NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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失うもの 甦るもの

2010年3月30日 7:58 PM

きょうは、頭頚部のがんで手術を受けた方を訪ねてきました。
手術を受けてから2カ月近く経ちます。
当初、声を失うかもしれないし、嚥下障害が残れば流動食しか食べられないかも、と言われていたそうです。
でも、ほとんど普通に会話することができるようになり、先週からは嚥下のリハビリも始まりました。

「体の回復は実感しているけれど、気持ちはねぇ…」とうつむいたAさん。
失ったものを数える日々が続いているそうです。

帰り道で思いだしたのが、ベー・チェチョルという韓国人テノール歌手のことでした。
数々のコンクールで受賞を重ね、世界の舞台で活躍していた2005年に甲状腺がんが見つかります。
そして治療の後遺症で声を失ってしまいます。
歌手が声を失うというどん底から、手術、リハビリを経て回復。
その声は甦り、CDを出版し、遂には舞台にも復帰を果たしました。

奇跡の歌声はhttp://www.youtube.com/watch?v=qbsn5oIavuo で聴くことができます。
敬虔なクリスチャンであるベー・チェチョルさんの讃美歌は、静かに心に響きます。

きょう会ったAさんは、まだ音楽を聴く気持ちにもなれないと言っていましたが、いつか少しでも気持ちが動く日が来たら、このCDを聴いてほしいなぁと思っています。

 

 
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