自分らしく生き抜く
2013年12月11日 10:28 PM
冷たい雨が続きました。
その雨に送られるように、仲間が旅立ちました。
病気が見つかって10年近く。
治療を終えてからの2か月あまりを自宅で過ごしました。
子どものために、家にいてやりたい。
できるだけ一緒に過ごしたいというのが、一番の願いでした。
でも、長く病院での治療を続けてきたので
本当に家で過ごせるのか、なかなか不安が消えませんでした。
医師による訪問診察や、訪問看護がスタートし
少しずつ不安は薄らいでいきました。
「病院は、辛い治療と、悪い検査結果を聞く恐怖の場所だった。
でも、在宅医療は、わたしの気持ちや体調に合わせてくれる。
とても楽になれた」
そう言っていました。
食欲が落ちてからは、親友が好きなものを作ってくれるのを楽しみにしていました。
リビングの真ん中にベッドを置いて、最期まで家族と共に自分らしく過ごすことができました。
わたしたちが2010年に実施した「がん患者満足度調査」では
自分らしく過ごせる自宅で過ごしたいと希望する声が多く聞かれました。
しかし、家族に負担をかけるなどの理由で遠慮してしまうという現状もうかがえました。
在宅を支えてくれる医療資源の充実。
そこへの確実な連携。
そして、患者・家族への適切な情報提供と精神的なサポート。
残念ながら、地域や医療機関によって格差が存在します。
どこに住んでいても、誰でも
自分らしく生き抜くことができる仕組みを整えていかなければなりません。