大切な人のために生きる
2010年3月1日 8:44 PM
雨の一日でした。
ようやく咲いたクリスマスローズの花が冷たい雨に打たれてかわいそうです。
きょうは今治へ行ってきました。
乳がん検診の研修会で、おれんじの会会員Nさんに体験談を語ってもらうため同行しました。
Nさんは、大勢の人の前で自分の病気のことを話すのはきょうが初めてです。
事前に原稿を書いてしっかり準備してくれました。
「本当は自分のことばで語りかけたかったのですが、初めてのことだし覚えられなかったのでメモを読みます。でも心がこもっているので聞いてください」と話しかけて始まりました。
周囲に1人もがん患者のいない環境で、突然の告知。
不安で重度のうつ状態になったけれど、友人の支えで乗り越えた経験。
再発し厳しい治療を続けながらも家族と共に精一杯生きていること。
そして最後にこう伝えました。
「みなさんお一人お一人が、誰かにとって大切な人です。
生きるということは、その誰かのために生きることだと思います」。
聞いてくださった方々の心に深く沁みわたったはずです。
誰より、私自身が自分の生き方を省みました。
現在進行形で治療をしているNさんにとって、その経験を語ることはとても辛いことだったはずです。
でも、誰かの役に立つのならと引き受けて勇気をもって語ってくれました。
語っているときのNさんの表情は本当にうつくしかったです。
おれんじの会では、こうして患者・家族からのメッセージを伝えていきます。
野球拳
2010年2月28日 9:39 PM
夢の中にまで書類の山が出てきました。
やれやれ…。
そんなわけで、きょうは夕方まで家にこもって「山」の切り崩しに取り組みました。
ほんのちょっと片付きました。
これで、もう夢には見ないかな。
夕方、ある会員さんのお見舞いに行ってきました。
おれんじの会の準備会の頃からほぼ皆勤だった方です。
いつも、ユーモアあふれる話で盛り上げてくれました。
野球拳が大好きで、「いま何がしたい?」とご家族が聞くと「野球拳が見たい」と答えるそうです。
松山まつりまであとひと月。
病院で野球拳、やっぱり難しいですね。
でも叶えてあげたいなぁ。
出張、そして書類の山!
2010年2月27日 10:41 PM
しっかりと雨音が聞こえてきます。
庭の梅の花はこれで散ってしまいそうです。
きょうは宇和島へ行ってきました。
「がん予防講演会」です。
またまた、子宮頚がん体験者としての話をさせていただきました。
若い方からご年配の方まで、みなさんがとても熱心に聞いてくださいました。
いつ行っても宇和島の方々はあたたかくて、優しい気持ちになれます…。
お世話になりました。
帰りのJRの中では熟睡!目が覚めたら松山駅でした。
これで出張は一段落です。
この10日間で東京へ3回。
ぴょんぴょん飛び跳ねていたおかげで机の上は書類の山!
PCのメールボックスは未処理の仕事の山!!
これを考えると眠れなくなります…。
ま、いいか。明日がんばろうっと。
「きょう出来る仕事は明日に延ばさない」…母にいつも言われていたことを守れない私です。
さくら
2010年2月26日 10:17 PM
久しぶりの雨です。
昨日の夕方、済生会今治病院でお話をしてきました。
テーマは「あなたの患者になりたい~医療従事者と患者・家族のよりよい信頼関係のために~」
主に医療従事者の方を対象にしたセミナーの中で、おれんじの会から家族と患者の立場2人がお話をさせていただきました。
日勤が終わったばかりの方も多かったと思いますが、とても熱心に話を聞いてくださいました。
このセミナーが終わると同時に駅まで走り、岡山を経由して新大阪へ。
滞在時間7時間。今朝一番の新幹線に乗り、東京へ。
国会議員の子宮頚がん予防ワクチンに関する勉強会で、体験者としてのお話をさせていただきました。
夕方の便で松山へ戻り、FM愛媛で番組の収録。
愛媛大学医学部の櫃本先生が担当なさっている番組で、おれんじの会の取り組みなどを紹介していただくことになり、その収録でした。(放送予定などは改めてご案内します)
よしちゃんが押してくれる背中も、さすがにくたびれました…。
荷物をひきずるようにして帰り着いたら、会員0さんからのお手紙が届いていました。
とても不思議なのですが、私が疲れ果てているときには必ずOさんから手紙が届きます。
封筒にはさくらの香りの入浴剤が入っていて、手紙にこう書いてありました。
「桜に対する患者さんの思い、大切にしたいです」
そう、いのちの果てを見つめるがん患者にとって、年に一度1週間しか咲かない桜には特別な思いがあります。
遺族であり看護師を目指している0さんには、その思いが痛いほどわかるのですね。
この入浴剤で疲れを癒し、また思いを新たに明日から頑張れそうです。
0さん、ありがとう~。
あすは宇和島へ行きます!
背中を押してくれるチカラ
2010年2月24日 9:43 PM
春というよりも初夏を思わせる一日でした。
最高気温は20℃!
