NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

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子供のいる光景

2009年7月20日 8:00 PM

松山では時折雷が鳴りながら雨が続く一日でした。

7月20日というと夏休み初日…ではなくて、今年は曜日の関係でもう3日目なんだそうです。
スーパーに行くといつになく混雑。親に子供たちがくっついて来ているからなんですねぇ。思わぬ動きをする子供たちに行く手を阻まれます。

こういう光景を見るのが、ちょっと辛いです。

子宮頸がんの治療のために、33歳の時に子宮を摘出しました。
それは子供が産めなくなることを意味します。(向井亜紀さんのように代理母という選択肢もありますが、これはなかなかの荒業です)
当時は、自分の人生設計にもともと子供の存在はなかったので辛いとか悲しいとか思いませんでしたが、年齢を重ねるにつれて”子供のいる幸せな光景”というものが眩しくみえるようになりました。

がんに関係するMLの中で、メンバーに子供が生まれた記事があり、当分の間お祝いメールが飛び交いました。
子供を育てる喜び、我が子の愛おしさ、いのちの素晴らしさ…。
何だかなぁ。私のほかにも治療で子供が持てなくなった人がメンバーにいるはずなんだけどなぁ。
素直にお祝いできない自分が惨めで、情けなくて、そして自己嫌悪でした。

婦人科がん治療の後遺症の一つが、生殖機能を失うことです。
特に子宮頸がんは最近若い世代に増えていますから、子供を産む前に、もしくは結婚前に生殖機能を失うことに繋がります。
この後遺症への対処法は……自分の中で折り合いをつけていく以外にないのです。それは簡単なことではありません。

きっと、子供が持てない辛さを抱えて、夏休みの賑わいの中を耐えている人は大勢いるはずです。
少なくとも、子宮頸がんによってそんな思いをする人を減らしたい。
そんな事を考えています。

 

 
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