どう伝えるか?どう聞き取るか?
2015年3月12日 9:42 PM
ここのところ、患者・家族と医療者とのコミュニケーションに関して考える機会が続いています。
7日に開催されたチーム医療を考える研究会
8日に開催された市民公開講座
そして、6月の緩和医療学会に登壇依頼のあったセッション。
どれも「患者はどうやって痛みや思いを伝えるか?」
「医療者はどうやって、患者の痛みや思いを聞き取るか?」がテーマです。
医療者が一方的に治療を施すだけでなく
患者や家族の希望を反映し、
共に考えながら治療法を決定していくことが重要だということが
ようやく表舞台で語られるようになってきました。
そこで問題になるのが
患者、家族はどう伝えればいいのか?
医療者はどう聞き取ればいいのか?ということです。
主治医だけでなく、看護師や薬剤師が病状や治療法について話をすることが
診療報酬上認められるようになったり
つらさや不安についてスクリーニングすることが求められるようになったり
いろいろなシステムが整ってきつつあります。
わたしたち患者、家族にも
自分の治療や生き方の希望を考え、整理し、それを言葉にして伝えることが求められる時代です。
病気になってから「さぁ、自分の生き方は?」と考えるのは難しいです。
なんでもないときから考え、家族と話し合い、
第三者に伝える練習をしておく必要があると思います。
先日松山で開かれた市民公開講座の様子が愛媛CATVで放送されます。
「どう伝えるか?」を考えるヒントが得られるかもしれません。
3月14日(土)午前10時30分~ 放送予定です。
わたしたちに出来ること
2015年3月11日 10:47 PM
3月11日です。
4年前のあの日、自分は何をしていただろうかと振り返る人も多いと思います。
わたしは、大学病院でのサロンの最中でした。
終わって帰るとき、車のラジオで地震を知りました。
後に、被災地でがん患者さんたちがどんな状況だったのかを聞きました。
避難所の体育館の片隅で治療を受けた人。
ウイッグも帽子も流されて、そのままの姿で避難所暮らしをしなければならなかった人。
必要な薬が手に入らなかった人。
どれほど過酷な状況だったか、想像もできません。
病院や薬局が被害を受ければ、カルテなどの治療記録が失われます。
震災の教訓として、そうした記録を遠隔地のサーバーに事前に避難させる取り組みも始まっているそうです。
システムの構築も重要ですが
私たち自身にもできることがあります。
自分の病名、受けている治療、使用している薬剤名
最低限これだけは自分で説明できるようにしておくこと。
患者として、家族として
自分たちに出来ること、すべきこととして考えておきたいものです。
がん治療と食事について
2015年3月3日 8:04 PM
3月3日、桃の節句です。
暦の上ではどんどん春が進むのですが、きょうの松山は冷たい雨でした。
一昨日の話になりますが
例会は「がんの治療と食事」をテーマに勉強会を開催しました。


講師は四国がんセンター管理栄養室長の河内啓子さんです。
河内さんが繰り返し指摘していたのは
「『~なければならない』と考えないこと」でした。
体力を取り戻すために「食べなければならない」
元通りの食生活に「戻さなければならない」
バランスの取れた食生活を「しなければならない」
※※を「摂ってはならない」
・・・・・・自分や家族を縛り付けず「我慢せず、自分のペースで」が一番だそうです。
治療中の食事について悩みがあるときには
病院で「栄養士に相談したい」と言ってみるのも一つの方法です。
ネットや本で情報を探すのも悪くはありませんが
自分の治療法や副作用を伝え、一緒に考えてくれるのは、身近な栄養士だと思います。
さて、おれんじの会 次回勉強会のテーマは
「がん治療へのさまざまな支援」です。
高額療養費制度をはじめ、経済的な支援制度や
病院でのサポートなどについて勉強する予定です。
仲間の作品展@東京
2015年2月28日 9:22 PM
きょうは、東京大学で「PCAPS(患者状態適応型パス)研究会」の今年度最終シンポジウムでした。