日中の車内は冷房を入れたくなるほどでした。
きょうは、松山市のお隣東温市で「がん対策推進員」養成研修に参加し、経験者としてのお話をしてきました。
考えてみると、今週は火曜から土曜まで毎日どこかで講演をしていることになります。
2月に入ってからの出張は、東京、福岡、大阪、岡山、京都、東京…。
我ながらかなりハードな日程をこなしていると思います。
でも不思議とさほど疲れを感じていないのです。
ブログを読んだ皆さんが心配してくださるのですが、強がりでなく本当に元気なのです。
たくさんの患者仲間を支えていたよしちゃんがこんなことを言っていました。
「これだけ頑張れるのは自分の力じゃない気がする。先に逝った仲間が背中を押してくれてるんだと思う」
そのよしちゃんが、現在の私の背中を押してくれていると確信しています。
「がんばってよぉ」とあの笑顔でパワーを送ってくれているのです。
ありがとう、よしちゃん!
あすは今治です。
松山空港にて
またまた東京出張でした。
夕方の便で松山空港へ帰り着いた時のこと。
いつものようにリムジンバスに乗ろうとしたところ、私が行きたい方面のバスはまさに出発しようとしているところでした。
それに気付いた後発バスの運転手さんが、件のバスまで走って呼び止めてくださいました。
おかげで、無事乗ることができました。
何だかとても嬉しかったです。
ハードな日程の出張で疲れた体と心にじんわりと効く優しさでした。
伊予鉄バスの運転手さん、ありがとうございました!
春
2010年2月22日 9:24 PM
晴れて暖かな一日でした。
松山では3日間行われた「椿まつり」が最終日を迎えました。
旧暦の1月7日~9日に行われるため、毎年このお祭りの頃が一番寒いと言われています。
今年は3日間とも天気に恵まれ、大勢の参拝客でにぎわったようです。
会員専用掲示板に、すいぎゅうさんが春らしい写真をUPしてくださいました。
砥部焼の雛人形です。
会員の方は覗いてみてくださいね。
一昨日、初めて会った人から「子どもさんは?」と突然聞かれました。
「病気で子宮を摘出したからいないんですよ」と、いつものように答えましたが…なんだかなぁ。
いつか、何とも感じなくなる日がくるものでしょうか。
あなたの理想とするがん医療は?
2010年2月21日 9:14 PM
あなたの理想とするがん医療とは?
その夢を語り合うイベントが開かれます。
情報はこちら http://blogs.yahoo.co.jp/cancernet_japan
今回は東京での開催ですが、こうした夢のあるイベントを是非地方でも開いてほしい!とお願いをしておきました。
近い将来に実現できるといいですね。
このイベントを共催するキャンサーネットジャパンの事務所を先日訪ねました。
御茶ノ水、東京医科歯科大学のすぐ裏手のビルの1室です。
スタッフのほとんどが女性、そしてほぼ全員ががんサバイバーだと聞いています。
こんなふうに、病気を経てその経験を生かして仕事ができるというのは素晴らしいな。
主治医
2010年2月20日 11:27 PM
きょうは子宮頚がんに関する勉強会に参加しました。
終わって帰ろうとしたところ、見覚えのあるお顔。
そう、私の主治医だった方です。
治療が終わって一段落した頃に他の病院へ移られたので、ずいぶん久しぶりにお目にかかりました。
「元気にしてる?」と笑いかけられると、途端に患者に戻ってしまいました。
「は、はい。おかげさまで元気にしています」
10年前、1回目の抗がん剤治療が終わったときのことです。
いつもはベッドサイドに立って話しかける主治医が、その日は傍の椅子に腰かけ「しんどかったね、よく頑張ったね」と私の目をしっかり見つめて話しかけてくれました。
「ああ、私のしんどさをわかってくれてるんだ」と思った途端に、1週間の抗がん剤治療中ずっと強張っていた体からすーっと力が抜けていきました。
この主治医だったからこそ、厳しい治療を乗り越えることができたと感謝しています。
相変わらずお元気そうではありましたが、いろいろと持病を抱えていらっしゃることを知っています。
「先生、おかげさまで生き残らせていただきました。先生もお元気で、これからもたくさんの患者さんの心を支えてくださいね」
笑うこと
2010年2月19日 10:55 PM
出張から戻りました。
羽田発19:15のANA便。
飛行機に乗り込んでシートベルトを締めた途端に眠りに落ち、しばらくして目が覚めました。
窓の外を見ると、あれ?まだ空港?
時計を見れば間もなく20時。えっ?
結局1時間近く遅れての離陸です。
え~、そりゃないよぉ。
乗客は5分遅れても乗せないくせに!イライラ…!
仕方ないので機内誌をめくっていたら機種を紹介するページがありました。
ジャンボ機からボンバルディア社の小型機までずらっと並ぶイラストの最後に、なぜか「クジラ」の絵。
解説に「機体の大きさとの比較のために掲載しています」と書いてありました。
ふふっ。
ちょっと笑える。
そうしているうちに、機長からのアナウンスが聞こえてきました。
「本日はお待たせしまして申し訳ありません。安全上問題ない範囲で遅れた分を取り戻します(みたいなニュアンスでした)」
それって?
こちらもちょっと笑えるアナウンスでした。
イライラしていたはずが、ほんのちょっとの笑える材料ですっかり気分が切り替わりました。
そのうち、帰りが遅くなることよりも、こうして無事出張の目的を果たし体調を崩すことも怪我もなく帰宅できることを感謝する気持ちが湧いてきました。
笑うことは大事です。