ドラマと研究会で思うこと
2009年3月21日 7:53 PM
今朝のドラマ『だんだん』。
案の定、主人公の祖母は家族と医師の熱意に応えて新しい抗がん剤治療に挑戦し、”奇跡的”に腫瘍が縮小する効果を得ました。
このエピソードで勇気づけられ、病気に立ち向かう気力が出る人もいるでしょう。
でも、やはり私は違和感を感じずにいられないのです。
「あきらめない」のは大事ですが、それだけが正解、それだけが美しいことではないと思うのです。
人の生き方が様々であるように、病気との向き合い方もいろいろです。家族愛に支えられて病気に立ち向かうことも、ひとりで病気との闘いに区切りをつけることも、どちらも尊重されるべきでしょう。
がんを家族の絆を見つめ直す道具として安易に使うのではなく、厳しい治療の実態や経済的な問題などを正面から取り上げるドラマが、そろそろ作られてもいいと思うのですが…。
さて、きょう午後は愛媛緩和ケア研究会の事例検討会に参加してきました。
ある症例を取り上げ、どうすればより良いケアを提供できたかを検討するワークショップ形式の研究会です。
2時間熱心に検討が続きました。
ほとんど毎週末、どこかでこうした研究会が開かれています。勤務の合間を縫って医療者が参加し、研鑽を積んでいる姿を見るにつけ、愛媛のがん医療に希望を見出しています。