緩和ケア
2017年5月29日 3:08 PM
週末は出張。
土曜は、日本緩和医療学会が主催した
全国の病院長・幹部対象の緩和ケア研修会で
患者・家族が緩和ケアに望むことについてお話をさせていただきました。
わたしの話の中で
父の看取りの時のことお伝えしました。
もう30年余り前のこと、父が治らない段階に入ったときから
担当は若い先生に変更になっていました。
最期が近付いた時、その若い先生は父に馬乗りになり
心臓マッサージを施しました。
現在では考えられないことですが
当時はそれが当たり前で
父の兄弟たちは「あそこまでしてもらって…」と感謝していたくらいでした。
もちろん、わたしも何の疑問も不満もありませんでした。
そういう時代でした。
あの先生も、30年経って
今回の研修会に参加している先生方の年代。
初めて看取った患者のことを覚えてくださっているでしょうか。
研修会では、患者に医療用麻薬の効果や副作用について説明する
ロールプレイなどが行われました。
患者や家族の心情に配慮し、言葉を選びながらの説明に熱心に取り組まれていました。
「緩和ケア」という概念さえなかった時代から考えれば
本当に隔世の感。
いつか
「緩和ケア」という言葉を使わなくてもいいほどに
患者・家族のつらさを取ることが当然の時代になるように願います。