支える人を、支える
2009年7月16日 8:42 PM
私の母は重度の認知症で入院中です。
現在の病院に落ち着くまで、病院や施設を転々とする日々が6年続きました。そんな頃の話です。
ある日、入院していた病院へ着くと看護師長さんが話しかけてきました。
「お母さんが待ってますよ」
なんでもない一言ですが、当時の私には追い詰められるような言葉に聞こえました。
もっと早く来てあげたら?もっと長くいられないの?
そんなふうに聞こえてしまったのです。
もちろん看護師長さんにそんな考えはなかったはずです。でも心身共に疲れ果てていた私には、それだけの言葉が重く辛かったのです。
患者を支える家族の大変さを思います。
特にがんの場合は、家族は”第二の患者”と呼ばれるほど厳しい状況におかれます。
家族の方がうつになったり、重篤な病気にかかることは稀ではないそうです。
そうした家族を支える事業に、おれんじの会では取り組むことになりました。
家族が知っておくべき情報を集めた小冊子を作り、家族のための勉強会を開催する予定です。
家族が、勇気と希望を持って病気に向き合えるように。
支える人を、支えたい。
その輪が社会全体に広がってくれることが最終目標です。