乳房再建を考える
2015年2月15日 7:57 PM
町なかサロンでは、週末にさまざまな特別企画を実施しています。
きょうは「乳房再建を考えるサロン」
四国がんセンター 形成外科の河村 進先生を講師にお招きし
勉強させていただきました。
2013年にシリコンインプラントを使った再建手術にも保険が適用になり
再建を考える患者さんが増えているそうです。
それ以前から保険適用だった自家組織(体の一部の組織)を使った再建と併せて
選択肢が増えたのは喜ばしいことですが
それぞれの手術法についてのメリット、デメリットを知っておくことが重要です。
シリコンを使う場合、新たな傷を作ることなく
手術時間も入院期間も短くて済むメリットがありますが
柔らかさに欠け、まれに異物反応を起こすこともあるそうです。
一方の自家組織を使う場合は、組織をとるために背中やお腹などを切る必要があり
手術時間は長く、入院期間も長くかかります。
しかし、柔らかくあたたかな乳房を作ることができます。
そのほかにも、全身状態や乳がんの治療方法によって適切な方法は異なるので
十分に症例を積んでいる専門医に相談することが大事です。
きょうのサロンには、2つの方法それぞれの経験者も参加していて
実際の大変だったことや、良かった点などについて話をしてもらうことができました。
そのうちのお一人の言葉。
「毎朝、着替えるたびに気分が沈んでいた。
再建をして、前向きな気持ちになれたのはとても大きい。
治療は痛みが伴うけれど、その痛みさえもうれしく感じられる」
別の再建経験者は
「手術後の痛みや不自由さなど、大変なこともたくさんあった。
本当に再建したい!という覚悟が必要」と話してくれました。
乳房再建をしない選択肢も、もちろんあります。
ある調査で、再建しない理由として
「この病気があったから、今の自分がある。
病気を忘れないためには、この傷はなければならないから」と答えた方があったそうです。
選択肢が増えた分、悩むことも多くなります。
納得いく選択をするために
医療者に十分に説明を受け、しっかり考えることが必要です。
医療者には、ゆっくり丁寧に情報提供し、サポートする態勢を望みたいものです。