リレーフォーライフについて
2019年10月1日 9:18 PM
本日付の愛媛新聞に、
今年のリレーフォーライフについての記事が掲載されました。
この中で、わたしたちおれんじの会が参加しないことが書かれていますが
不参加に至った経緯や思いなどに全く触れられておらず
誤解を招きかねないと感じました。
そこで、9月10日に会員向けに送った文書を
ここに公開いたします。
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2009年におれんじの会会員を含む有志で高知のリレーに参加し、
2010年に愛媛での初めての開催となりました。
会員のみなさまはじめ、
医療者や企業・団体、そして多くのボランティアが集まり、
患者・経験者、ご家族、大切な人を見送った方々のことを
大事に想う24時間を積み上げてきました。
第1回の閉会式で、
おれんじの会副理事長だった小野光則さんが残してくれた
『つなげよう この24時間を次の24時間へ』というメッセージは、
その後もずっと受け継がれてきました。
9年間、ほとんど同じメンバーが中心となって開催してきましたが、
実行委員やチームのまとめ役をしてきた人達も年齢を重ね、
仕事や家庭の事情で参加が難しくなってきました。
そのために、昨年をもって実行委員会は解散いたしました。
後を引き継いで、今年は日本対がん協会愛媛県支部が開催することとなりました。
掲げるメッセージは新しくなり、
これまで以上に寄附集めの色を濃くしたリレーとなります。
もともとリレーフォーライフは、
研究支援や相談事業のために寄附を集めることも大きな目的の一つではあります。
しかし、それ以上に大事なのは、
参加している当事者を大切にすること、
その場に来られない方々を静かに想うことだと、わたしたちは考えてきました。
そうしたわたしたちの考えが、
今年のリレーでは希薄になっていると感じ、
役員会で慎重に検討した結果、
今年のリレーにはチームとしての参加は見送るという結論に至りました。
年に一度のこの日を楽しみに、
励みにしてくださっている方々には本当に申し訳なく、
残念ですが、ご理解いただければ幸いです。
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第1回のリレーフォーライフが終わって数日後
手紙が届きました。
たどたどしい文字で「お父さんと一緒に歩いたよ」と書かれていました。
この子の父親は、すい臓がんで旅立っていました。
リレーフォーライフの会場で、母親と手をつないで一緒に歩きながら
たくさん思い出話をしたのでしょう。
反対側の手は、きっと見えない手につながっていたんだと思います。
この手紙を読んだときに
愛媛で最初のリレーフォーライフを立ち上げた苦労はすべて飛んでいきました。
9年間、実行委員の仲間と一緒に大切に、大切にしてきたリレーフォーライフ。
わたしたちは離れましたが
参加してくださる患者さんやご家族、大切な人を見送った方々にとって
これまでと同じようにあたたかな時間になりますように。