時間
2008年8月15日 8:59 PM
ここ数日、ある患者さんに関わっています。
Aさんが最初に電話をくださったのは4月半ばでした。Aさんの知り合いが、患者会の事を知らせてくださったとのことでした。
数日後に入院先へ伺いました。抗がん剤治療中でしたが比較的落ち着いた状態で、パジャマを着ていなければ患者とは思えない雰囲気でした。それまでの人生経験、そこから学んだ価値観、病気への向き合い方、果ては人生の歩み方まで話は広がり、2時間ほどおしゃべりをしてしまいました。
近いうちに退院するから、そうしたら家に遊びにいらっしゃいという言葉を信じ楽観的に受け止めた私は、日々の忙しさの中で連絡を差し上げるのも忘れてしまっていました。
再び電話を下さったのは、7月末のことでした。電話口の声は3ヶ月前と変わりませんでしたが、積極的治療は打ち切って転院する予定だとのことでした。転院されたらお見舞いに伺おうと思っていたところ、思いがけず病状悪化の知らせを受けたのが今週のことでした。
残された時間はそう長くないようです。
自分が病気に向き合っていた頃には、一日一日が本当に貴重でした。
会いたい人にはすぐに会い、行きたい場所には飛んでいくような生活でした。
それが健康を取り戻すにつれ、「そのうち」「いつか」と先延ばしをするようになってしまいました。
患者会の活動をするようになって、「そのうち」「いつか」は通用しないことを再び思い出しています。