医療提供のプロセスを可視化、構造化する取り組みで
医療の質と安全の保証を実現する目的で研究が続けられています。
悪性リンパ腫の患者団体、一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン理事長の
天野慎介さんと共に”患者班”として、この研究に参加しています。
医師中心に行われている研究に、患者の視点を組み込むための取り組みが
このような領域でも始まっています。
いずれ、このブログでも詳細をご紹介できればと思います。
さて、きょうは、わたしたちの仲間の作品展の紹介です。
このHPトップページでご紹介しているオリジナルカレンダーのイラストを提供してくれている
内藤あゆ美さんと、お母さまの二人展「今日もありがとう 2015」です。
内藤さんのブログ『あゆみのじょんのび日記』http://blue.ap.teacup.com/sonoayumi2/ に
作品展の様子が紹介されていますのでご覧ください。
3月16日まで。
京王線千歳烏山駅近くの、コミュニティカフェななつのこ が会場です。
わたしも一度お邪魔したいと思っています。
国会がん患者と家族の会
2015年2月25日 9:03 PM
松山では、きょうから「椿まつり」が始まりました。
旧暦の1月7日~9日にかけて開かれるので、
この時期が最も寒く、終われば春が来ると言われています。
今週で2月も終わり。
早く暖かくなってほしいものです。
さて、昨日は「国会がん患者と家族の会」総会でした。
がん対策を協議する議員連盟で、超党派で議員が参加しています。

今回のテーマは「がん対策基本法」の見直しについて。
2006年に制定された基本法が、まもなく10年を迎えるにあたって
必要に応じて内容の見直しをすることを検討しているとのことで
厚生労働省からこれまでのがん対策や、現在の検討事項などの説明があり
その後、わたしたち患者団体からも意見を述べました。
・がん患者の就労を含む社会的な問題
・がんの研究、薬の開発
・小児がんへの対応
・がん教育
・地域で患者や家族を支える仕組み
このような意見を出させていただきました。
基本法制定に尽力された民主党 山本孝史議員は
「救える命を救うために」という姿勢を貫かれました。
その志を忘れることなく、わたしたちも取り組んでいきたいと思います。
がんの治療と食事 講演会開催します
2015年2月23日 9:48 PM
ある患者さんからメールがきました。
抗がん剤治療の副作用で味覚障害が出て困っていたところ
食事に行った回転ずしのお店で、ウナギ用の甘いタレを他のものにもかけてみたら
おいしく食べられたとのことでした。
がんの治療を受けるとき、さまざまな形で食事の問題が起こります。
消化器の手術を受けると、「食べられない」「逆流してくる」という症状が出る場合があり
抗がん剤治療の副作用で、口内炎や味覚障害に悩むこともあります。
患者だけでなく、食事の用意をする家族にとっても
「なかなか食べてくれない」「味覚が変わったようで、どう料理すればいいのか」など
対応の難しさを感じることがあります。
そんな「がん治療と食事」について勉強会を開催します。
3月1日(日)午後1時30分~午後3時(終了予定)
愛媛県総合保健協会 9階会議室(松山市味酒町)
どなたでも参加できますが、参加費として500円が必要です。
講師は、四国がんセンター管理栄養室長の河内啓子さん。
おだやかな口調で、わかりやすくお話してくださいます。
ぜひご参加ください。
患者の選択を支える
2015年2月21日 11:18 PM
きょうは、乳がんの治療にあたっている医師の勉強会に参加させていただきました。
近い将来の治療の在り方を考える勉強会で
「患者の選択をどう支えるか?」も一つのテーマでした。
どれだけ情報を提供するか?
その情報に、「治らない」「命にかかわる事態も想定される」ことが含まれるとき
どう伝えるのか?
患者の希望をどう聞き取るか?
価値観を共有するにはどうすればいいのか?
