NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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11年目のお礼

2010年12月21日 9:47 PM

雨が続いています。

11年前に言えなかった「ありがとう」を、ようやく伝えることができました!

私が入院中にお世話になった看護師です。

抗がん剤治療の副作用で高熱が出た夜でした。
夕方から異常な悪寒を感じ、発熱。
息苦しさと体の震え、そのうち意識まで遠ざかっていきました。
「このまま死ぬのかな」と思い、自分を迎えにきた死神と目が合ったと感じた瞬間でした。

気がついたときには酸素マスクが付けられ、抗生剤の点滴につながれていました。

夜勤の看護師が「ふらふらして危ないから、これ使ってね」とポータブルトイレをベッド横へ運んできました。
狭い4人部屋です。
静かな夜に、ここで?イヤだなぁ…。

そう思って困り果てていたところへ、別の看護師がやって来ました。
「ここでなんてイヤよねぇ。一緒にトイレに行きましょう」と声をかけてくれたのです。
その時の嬉しかったこと!
いまでもハッキリ覚えています。

その看護師に、昨日偶然出会いました。
「覚えていらっしゃいますか?」と声をかけると、「はいはい、2階西病棟でしたよね」とのお返事。
あの時のことをお話し「本当にありがとうございました。ずっと忘れていませんでした。本当に嬉しかったんです」と伝えると、涙が出てきてしまいました。

ようやく言えた「ありがとう」でした。

実は、こんなふうに伝えられなかった「ありがとう」を大事に胸にしまっている患者・家族は少なくないのかもしれません。
入院期間の短縮化で、その時間さえなく慌ただしく退院していくのも理由です。
もし、この記事を医療者の方が読んでくださっていたら、どうぞわかってください。
みなさんへの、たくさんの「ありがとう」が、あちこちに!

 

 
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