髪 ~わたしのがん体験①~
2008年5月4日 7:21 PM
きょうも暑かったですね~。愛媛では、最高気温が25℃を超える夏日を記録したところが多かったそうです。そのせいか、我が家の飼い猫の抜け毛がひどくて大変です!
抜け毛といえば・・・(スミマセン。強引に結びつけます)
私が、子宮頸がんと診断されたのは’99年です。手術で子宮を摘出し、続いて抗がん剤治療を3クール受けました。1クール目が終わって1週間ほど経ったある日、洗面台で鏡を見ると生え際の様子がいつもと違うことに気付きました。「なに?どうしたんだろう?」と手をやるとぱらぱらっと髪が抜け落ちました。そう、副作用の脱毛を認識した瞬間でした。知識として知っていても、いざ自分の身にそれが起こったときの恐怖と淋しさ!でも、その恐怖と淋しさに引き込まれてしまうことの方がコワかった私は、部屋へ戻るなり同室の先輩患者さんたちに「見てくださいよ~、抜け始めちゃいました!」と笑ってみせたのでした。みんな「ホントだ~。クスリが効いてる証拠だよ」と笑い返してくれました。先輩もみんな通ってきた道、一緒に笑い飛ばしてくれる優しさが私の支えとなりました。
その直後から、白血球の急激な減少という深刻な副作用が起き1週間ほどベッドから離れられない状態になりました。ようやく起き上がれるようになって、看護師さんにシャンプーを頼みました。洗面所で気持ちよく洗ってもらったところで、看護師さんが「すぐに鏡見ないようがいいよ・・・」とひとこと。でもそう言われれば見たくなるのが人情ですよね。・・・鏡に映ったのは、ほんの少し残った髪が所々に張り付いている姿。その時私は33歳でした。
一時的に抜けるだけでまた生えてくること、カツラを使えばごまかせること。それはよ~くわかっています。でも抜け落ちていく髪をみることは、それ程の副作用を伴う治療をしなければならない自分の病気の深刻さを思い知らされる瞬間です。外見が変わってしまうことの惨めさもさることながら、現実の厳しさに直面する、本当に辛い出来事でした。