人の手のあたたかさ
2015年2月7日 10:06 PM
きょうの町なかサロン特別企画は「タクティールケア」。
スウェーデンで生まれたケアで
手を使って、相手の背中や手足をやわらかく包み込むように触れるものです。
愛媛で活動しているタクティールケア研究会の方をお招きしました。
ゆっくり時間をかけて、そっと触れること。
それがポイントだそうです。
背中だけで約10分間、ゆっくり丁寧に全体に触れていきます。
摩擦も何も起こしていないのに
される側の背中も、する側の手もポカポカとあたたかくなってきて
おだやかな気分になっていきます。
まさに「手当て」の原点の体験でした。
参加者の中に、医学部に進む高校3年生がいました。
夜になって届いたメールに
「直接触れることのパワーを知ったことは将来役に立つのではないか」と書いてありました。
人の手のあたたかさ。
家族でも、医療者でも、どんな関係であっても
そのあたたかさは大きな力をもたらしてくれるはずです。
大洲でのサロン
2015年2月6日 6:38 PM
きょうは日帰り出張です。
週末、最終便近くの空港はビジネスマンであふれています。
さて、このブログでもご案内していた
大洲・八幡浜地域での初めてのサロンを、昨日開催しました。
どのくらいの方が参加してくださるのか不安でしたが
10人もの方が来てくださいました。
どうしても前向きになれないときの心の切り替え方や
家族としてどうサポートすればいいのか?など
いろいろな話に花が咲き、あっという間に1時間30分が過ぎました。
「こういう場所を待ち望んでた」
「ひさびさに笑った…」
帰り際にそう言ってくださる方もありました。
会場となった大洲市は、松山から車で1時間足らず、JRなら30分ほどの距離です。
それでも、体調が十分でなければ移動は負担です。
通院するだけで精一杯で、松山のサロンに行くのはとても無理、ともおっしゃっていました。
やはり、それぞれの地域で気軽に行ける場所に
しんどさや孤独を吐き出して、仲間と泣いたり笑ったりできる場所が必要なのだと
改めて強く感じました。
大洲の喜多医師会病院でのサロン、次回は3月10日 14:30~ 開催予定です。
がんプロフェッショナル養成
2015年2月4日 10:48 PM
きょうは岡山へ。
写真は、岡山大学医学部の敷地に建つJホール。
ガラス張りの素敵な建物です。
ここで、「中国・四国高度がんプロ養成基盤プログラム」の外部評価委員会が開かれ
委員の一人として参加させていただきました。
「がんプロ」は、文字通りがん治療のプロフェッショナルを養成するために
文部科学省が取り組んでいるものです。
中四国の取り組みの詳細は http://www.chushiganpro.jp/ をご覧ください。
薬物療法や外科、薬剤師や看護師などさまざまな職種の養成の取り組みが報告されました。
中には、全国で唯一、徳島大学が設けている「がん専門栄養士」養成のためのコースもあります。
それぞれの分野で熱心な取り組みと、相当の成果があがっていることが報告されました。
中四国の医学部で育ったがん治療のプロフェッショナルが地域に根付き
地域の患者・家族の治療、療養生活に役立ってこそのプログラムです。
単に、専門資格を何人取得したということでなく
真に患者・家族のために、という視点を失わずに、更なる展開を期待したいと思います。
愛媛がんフォーラム
2015年2月3日 9:36 PM
きょうは節分。
母が節分の夜にずっと守っていた習慣があります。、
家族それぞれの歳の数だけの大豆を白い紙に包んで、
十字路に置いてくるというものです。
そうすると1年間災難を逃れるのだと言っていました。
節分の翌朝、家の近くの十字路にはいくつかの白い包みが残されていましたので
我が家と同じ習慣を守っている家があったのだと思います。
最近の主流は恵方巻のようですが…。
さて、トップページのイベント情報にチラシを掲載してご紹介しているとおり
8日(日)に、愛媛のがん対策を考えるフォーラムが開催されます。
2部構成で、前半では在宅での緩和ケアについえ考え
後半では広くがん対策全般についてディスカッションする予定です。
後半の基調講演は、参議院議員の三原じゅん子さん。
「守りたい いのちを懸けて」と題してのお話です。
誰にとっても他人事ではない「がん」
がんになっても安心して暮らせる愛媛であるためにどうすればいいのか?
みなさんとご一緒に考えたいと思います。
大洲でのサロン開催!
2015年2月1日 8:40 PM
2月です。
青空が広がったものの、寒い寒い一日でした。
きょうは例会、交流会でした。
寒さの影響もあるのか、参加者は少なかったのですが
初参加の方が二人。
そのうちのお一人は、2時間近くかけて来てくださいました。
ここには詳しいことは書きませんが、似た立場の人とおしゃべりをして
帰り際に「来た甲斐がありました」と言ってくださいました。
こういう場を開いていてよかったと思える瞬間です。
2月5日(木)に大洲市でサロンを開催します。
大洲・八幡浜地域には、国が指定するがん診療連携拠点病院も
県が指定するがん診療推進病院もありません。
そのため、患者さんやご家族が集う場=サロンも開催されたことがありません。
そこで、わたしどもが「出張サロン」を開催させていただくことになったのです。
大洲市の喜多医師会病院がご協力くださることになりました。
病院2階の健診センターで、午後2時30分~午後4時までの予定です。
お近くにお住まいの方で、ほかの患者さんやご家族とおしゃべりをしてみたい方
情報交換をしたい方…
がん患者さん、ご家族、ご友人など病気に向き合っている方であれば
どなたでも参加いただけます。
おいしいお茶とお菓子も準備しています。
わたしどもピアサポーターがご一緒にお話しをさせていただきます。
これまで何度も「大洲や八幡浜でこういう場所があればいいのに」という声を聞いてきました。
お待たせしました。ようやく実現です。
仲間と一緒におしゃべりをしませんか?
