撮影快調!
2010年4月6日 8:53 PM
松山ベテル病院、左手に満開の桜が見えます。
小高い所にありますので、市内中心部より少し遅れてきょうがまさに満開でした。
いま、ベテル病院の取り組みを紹介するDVDの制作を行っています。
手前はカメラマンです。
ベテル病院は、愛媛で最初のホスピス病棟を2000年に開設しました。
それに先立つ1991年から、在宅で過ごす患者・家族を支えることにも取り組んでいます。
こうした取り組みを多くの方に知ってもらうためのDVD制作です。
病院から、こんなDVDを作りたいとご相談を受け、それは是非患者・家族の視点を取り入れて作らせていただきたいとおれんじの会でお手伝いすることになったのです。
プロの業者に依頼して去年秋から撮影を始め、患者さんやご家族のご協力をいただきながら病棟での様子、訪問診察・看護の様子などを取材しきょうが最後のロケでした。
来週には完成する予定です。
DVDは県内の医療機関などに配布し、関心のある方に見ていただき病気との向き合い方の選択肢として考えてもらうことにしています。
ホスピス病棟ではどんな医療が行われるのか?
在宅でどんなことが出来るのか?
映像を通して、より理解を深めていただけると思います。
がんは突然やってきます。
あれよあれよと言っているうちに治療は進みます。
ある段階で、「治療」と「自分らしい生活」とのバランスを考える時には様々な選択肢を持っていることが望まれます。
その一つになるように、これから仕上げに取り組みます。
四国がんセンターでの職員研修
2010年4月5日 10:55 PM
桜の花びらが風に舞い始めた松山です。
きょうは、四国がんセンターにこの春採用された職員を対象にした接遇研修でした。
身だしなみ、言葉遣い、電話応対など接遇の基礎の基礎を学ぶ研修です。
昨年の全職員研修に続いて、おれんじの会が担当させていただきました。
長く人材教育の仕事に携わっている副理事長のスキルに加え、患者・家族の視点を取り入れた研修を行っています。
きょう受講した新人職員の大半は看護師でした。
以前、ある病院の看護部長さんから新人看護師の1年以内の離職率が極めて高いと聞いたことがあります。
正確なところを忘れましたが、3割に届くような数字だったように思います。
肉体的に重労働であること、精神的にキツイこと、理想と現実のギャップ…。
それに加えて、いわゆるモンスターペイシャントと呼ばれる無理難題を押し付ける患者・家族によって追いつめられるケースが最近増えてきているそうです。
悲しいことです。
きょう研修で出会った看護師のみなさん。
決して楽な道ではないと思います。
でも、ギリギリのところでがんと向き合っている患者・家族の多くは、みなさんの笑顔や、背中にそっと添えてくれる手の温もりに癒され勇気を得ているのです。
看護の道を志した日の思いを忘れず、私たちに寄り添い続けてくださいね。
泣く場所
2010年4月4日 9:18 PM
きょうは24回目の例会でした。
年度初め、しかも絶好のお花見日和にもかかわらず35人の方が参加してくださいました。
今回から、分科会「ピアルーム」をスタートしました。
これは、愛する人を見送った経験者を中心とする会です。
おれんじの会には、遺族の立場で入会なさったかたが少なくありません。
また、入会した後で残念ながら大切な人を見送ったかたも増えてきました。
実は、遺族として参加しているかたの中には「自分がここにいていいのだろうか?」「いま治療に向き合っている人に嫌な思いをさせていないだろうか?」と心配するかたが多いのです。
中には、「自分自身が辛くなるから」と足が遠のいてしまった方もありました。
そんな事情もあって、分科会という形で活動してみることになったのです。
きょう「ピアルーム」に参加したかたは13人。
涙、涙、涙…。
ときには笑い声も聴かれました。
会が終わるまでどなたも帰ることなく、語り合いが続きました。
今後どういうふうに運営していくのか細かな心配りが必要ですが、少なくとも”思いきり泣ける場所”を提供していければいいなぁと思っています。
「ピアルーム」は今後2カ月に一度(原則偶数月の第一日曜)の例会時に開催する予定です。
あすは例会です
2010年4月3日 10:14 PM
よく晴れて暖かで、絶好のお花見日和でした。
衣替えを済ませ、冬物をクリーニング店へ。
衣替えのときにいつも思い出すことがあります。
治療を続けていた頃、季節の服を仕舞うときに「もう一度このコートを着ることがあるのかなぁ」と思っていました。
いまになって考えれば大袈裟な感傷ですが、当時は3カ月先の事さえも考えられなかったものでした…。
さて、何度かご紹介してきた「愛媛県がん対策推進条例」が、愛媛県のHPにupされました。
http://www.pref.ehime.jp/h20180/gan_iryou/index.html
一度お読みになってみてください。
そして明日は例会です。
詳しくはトップページの活動予定をご覧ください。
ご参加をお待ちしております!
例会にほとんど皆勤だったNさん。
3月に旅立っていかれました。
「もう一度野球拳が見たい」とおっしゃっていたそうです。
きょう開かれた野球拳大会を、会場のどこかできっと見ていらしたことと思います。
あすの例会でも、あの大きな声が聞こえるかも…?!
治療費が変わった?!
