父の命日に思うこと
2011年11月12日 9:30 PM
あす11月13日は、父の命日です。
旅立って27年が過ぎました。
胃がんが見つかって手術を受け、3年後に再発し9カ月の入院生活を経て旅立っていきました。
それは、まさに闘いの日々でした。
息を引き取ったときに、伯父が「これで楽になったなぁ、よくがんばったなぁ」と言いながら、ポロポロ涙をこぼした姿を忘れることができません。
27年の間にがん医療は格段に進歩しました。
胃がんだけをみても、手術成績の向上だけでなく新しいタイプの治療薬も登場しています。
しかし一方で新たな問題が起こってきているそうです。
それは、進行してから見つかるケースが増えているということです。
先日話をした消化器内科医によると、病院へ来た段階ですでにかなり進行していて手術不適応の患者が増えてきているとのこと。
原因として考えられるのは、不景気の影響で検診を受ける人が減っているのではないか、というのです。
検診を受ける費用が出せない。
不景気で失職し検診を受ける機会がなくなった。
病気が見つかっても治療費が出せないから、検査も受けない。
「そういう患者さんを診るのは辛いですよ…」と、その医師はつぶやきました。
治す技術が確実に進歩する一方で、おカネがないために、その恩恵に与れない。
それを「仕方ない」と諦めるわけにはいかないのです。