精神腫瘍医
2010年11月18日 9:22 PM
きょう届いたメール。
不安と焦りが綴られていました。
がんと告げられたら、ほとんどの人は「こころの痛み」を経験します。
強弱を繰り返します。
私もそうでした。
ジェットコースターのように、喜びや感謝が湧きあがる時と不安と恐怖で足が震えるような時を繰り返しました。
多くの患者さんが、こころが揺れる辛さ、しんどさを口にします。
そこからどうやって立ち直るのかは、人それぞれです。
家族や友人の慰め、同じ病気の仲間からの共感、趣味や信仰が力を与えてくれる場合もあります。
時には専門の医療者の助けを借りることも必要でしょう。
『精神腫瘍医』と呼ばれる専門家は、がん患者特有の精神的な症状を治療してくれます。
『サイコオンコロジスト』とも呼ばれます。
日本サイコオンコロジー学会では、このほど登録制度をスタートさせました。
経歴や業績などの審査に加え、望まれる医師象として次のように掲げています。
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精神腫瘍医として、患者さん、ご家族の診療に積極的にあたる。具体的には、薬物療法一辺倒ではなく、病気に関わる悩みなどにきちんと耳を傾ける。また、ホームページへの掲載を了承し、患者さんやご家族が受診された場合には誠実に対応する。
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詳しくは学会のHP http://www.jpos-society.org/toroku/ をご覧ください。
四国がんセンターの大中俊宏医師も登録されています。
「病は気から」という言葉が刷り込まれている日本人。
がんという厳しい病気と向き合う時のこころの痛みさえも、何とか自分の努力で乗り越えようとする場合がすくなくありません。
頑張り過ぎず。いえ、頑張らず。
専門家の助けを借りることは恥ずかしいことでも何でもありません。