どうぞお気軽にお越しください。
梅一輪
2015年1月25日 10:33 AM
我が家の今年初めての白梅です。
他はまだ固い蕾ですが、一輪だけ咲いてくれました。
『梅一輪一輪ほどの暖かさ』
毎年この時期になると思い出す句です。
きょうは、町なかサロンでは句会を開催します。
自由に句を詠みながら、
日ごろの悩みや楽しみなどを語り合う人気の企画です。
午後1時から3時まで開催しています。
お気軽にどうぞお越しください~
仲間だから語り合えること
2015年1月15日 9:56 PM
きょうは四国がんセンターの「ひまわりサロン」でした。
患者さんやご家族など当事者だけで語り合うサロンで
ピアサポーター(患者や家族として病気に向き合った経験があり、一定の研修を受けています)が
運営をお手伝いさせていただいています。
これから治療を始める患者さんが不安を訴えると
先に同じ治療をしている”先輩”が、副作用の対処法を伝えたり
家族と患者、それぞれの立場からの思いを話したり
仲間同士だからこそ本音で語り合えることがあると、サロンのたびに実感します。
愛媛県内のがん診療連携拠点病院7か所すべてで、
がん患者さんとご家族のためのサロンが開設されています。
ピアサポーターが運営の協力をしているのは
四国がんセンターのほか、愛媛大学病院、松山赤十字病院、県立中央病院
そして市立宇和島病院です。
どこも毎月1回定期開催されています。
お気軽にご参加ください。
大切な人を見送った方のためのサロン
2015年1月13日 6:50 PM
きょうの松山の空です。
まぶしいくらいの青空でした。
町なかサロン近くには愛媛県立中央病院があります。
ここで大事なご家族を見送った経験のある女性が、
デパート屋上の観覧車の思い出を話してくれたことがありました。
「お見舞いに行った帰りには、いつも駅の方向にある観覧車を見上げていた。
家族を見送った後はこの風景を見るのが辛くて、目を背けて歩いていた。
でも、ある時ふっと見上げられるようになった。
もう大丈夫かもしれません」
大切な人をなくした悲しみはさまざまで、癒されるきっかけも様々です。
同じ経験をした仲間との話が、そのひとつになることもあるかもしれません。
今月17日(土)午後1時~午後3時まで、町なかサロンで
『大切な人を見送った方のためのサロン』を開催します。
ご家族に限りません。
お友達、恋人、職場の仲間…他ではなかなか口にできない思いを自由にお話してください。
情報の取り方を学ぶ
2015年1月11日 9:35 PM
きょうは今年最初の例会でした。
テーマは「情報の取り方~がんの治療法を選ぶ時~」
愛媛新聞社論説委員で、長年がん医療の取材を続けている早瀬昌美さんが講師です。
早瀬さんのお話の概要です。
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情報は、がんと向き合うための「武器」「闘う力」であり
「どんな治療を選ぶか」が、命や生活を左右することもあることから
まずは「正しい情報」=信頼性の高い情報=科学的根拠のある情報を選ぶこと。
その上で「自分らしく生きる手助けになる情報」を選ぶことが大切。
「標準治療」は(現時点での)最善・最良の治療で、
評価の定まっていない「最新治療」よりもすぐれた治療法。
(研究が進んで「最新治療」が「標準治療」に格上げされることもある)
「エビデンスレベル」を知り、冷静に情報の「質」「信頼度」を見極めること。
これらを理解したうえで
「正しいこと」が「したいこと」とイコールとは限らない。
よく情報を知り、自分の人生観や生き方を踏まえて
納得いく治療と納得いく人生を選びましょう。
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乳がん経験者でもある早瀬さんは、
「いのちがけの決断」に、情報を選び取り判断する難しさを自らも経験しています。
お話の中では、相談できる場所、人を見つけることの重要性も指摘していました。
自分だけで情報を見極められないときには
セカンドオピニオンや、病院の相談窓口を利用するのも助けになるはずです。
患者になった途端、いろいろな問題が押し寄せてきます。
健康なときには聞いたこともないような言葉や仕組みを理解しなければ
前へ進めないこともあります。
わたしどもでは、これからもがんに関する勉強会を開催していきます。
どうぞお気軽にご参加ください。
がん教育
2015年1月8日 10:08 PM
いま「がん教育」への取り組みが各地で行われています。
子どもたちに、がんに関する知識とがん患者への正しい認識を持ってもらうことが目的です。
全国でモデル事業が展開されていて
愛媛でも8つの学校で「がん教育」の授業が行われます。
そのうちの一つ、県立松山盲学校で教職員を対象とした研修会が昨日行われ
四国がんセンター副院長の谷水正人先生と、わたしがお話をさせていただきました。
学校の体育館が会場ですのでストーブが!
まず谷水先生から、がんという病気について基礎からお話がありました。
わたしからは、患者がどんな気持ちになるのか?
どういう備えが必要なのかなどについて、仲間のメッセージも交えてお話させていただきました。
今年度、県内8つの学校を含め全国各地で行われるモデル事業について
今後評価、検討が行われ
近い将来に教育現場での「がん教育」につなげられることになっています。
がんについて正しい知識を身につけ
患者への差別や偏見をなくし
思いがけない試練を乗り越えていける力を備えるための「がん教育」が実現することを
期待しています。