大切な人のために生きる
2010年3月1日 8:44 PM
雨の一日でした。
ようやく咲いたクリスマスローズの花が冷たい雨に打たれてかわいそうです。
きょうは今治へ行ってきました。
乳がん検診の研修会で、おれんじの会会員Nさんに体験談を語ってもらうため同行しました。
Nさんは、大勢の人の前で自分の病気のことを話すのはきょうが初めてです。
事前に原稿を書いてしっかり準備してくれました。
「本当は自分のことばで語りかけたかったのですが、初めてのことだし覚えられなかったのでメモを読みます。でも心がこもっているので聞いてください」と話しかけて始まりました。
周囲に1人もがん患者のいない環境で、突然の告知。
不安で重度のうつ状態になったけれど、友人の支えで乗り越えた経験。
再発し厳しい治療を続けながらも家族と共に精一杯生きていること。
そして最後にこう伝えました。
「みなさんお一人お一人が、誰かにとって大切な人です。
生きるということは、その誰かのために生きることだと思います」。
聞いてくださった方々の心に深く沁みわたったはずです。
誰より、私自身が自分の生き方を省みました。
現在進行形で治療をしているNさんにとって、その経験を語ることはとても辛いことだったはずです。
でも、誰かの役に立つのならと引き受けて勇気をもって語ってくれました。
語っているときのNさんの表情は本当にうつくしかったです。
おれんじの会では、こうして患者・家族からのメッセージを伝えていきます。