NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

冬景色に思うこと

2012年12月10日 9:49 PM

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庭のモクレンの木です。
ここ数日の強い風で、根元は落ち葉の山になっています。
寂しくなった枝先を見ると、小さな蕾が!
冬景色の中、いのちが受け継がれているのを実感しました。

さて、勘三郎さんの訃報がズシリと胸にこたえています。
一度だけ「東海道四谷怪談」を観たことがあります。熱心なファンだったわけではありません。
それでも喪失感が強いのは、思いがけず早過ぎる旅立ちだったからでしょうか。

テレビ局でいろいろな追悼番組が放送されています。
昨日は『俊寛』の一場面を見ました。
先代である父親の最後の舞台となった『俊寛』を、受け継ぎ演じたときの、まさに鬼気迫る演技。
去っていく仲間に向かって叫ぶ最後のセリフは「未来で…」です。

別れのその先にあるもの。
受け継がれるものもあり、新しく生まれるものもあり。

 

ピアサポート研修

2012年12月9日 10:10 PM

前回の書き込みから1週間が過ぎてしまいました。

この間に一気に寒さが厳しくなりました。
特に今夜は冷えています。

さて、昨日ときょうの2日間『ピアサポート研修』を開催しました。
毎年、愛媛県からの委託を受け開催しているものですが、今年ははじめて2日間連続のプログラムでした。

師走に入って丸2日間の開催。
果たして何人の方が参加してくださるのかと心配でしたが、ふたを開けてみればほぼ定員の47人の参加でした。

中には、宇和島から泊りがけで参加してくださった方もありました。

医師、看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーなど専門職による講義に加え、産業カウンセラーの資格をもつわたしたちの仲間によるロールプレイングも行い、充実した内容となりました。

一緒に学んだ仲間とともに、これからもピアサポートに励んでいこうと気持ちを新たにした2日間でした。

 

今年最後の例会

2012年12月2日 10:28 PM

12月に入りました。
途端に寒さが厳しくなり、今年初めてダウンコートの出番となりました。

そして、きょうは今年最後のおれんじの会例会。
昼前に雨まで降り出し、どれだけの方が来て下さるか心配でしたが、それでも30人近くが参加してくださいました。

愛媛大学病院のスタッフのみなさんによるトーンチャイムの演奏。
医学部奇術部のお二人によるマジックショー。
その後は、お菓子をつまみながらの交流会でした。

この1年のそれぞれの思いを語り合いました。
涙あり、笑いあり。

次回は1月13日に例会を開きます。
すい臓がんに向き合っている仲間から、病気への向き合い方などについて話を聞く予定です。

 

医療の質

2012年11月24日 7:12 PM

東京では、さきほど震度4の地震がありました。
発生から1時間以上が経過したのですが、宿泊先のホテルのエレベーターがすべて停止したまま。
食事に出かけることも出来ず、ルームサービスを取ることもできない悲しい状況が続いています。
正面には東京タワーの美しい夜景が見えますが、空腹を抱えたままです・・・。
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さて、昨日、きょう「医療の質・安全学会」に参加し、患者・家族の立場から発表する機会をいただきました。

「医療の質」を測る方法については、さまざまな研究が行われています。
その指標は、患者・家族にとってどうあるべきか?

まず、患者・家族が使えるものであってほしいと思います。
そのためには情報が公開されることと、同時に、公開された情報を間違いなく理解するための助けが必要です。

そして、指標の基準は治癒や生存率だけでなく、病気を抱えて生きる人をどう支えているかを見るためのものでもあってほしいと願います。

こんなことを述べさせていただきました。

もう一つのセッションでは、ピアサポートの質と安全についても意見を述べさせていただきました。
活動の透明化、他機関との連携、評価の仕組みつくり
こうした事が今後必要になってくると思います。

いずれにしても、質の高い医療を受けるためには、わたしたちも学ぶことが必要ではないでしょうか。

 

年末へ向けて

2012年11月21日 10:58 PM

気がつけば、街にはクリスマスのイルミネーションがきらめく季節になりました。

年末へ向かって、いろいろな事が加速してきているようです。

定期的に開かれている会議は、年内分がこれから追い込みです。

学校からご依頼をいただく「いのちの授業」も、12月だけで3校。

ともかく体調を崩さないこと。

あ、インフルエンザの予防接種をしなければ!

