NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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もう抗がん剤はええんだが…

2009年3月20日 8:57 PM

NHK朝の連続テレビ小説『だんだん』が最近気になっています。
時計代わりだったのですが、”がん”が登場してからちゃんと見るようになりました。

主人公の祖母にすい臓がんが見つかります。
抗がん剤治療の副作用が厳しく、一旦治療を中止します。
しかし、他の薬剤の適応があることがわかり新しい治療を勧めるシーンがありました。
孫とその友人である医師が、祖母に迫ります。
「新しい治療法を試してみましょう!」
「生きることを諦めないで!」
そこで祖母のセリフです。
「もう抗がん剤はええんだが…」

医師と家族にこんなふうに言われたら逃げ場がなくなるよなぁ。
追い詰めないでよ~。
昨日一緒だった患者さんも同じ感想を言っていました。
その患者さんは大腸がん。大腸がんは患者が増えていることもあって研究が進み、新しい治療薬が次々開発されています。もちろん喜ばしいことではあるのですが、それは副作用もまた果てしなく続くということでもあります。手足の強いしびれ、身の置き所のない倦怠感、吐き気、下痢、仕事や家事ができない歯痒さ…。その副作用と向き合うのは家族でも医師でもなく、本人だけです。

「おばあちゃん、一日でも長生きして」というのは簡単です。
それに応えて辛い副作用を耐え抜くのは美しい話です。
でもその前に、治療に向き合うことの苦しさや孤独、支えるという簡単な言葉では済まない周囲の闘いがあることを忘れないでほしいのです。
朝のドラマでそこまで描くのは無理でしょうかねぇ。
さあ、明日の放送はいかに?!

 

 
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