病室から見えるもの
2019年10月11日 8:21 PM
台風19号が近づいています。
きょうから、東京で第32回日本サイコオンコロジー学会が開催され
わたしも、明日シンポジウムと市民公開講座に登壇予定でしたが
2日目の日程はすべて休止となってしまいました。
ずいぶん大きな影響が予想されていますが、
どうか被害が少なく過ぎて行ってくれますように。
思いがけず出張がなくなり、少し家の片付けをしました。
我が家にある1枚の絵皿を、ひさしぶりにじっくりと眺めました。。
石鎚山が描かれています。
わたしの前職の上司が描いたものです。
報道記者として最前線で仕事をしていたときに
難病に罹患されました。
入退院を繰り返しながら、
医療や福祉に関するすばらしい番組を次々に作り出していました。
あるとき、入院中にお見舞いにうかがったら
病室には絵やクッションが置かれていて、まるでご自宅のリビングのようでした。
そのときに、奥さまが
「どんな病室だって、少しの工夫で家みたいに快適にできるのよ」と
おっしゃったのが強く印象に残りました。
長く厳しい病気との向き合いへの
覚悟のようなものが込められていたのではないかと思います。
絵皿は、病室から見えた風景を描いたもので
旅立たれた後に送っていただきました。
もう20年以上も前のことになります。
病室からの風景をどんな思いで見ていらしたのか。
どんなことを思っていたのか。
もっともっと聞かせていただきたかったと思います。