そんなわけでバタバタしていますので、細かな活動報告が積み残しになっております。
スミマセン。

 

病気になったら

2012年11月18日 8:19 PM

こんな詩を見つけました。

  病気になったら

 病気になったら どんどん泣こう
 痛くて眠れないといって泣き
 手術がこわいといって涙ぐみ
 死にたくないよといって めそめそしよう
 恥も外聞もいらない
 いつものやせ我慢や見えっぱりを捨て
 かっこわるく涙をこぼそう
 またとないチャンスをもらったのだ
 自分の弱さをそのまま受け入れるチャンスを

 病気になったら おもいきり甘えよう
 あれが食べたいといい
 こうしてほしいと頼み
 もうすこしそばにいてとお願いしよう
 遠慮も気づかいもいらない
 正直に わがままに自分をさらけだし
 赤ん坊のようにみんなに甘えよう
 またとないチャンスをもらったのだ
 思いやりと まごころに触れるチャンスを

 病気になったら 心ゆくまで感動しよう
 食べられることがどれほどありがたいか
 歩けることがどんなにすばらしいことか
 新しい朝を迎えるのがいかに尊いことか
 忘れていた感謝のこころを取り戻し
 この瞬間自分が存在している神秘
 見過ごしていた当たり前のことに感動しよう
 またとないチャンスをもらったのだ
 いのちの不思議を味わうチャンスを
 ‥‥‥

まだ続くのですが、長いのでこのあたりで。

晴佐久昌英さんの「だいじょうぶだよ」という詩集の中のひとつです。

 

夢の治療薬…?

2012年11月17日 11:34 PM

18日夜9時からのNHKスペシャルは「がんワクチン」の特集です。
詳しくは http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1118/index.html

「夢の治療薬」
このキーワードは、魅力的に響きます。

大きな期待をもって番組を楽しみにしている方は多いと思います。

どこまで研究が進んでいるのか?
有効性と安全性はどうなのか?
それを冷静に見極めることが大事です。

忘れてならないのは、最良の治療法は、「最新の治療」ではなく「標準治療」であるということ。

「夢」は病気を治してくれないのです。

 

真摯であること

2012年11月15日 10:02 PM

急に冬本番がやって来たような寒さです。
オイルヒーターにストーブ…あわてて引っ張り出しました。

昨日訃報が伝えられた森光子さん。
きょうのワイドショーは、こぞってこの話題でした。

その中で、森さんが司会を務めていた番組でのエピソードが紹介されていました。
森さんが田中角栄元総理大臣にインタビューした際、田中氏が涙をこぼしたそうです。

「テレビに出ると、大抵の聞き手は何か魂胆をもって質問してくる。わたしを怒らせようととする。でも、あなたは本当に真摯に聞いてくれた」
そう言って涙を流したそうです。

真摯に聞く。
相手に対してどれだけ真摯になれるか?

とても大きな示唆をもらった気がしました。

改めてご冥福をお祈りします。

 

父はカッコよかった

2012年11月13日 9:36 PM

きょうは父の命日です。
28年が過ぎました。

当時、病気のことを医師や看護師に尋ねることなど思い付きもしなかったので、父の病状が悪化していく様子に、家族は右往左往するだけでした。

結局、大事な話を何もしないまま旅立っていきました。
死顔は正視できないほど醜いものでした。

そのことがずっと心に突き刺さったままだったのですが
最近になって、わたしの心に変化がありました。

それは、父は父なりに病気に向き合い生き抜いたのだと思えるようになったことです。

本当の病名を知らなくても
家族に何も言い残せなくても
父は最後まで力の限り生き抜いたのです。

お父さん、カッコいい生き方だったねと、28年経ってようやく言えるようになりました。

 

求められていることは?

2012年11月12日 10:38 PM

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羽田空港のクリスマスツリーです。

昨日は、国立がん研究センターなどが主催する『がん医療フォーラム』で、患者・家族の立場からお話する機会をいただきました。

このフォーラムは、医療者や患者・家族に加え、死生学の研究者も加わるというちょっと異色のものでした。
在宅緩和ケアのこと、看取りのこと、患者・家族を支える仕組みのことなどについて、それぞれの立場からの話とディスカッションが行われました。

雨模様にもかかわらず500人近い参加者。
みなさんの期待に応える話ができたのかどうか…。
いつも、終わった後で思い悩みます。

フォーラムの模様は、後日webで公開されるそうですので、改めてご案内いたします。

そして、松山へもどって今夜はおれんじの会の理事会。
今後の運営について話し合いました。

どうすれば、いましんどい思いをしている方たちに寄り添えるのか?
何が求められていることなのか?
常にそこに立ち返って話し合える仲間がいることに感謝です。

 

 
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