NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

8月15日

2010年8月15日 9:55 PM

私の母は昭和5年、現在の韓国大田で生まれました。
終戦の時15歳。女学校に通っていました。
家族と共に、リュック一つ分だけの荷物を背負って引き揚げ船に乗り日本へ帰ってきました。

引き揚げ船の中で誰かが亡くなると、海へ葬り、その場を旋回してゆっくり離れたこと。
帰り着いた港で、母の姉が持っていた美しい櫛を米兵に取り上げられたこと。
日本へ帰ってからの苦労と、父親の死。

そんな話を、私が小さいころからよく聞かせてくれました。
もっとたくさん聞いて記録に残しておけばよかったと悔やまれます。

「終戦の日よ」と話しかけても、もはや何の反応もない母。
母と一緒に入院している方々は、みんな戦中・戦後の厳しい時代を必死に生き抜いてこられたのだと、改めていろいろなことを考えさせられました。

その世代の高齢者が、社会から家族から忘れ去られた存在になっていることに胸が痛みます。

 

 
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