臨床心理士や看護師などチームで対応する取り組みや
患者が思いを記録して、それを医師と共有する提案などが紹介されました。
多忙を極める臨床現場で、医師がじっくり時間をかけてコミュニケーションをとるのは
現実では決して容易なことではありません。
それでも、参加している医師のほとんどが
誠実にこのテーマに向き合おうとしていることがよくわかりました。
近い将来、治療成績が向上するのとともに
患者と医師がしっかり価値観を共有し、”共に歩んでいく”医療が実現できることを
心から願っています。
ところで
出張で利用する松山空港に、最近こんなモノが…

「蛇口からポンジュース」のオブジェです。
これだけでなく、空港のあちこちからほのかにみかんの香りも漂います。
松山空港へお越しの方は、どうぞお楽しみに~。
家族は「第二の患者」
2015年2月19日 9:54 PM
日差しは日に日に明るさを増しているように感じますが
まだまだ空気が冷たいです。
さて、今週土曜 21日には「ご家族と友人のためのサロン」を開催します。
「家族は第二の患者」と言われます。
患者本人とは違う痛み、不安を抱えます。
わたしたちがお世話になっている緩和ケア医の大中俊宏先生によれば
家族に先に「こころ」や「からだ」の疲れが出てしまうことがよくある、のだそうです。
それでも、なかなか周囲に相談できず自分だけで抱えてしまうことが多いのです。
「一番つらいのは本人」
「わたしがしっかりしなければ!」
それは家族だけでなく、近くで支えている友人や恋人も同じです。
そんな方たちのためのサロンです。
同じ経験をしたピアサポーターがお待ちしています。
お気軽にお立ち寄りください。
松山市議会 がんを考える会
2015年2月16日 9:38 PM
きょうは、松山市議会議員のみなさんの「がんを考える会」で
話題提供をさせていただきました。
がん対策に関心を持ってくださった議員の呼びかけで
党派を超えて集まって考えようという会の、記念すべき初回です。
わたしの経験、2010年に実施したがん患者満足度調査の結果
国のがん対策や愛媛県の取り組みなどをご紹介したうえで
松山市の対策に望むことをお伝えしました。
それは「生活」への視点をもった対策です。
1.がん教育
2.女性のがんへの対策
3.小児がん対策
議員のみなさんからは多くのご質問もいただき
とても有意義な時間になりました。
これをキッカケに、松山市でのがん対策が動き始めることを期待しています。
お忙しい中出席くださった議員有志のみなさんとの記念撮影です。
貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

乳房再建を考える
2015年2月15日 7:57 PM
町なかサロンでは、週末にさまざまな特別企画を実施しています。
きょうは「乳房再建を考えるサロン」
四国がんセンター 形成外科の河村 進先生を講師にお招きし
勉強させていただきました。
2013年にシリコンインプラントを使った再建手術にも保険が適用になり
再建を考える患者さんが増えているそうです。
それ以前から保険適用だった自家組織(体の一部の組織)を使った再建と併せて
選択肢が増えたのは喜ばしいことですが
それぞれの手術法についてのメリット、デメリットを知っておくことが重要です。
シリコンを使う場合、新たな傷を作ることなく
手術時間も入院期間も短くて済むメリットがありますが
柔らかさに欠け、まれに異物反応を起こすこともあるそうです。
一方の自家組織を使う場合は、組織をとるために背中やお腹などを切る必要があり
手術時間は長く、入院期間も長くかかります。
しかし、柔らかくあたたかな乳房を作ることができます。
そのほかにも、全身状態や乳がんの治療方法によって適切な方法は異なるので
十分に症例を積んでいる専門医に相談することが大事です。
きょうのサロンには、2つの方法それぞれの経験者も参加していて
実際の大変だったことや、良かった点などについて話をしてもらうことができました。
そのうちのお一人の言葉。
「毎朝、着替えるたびに気分が沈んでいた。
再建をして、前向きな気持ちになれたのはとても大きい。
治療は痛みが伴うけれど、その痛みさえもうれしく感じられる」
別の再建経験者は
「手術後の痛みや不自由さなど、大変なこともたくさんあった。
本当に再建したい!という覚悟が必要」と話してくれました。
乳房再建をしない選択肢も、もちろんあります。
ある調査で、再建しない理由として
「この病気があったから、今の自分がある。
病気を忘れないためには、この傷はなければならないから」と答えた方があったそうです。
選択肢が増えた分、悩むことも多くなります。
納得いく選択をするために
医療者に十分に説明を受け、しっかり考えることが必要です。
医療者には、ゆっくり丁寧に情報提供し、サポートする態勢を望みたいものです。

