前を向けない
2010年10月27日 9:52 PM
きょうは30代の患者さんと電話でお話をしました。
子どもが3人。
一番下はまだ3歳だそうです。
ずっと健康に過ごしてきたのに、去年突然のがん告知。
いまも厳しい治療が続いています。
なかなか前を向けない辛さをポツリポツリと話してくださいました。
体の辛さもさることながら、前向きになれないことがとてもしんどいのだと。
周囲の人は励ましのつもりで「前向きになろうね」とか「気持ちで負けちゃダメよ」などと声をかけます。
それは患者本人も嫌というほどわかっています。
それでも、どうしても顔を上げられないときがあるのです。
「そう、しんどいよね。いまは前を向けない時期かもしれないね」そういう共感こそが、どんな励ましよりも患者を支え力を与えてくれるのだと思います。