NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

七夕に

2010年7月7日 9:50 PM

七夕です。
きょう四国がんセンターへ行きましたら、今年も笹飾りが準備されていました。

去年の今頃、私たちの仲間が緩和ケア病棟に入院していました。
彼女は七夕用の短冊に「きょうも楽しく、あしたも楽しく」と書きました。
そのとき既に病状は厳しく、普通なら楽しいことなんて考えられないような状況でしたが、明るく前向きだった彼女は「楽しく」と書きました。
そして、6日後に旅立っていきました。

Mちゃん、天の川の向こうの彼の地はいかがですか?
よしちゃんとにぎやかに過ごしているでしょうね。
「楽しく」という言葉を残してくれて、ありがとう。
忘れませんよ~。

 

主治医との関係

2010年7月6日 9:52 PM

きょうは朝から病院へ。
血液検査とレントゲン検査。
少し腎機能の低下がみられるものの大きな異常はみつからず、しばらく経過観察を続けることになりました。
ほっとひと安心の一方で、ではしばらく続いた嘔吐と食欲不振の原因は何なのか、ハッキリしないままです。

…私ではなく、我が家のネコのお話です。
9歳(人間だと還暦くらいだそうです)を迎えるこの夏、日に何度も嘔吐を繰り返し、食欲が急激に落ちました。
これまで食欲不振どころか、下痢も便秘も一度もなく9年間を過ごしてきただけに飼い主の方がビックリ、そしてショックでした。

いろいろなエサを買ってきて出してみてもほとんど受け付けません。
「ここが痛いから食べたくない」とか「吐き気がするから食べたくない」とか訴えてくれるわけでもなく、ただ背中を見せるだけの姿を見ていると、辛くて情けなくて、申し訳なくて…。

診ていただいた獣医さんは、生後3カ月からずっとお世話になっている「かかりつけ医」です。
避妊手術のことなど過去の経過を全部知ってくださっています。

先生が結果を細かく説明してくださり、また検査では見つけられない病気の可能性、今後注意することなどをすべて話してくださり、ようやく飼い主の方も落ち着きを取り戻すことができました。

病院から戻って、疲れたのかぐっすり眠ってその後は自分のお気に入りの場所でくつろいでいます。
何かあっても、あの先生がついていてくださると思えば大丈夫。
今夜は飼い主もちょっと安心して眠れそうです。

 

復職

2010年7月5日 10:33 PM

4月にくも膜下出血で倒れたHさんが、きょう復職しました!

入院中に贈った色紙にこう書きました。
「『おかえりなさい』この言葉を一日も早く言わせてくださいね」
あれから3カ月。

Hさんは医療職です。
病気に向き合う人の不安、孤独を体験して、以前にも増してあたたかな支援をしてくださると確信しています。
そして、その姿が病む人に勇気を与えてくれるはずです。

Hさん、おかえりなさい!

 

例会報告&学会のお知らせ

2010年7月4日 10:41 PM

きょうは7月例会でした。
テーマは「在宅医療と医療連携」
講師は、松山ベテル病院院長の中橋 恒先生。

在宅医療の話がすぐに役立たなくても、いつか必要になった時に思い出してもらえればと願っています。

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一つお知らせです。
今年10月28日~30日 京都で開かれる日本癌治療学会では、患者や支援者を対象とした特別プログラムを実施します。
学会への参加費用、交通費、宿泊費の一部を助成するスカラーシッププログラムです。
最新の研究成果やさまざまな情報を、医療者と共に学べる貴重な機会です。
興味のある方は、http://www.congre.co.jp/jsco2010/10_cancer_advocates_purokuramu.php をご覧ください。

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がんと向き合う時に、どれだけの情報を持っているかはとても重要です。
しかも多ければいいというものではなく、正しく新しい情報を選び取れなければなりません。
インターネット上には、がん患者・家族を狙う悪徳情報が溢れています。
その中から取捨選択するための知恵・知識もまた、患者・家族には求められています。

私たちの会でも、そうした情報の探し方、活かし方を提供できるようこれからも学習の場を提供していきます。

学会に参加するのも、またひとつの学びです。

どう学びますか?