2010年4月2日 8:37 PM
4月1日から変わったものの一つが、診療報酬です。
今年は2年に一度の診療報酬改定にあたります。
窓口での支払い額の変化に気付いた方もあったかもしれません。
がん医療に関するもので、いくつか新しい項目があります。
「がん患者カウンセリング料」「がん患者リハビリテーション料」などです。
詳しくは、『がんナビ』http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/4_10.html をお読みください。
がん領域では診療報酬の一部が引き上げられ、つまり私たちの窓口での支払い額も増えることになりました。
患者の負担が増した分、受ける医療の質の向上につながらなければ困ります。
そのためには、私たち当事者が主体的に医療に目を向け、考え、行動していく必要があるでしょう。
花に嵐
2010年4月1日 11:53 PM
外は強い風が吹き、時折雨の音も混じって聞こえます。
ふと「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」というフレーズが思いだされました。
きっと誰でも一度は耳にしたことがあるでしょうね。
果たしてだれの言葉でどんな意味があるのか、ネットで調べてみました。
晩唐の詩人の詩を井伏鱒二が和約したものだそうです。
嵐の前に散っていく桜に、いつかは終わりのくる人生を思い、だからこそいまこの時を大切に…。
大急ぎでネットで調べたところでは、そんな意味のようです。
松山の桜の名所のひとつ石手川沿いの桜はほぼ満開。
今夜、花見用に明かりが灯されてはいるものの荒天で誰もいない静けさの中で、ただ桜が風に揺れていました。
こんな風景を見られるチャンスはなかなかありません。
帰りのタクシーの中から千載一遇の機会に感謝しつつ花見をさせてもらいました。
幸せなひとときでした。
外来縮小と閉院
2010年3月31日 11:46 PM
きょうで3月が終わり。
年度末です。
私も朝から支払いやら各種手続きやらに追われましたが、とりあえず一段落しました。
年度変わりは人の異動の時期でもあります。
四国がんセンターでは、消化器内科の医師が異動することになり減員となってしまうそうです。
ホームページに「消化器内科外来縮小のお知らせ」が掲載されていました。
医師不足の波は、四国のがん医療の要であるがんセンターにも及んでいるのです。
同じ愛媛県内では、きょう県立三島病院が閉院し、公立学校共済組合四国中央病院へ移譲されます。
ニュースによれば、引き継ぎが間もなく4月1日0時から行われるそうです。
地域の医療はどうなっていくのか?
しっかり見守っていかなければなりません。
失うもの 甦るもの
2010年3月30日 7:58 PM
きょうは、頭頚部のがんで手術を受けた方を訪ねてきました。
手術を受けてから2カ月近く経ちます。
当初、声を失うかもしれないし、嚥下障害が残れば流動食しか食べられないかも、と言われていたそうです。
でも、ほとんど普通に会話することができるようになり、先週からは嚥下のリハビリも始まりました。
「体の回復は実感しているけれど、気持ちはねぇ…」とうつむいたAさん。
失ったものを数える日々が続いているそうです。
帰り道で思いだしたのが、ベー・チェチョルという韓国人テノール歌手のことでした。
数々のコンクールで受賞を重ね、世界の舞台で活躍していた2005年に甲状腺がんが見つかります。
そして治療の後遺症で声を失ってしまいます。
歌手が声を失うというどん底から、手術、リハビリを経て回復。
その声は甦り、CDを出版し、遂には舞台にも復帰を果たしました。
奇跡の歌声はhttp://www.youtube.com/watch?v=qbsn5oIavuo で聴くことができます。
敬虔なクリスチャンであるベー・チェチョルさんの讃美歌は、静かに心に響きます。
きょう会ったAさんは、まだ音楽を聴く気持ちにもなれないと言っていましたが、いつか少しでも気持ちが動く日が来たら、このCDを聴いてほしいなぁと思っています。
花冷え
2010年3月29日 10:51 PM
帰り道、空を見上げるととても美しい月がかかっていました。
しばし、うっとり。
親につけてもらった名前は「太陽の子」なのですが、昔から月の美しさに心惹かれます。
八分咲きほどになった桜と月のすばらしい組み合わせで、花見にはピッタリのはずですが、ともかく寒いです。
花冷えを通り越した寒さです。
このところの気温差で体調を崩す人も多く、高知「一喜会」の”鉄人”安岡さんも風邪を引いたそうです。
電話がかかってきたらひどい鼻声でした。
それで何の用事かと思えば
「四国の患者会で一度集まってみようよ」という話。
どんなに体調が悪くても、先のことを考えている姿はやはり”鉄人”です。
考えてみれば、私もしばらく風邪を引いていません。
「いま風邪を引くわけにはいかない!」と、ちょっと体調が悪いとユ●ケルを飲んで乗り切ってくることができました。
でも、苦手な帳簿つけなんてしていると、そのうち熱が出るかも?!
年度末に
2010年3月28日 9:09 PM
怒涛の週末が終わりました。
金曜には東京で勉強会、土曜は松山で患者サロンについて考える講演会、そしてきょうは「ピアサポーター養成セミナー上級編」でした。
年が明けてからのスケジュールはとても厳しく、「間に合わないかもしれない…」と夜中に冷や汗をかいて胸が苦しくなるような思いを何度もしました。
綱渡りで、周囲の方々にご迷惑をおかけしながらではありましたが、ともかく大過なく予定をこなすことが出来ました。
感謝です。
おれんじの会設立から2年、NPO法人になって1年。
とにかく何でもやってみようと無我夢中で走り続け(しかも暴走)てきました。
いろいろなことにチャレンジしてみて、本当に腰を据えて取り組むべきことは何かが少し見えてきた気がしています。
2月例会で会員のみなさんからいただいたご意見を基に、理事会でしっかり話し合ってこれからの計画を練ろうと思っています。
あすから3日間は数字とにらめっこです!