感激のひととき
2011年9月8日 8:37 PM
明け方、頭の痛さで目が覚めました。
ゴソゴソ起きだしてクスリを飲みましたが、横になっても治まりません。
クスリを飲むタイミングが遅れたせいか、1時間ほど七転八倒してようやくうつらうつらできました。
暗闇の中で感じる痛みは、昼間の何倍も不安になりますね。
朝起きてもスッキリしなかったのですが、きょうは仕事前にどうしても出かけたいところがありました。
画家 中川一政さんの展覧会です。
出張先の名古屋のデパートで開催されていることを偶然知ったのです。
中川一政さんは、向田邦子さんの本を通して知りました。
大好きな向田邦子さん。
向田さんの本の中に、中川さんの作品の前で撮られている写真があります。
その作品は、文字と絵で構成されています。
「もう我は駄目だと思ふ時もある やってゆかうといふ時もある」
直木賞を受賞し、次々にヒット作を生み出していた向田さんが、どんな思いでこの作品を選んだのか。
とても気になり、そして私自身もずっと心の中で大事にしてきたことばです。
もしかすると、展覧会の会場にこの作品もあるのではないかと、頭痛をおして行った会場に、その作品がありました!
かごしま近代文学館蔵とありましたので、向田さんの手元にあったものに間違いないと思われます。
しばらく作品の前から動けませんでした。
向田さんは乳がんを経験しています。
手術後、右手で文字が書けなくなり左手で原稿を書いていた時期があったそうです。
30年以上前のことですから、再発の不安も大きかったことと思います。
その向田さんが飛行機事故で亡くなったのは30年前の夏でした。
向田さんが眺めた作品を、この目で見ることのできた感激のひとときでした。