 

底力

2010年7月3日 10:31 PM

ある女性患者さん。
大学病院のサロンに初めて来たとき、帽子を深くかぶりうつむいていました。
入院中は周囲に誰もがん患者がいなくて、退院したら健康な友達には病気のことを話せず、ずっと孤独だったと話してくれました。
帰るときにようやく見せてくれたぎこちない笑顔には、心細さと不安が見え隠れしていました。

治療に向き合えず、通院さえ出来ない時期もありましたが、おれんじの会で知り合った仲間が言葉をかけ続けてくれました。

そして時間が流れて…。
彼女は見事に立ち直っていました。
「自分の辛かった経験を他の人の役に立てたい」と一歩を踏み出しました。

顔をあげて満面の笑みを浮かべる横顔を見ながら、本当にあのときの患者さんかしらと疑ってしまうほどです。

人間には思いもかけないチカラが宿っているのです!

 

声のもつ力

2010年7月2日 9:58 PM

大好きな映画『紅の豚』がただいま放送中です。
森山周一郎さんと加藤登紀子さんの声があまりにもステキで、大好きになった映画です。

「声と話し方は、その人の品性と教養を表わす」と言ったのは、私が尊敬する千葉敦子さんです。
千葉さんは日本の新聞社で勤務した後フリージャーナリストとなりました。
乳がんと向き合った自身の経験を何冊もの著書で発表しています。
(この千葉敦子さんへの思いは別の機会にしっかり書きたいと思います。)

私も声を道具に仕事をする人間ですので、他人の声はとても気になります。
加藤登紀子さんのような、低く、相手を包み込むような声は憧れです。

声と話し方で、相手を癒すこともできると思います。
我が家のお隣はお年を取ったご夫婦がお住まいで、時々孫が訪ねてきます。
この孫ーと言っても20代前半くらいの大人の女性ーは、本当に明るくやさしい話し方をします。
ご夫婦は少し耳が遠いので大きな声で話しかけますから、必然的に我が家にも聞こえてきます。
「おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう。また来るね」と言う声を聞くとこちらまで慰められるようです。

彼女は看護師をしていると聞きました。
この声は、きっとたくさんの患者さんを慰め、力づけていることと思います。

さて、翻って私は最近どんな声でどんな話し方をしているか?
う~ん、何だか疲れた声で嫌な話し方をしているような気がします。
反省。
あしたの目標は、加藤登紀子さんの声!

 

親を看るということ

2010年7月1日 9:36 PM

きょうから7月。
松山は蒸し暑い一日でした。

昨日から3日間に亘って、四国がんセンターの職員研修をおれんじの会で担当させていただいています。
全職員と、病院に関係する業者の方々併せて500人近くが参加する研修です。
今年は「聴き方 伝え方」をテーマにしています。
患者・家族の声にならない声を聴きとってくださるようにと願っています。

さて、昨日からテレビを騒がせている韓国人俳優が亡くなったニュースについて。
がんと向き合っている父親の事も関係しているのでは、という一部報道がありました。
それが事実かどうかはわかりませんが、少し思うところがあります。

年を重ねて次第に弱っていく親を子どもが看るのは普通のことです。
自分が元気で、親の面倒をみられるのは幸せなことだといえるでしょう。
でも、そう頭ではわかっていても心が苦しいということもあります。

私の母は持病があり、9年ほど前から入退院を繰り返すようになり、その後認知症が重症化して現在は専門病棟に入院しています。
現在の病院に落ち着くまでは、本当に厳しい闘いの日々でした。

歩けなくなる、排泄ができなくなる、問題行動を起こすようになる…病気のせいだとわかっていても自分の親の変化を受け入れるのは簡単なことではありませんでした。
受け入れられない自分が、ひどい人間に思えました。

親戚や周囲の方から「しっかり看てあげなさいね」と言われるたびに胸にナイフが突き刺さるようでした。

病院のベッドで小さくなっていく母を残して帰る車中は、涙が止まりませんでした。

亡くなったパク・ヨンハさんが、前夜父親の身体をさすりながら「ごめんなさい」と言っていたと聞きました。
彼の気持ちが、少しわかる気がします。

 

 
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