張り出しました。
昨日訃報が伝えられた森光子さん。
きょうのワイドショーは、こぞってこの話題でした。
その中で、森さんが司会を務めていた番組でのエピソードが紹介されていました。
森さんが田中角栄元総理大臣にインタビューした際、田中氏が涙をこぼしたそうです。
「テレビに出ると、大抵の聞き手は何か魂胆をもって質問してくる。わたしを怒らせようととする。でも、あなたは本当に真摯に聞いてくれた」
そう言って涙を流したそうです。
真摯に聞く。
相手に対してどれだけ真摯になれるか?
とても大きな示唆をもらった気がしました。
改めてご冥福をお祈りします。
父はカッコよかった
2012年11月13日 9:36 PM
きょうは父の命日です。
28年が過ぎました。
当時、病気のことを医師や看護師に尋ねることなど思い付きもしなかったので、父の病状が悪化していく様子に、家族は右往左往するだけでした。
結局、大事な話を何もしないまま旅立っていきました。
死顔は正視できないほど醜いものでした。
そのことがずっと心に突き刺さったままだったのですが
最近になって、わたしの心に変化がありました。
それは、父は父なりに病気に向き合い生き抜いたのだと思えるようになったことです。
本当の病名を知らなくても
家族に何も言い残せなくても
父は最後まで力の限り生き抜いたのです。
お父さん、カッコいい生き方だったねと、28年経ってようやく言えるようになりました。
求められていることは?
2012年11月12日 10:38 PM
羽田空港のクリスマスツリーです。
昨日は、国立がん研究センターなどが主催する『がん医療フォーラム』で、患者・家族の立場からお話する機会をいただきました。
このフォーラムは、医療者や患者・家族に加え、死生学の研究者も加わるというちょっと異色のものでした。
在宅緩和ケアのこと、看取りのこと、患者・家族を支える仕組みのことなどについて、それぞれの立場からの話とディスカッションが行われました。
雨模様にもかかわらず500人近い参加者。
みなさんの期待に応える話ができたのかどうか…。
いつも、終わった後で思い悩みます。
フォーラムの模様は、後日webで公開されるそうですので、改めてご案内いたします。
そして、松山へもどって今夜はおれんじの会の理事会。
今後の運営について話し合いました。
どうすれば、いましんどい思いをしている方たちに寄り添えるのか?
何が求められていることなのか?
常にそこに立ち返って話し合える仲間がいることに感謝です。
忘れられない看護師さんへ
2012年11月9日 10:31 PM
徳島から松山へ、3時間のバスの旅がこたえたのか。
腰痛が甦ってきました。
数ヶ月前のような激しい痛みではありませんが、ジワリジワリと鈍い痛み。
きょうは、松山市内のある病院で看護師のみなさんにお話をさせていただきました。
自分の経験、患者・家族の思いと併せて、接遇研修。
みなさん勤務の後の研修だったそうですが熱心に耳を傾けてくださいました。
感謝です。
看護師さん向けの研修でいつもご紹介するのが、わたしの入院中に出会ったある看護師さんのことです。
髪が抜け始めたときに、誠実にわたしに向き合ってくれた若い看護師さん。
言葉にできなかった感謝の思いを、他の看護師さん向けに話をする中で伝え続けています。
「ありがとうございました」
昨日11月8日は、わたしの退院記念日でした。
こうして生かされている事を改めて感謝しつつ。
徳島にて
2012年11月8日 10:36 PM
東京から徳島へ回り、戻って来ました。
きょうは、徳島県立城東高校でお話をさせていただきました。
徳島のNPO法人AWAがん対策募金が行っている「出前講座」の取り組みです。
詳しくは http://www.awagan.com/
徳島県の委託を受けて実施しているもので、高校生を対象にがんのこと、いのちのことについて医師と経験者が講演をするという取り組みです。
講演を聞いた後には、生徒が家族に宛ててメッセージを書きます。
日頃の感謝とともに、検診の呼び掛けなどを自由に書いてもらいます。
今年度は20の学校で実施するそうです。
がんという病気についての正しい理解が、高校生を通して広がっていくことに期待しています。
遺すもの
2012年11月6日 11:35 PM
きょうは、厚生労働省がん対策推進協議会でした。
会議が終わったところで1本の電話。
ある方の旅立ちの知らせでした。
母のことで悩んでいたとき、大きな力で支えてくださった方でした。
特に、母が他界したあと後悔に苦しむわたしにかけてくださった言葉を忘れることができません。
人は何を遺すのか?
わたしは何を遺せるんだろう?
より良いピアサポートのために
2012年11月1日 11:00 PM
きょうは、「がん総合相談研修プログラム策定事業」の運営委員会でした。
いわゆる”ピアサポーター”研修のプログラムを考える事業です。
去年の事業を引き継ぎ、新しい体制になって8ヶ月。
テキストとDVDの試作版ができました。
web上で公開されています。
詳しくは http://www.jcancer.jp/news/2012/20121016.html
試作版へのご意見を反映して、今年度末までに完成版を作成する予定です。
この事業に関わって、改めて多くの学びをさせていただいています。
ピアサポーターに求められること。
立ち入ってはいけないこと。
コミュニケーションの難しさ。
見失ってはいけないことは、自分が治療を受けていた頃にどういうサポートが欲しかったのか?という原点。
常にそこに立ち帰らなければならないと思っています。
美しい季節に
2012年10月31日 10:10 PM
10月も終わり。
いよいよカレンダーが薄くなってきました。
街には来年のカレンダーが並んでいます。
毎年のことながら、この時期になると妙な焦燥感に包まれます。
年末がみえ、その先の年度末がチラチラし始めると…。
いやいや、せっかくの美しい季節を楽しむ余裕を持たなければ!
バタバタしている間に、街路樹のハナミズキの葉は真っ赤になっていました。
学ぶ
2012年10月28日 9:01 PM
3日間の癌治療学会参加を終えて戻ってきました。
学会が、患者・家族のためのプログラムを公式にスタートしたのが3年前。
去年と今年は、そのプログラムの運営委員の1人としてお手伝いさせていただきました。
患者・家族のためのプログラムの目玉の一つは『Meet the Professor』
各領域の第一人者を講師に、学会で発表された研究のトピックを解説していただくという企画です。
現在どのような研究が行われているのか?
今後の展望は?
自分の病気と直接関係のあることだけでなく、日頃なかなか勉強する機会のない領域の研究まで学ぶことができました。
学会に参加して思い知る、日頃の不勉強。
もっともっと勉強したい!
そう思いを新たにした3日間でした。
癌治療学会
2012年10月25日 10:01 PM
きょうから、癌治療学会に参加しています。
50回の節目を迎えた癌治療学会。
それぞれの領域の治療の過去を振り返り、未来への展望を語るセッションが多くあります。
「どうすれば目の前の患者を救えるか」昼夜を分かたぬ研究を続けた医療者がいて、
研究に参加した数多くの患者がいて、
その結果、現在の治療の恩恵に与っていることを改めて実感しました。
学会は土曜まで続きます。