NPO法人 愛媛がんサポート おれんじの会

NPO法人愛媛がんサポート おれんじの会は、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会です。

NEWS

どう生きるのか?

2009年9月6日 8:31 PM

トップページに『イベント案内』の項目を新しく加えました。
県内で開かれるものを中心に、がん関連のイベント情報を掲載しています。
是非チェックしてみてください!

さて、きょうは第17回例会でした。およそ70人が参加してくださいました。
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今回は緩和ケアについて学ぶ第2弾。
講師は、松山ベテル病院院長の中橋恒先生です。
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講演の中で印象に残ったのは、「緩和ケアとは『生き方を支える』こと」というコメントです。
『生きること』を支えるだけでなく『生き方』を支える。
これなんだ!と心の中で拍手をしました。

『生き方』なんです。
痛みを取るとか、患者の話に耳を傾けるとか、そういう一つ一つの作業(技術というべきでしょうか)ももちろん大事ですが、それらを通して、その人の『生き方』を見つめていくことこそが、緩和ケアの根本なのだと思います。

では『生き方』とは?
自分はどう生きてきたのか?これからどう生きていくのか?
「自分は家族を愛することを人生の柱に据えてきた。だから治療よりも家族と一緒に過ごす時間を大事にする」とか、「仕事が最優先。厳しい治療にも耐えて必ず職場復帰する」など、様々だと思います。

がんという病気は、多くの場合治療が厳しく長いものです。自分のいのちの果てを見つめざるを得ないこともあります。
そんなとき、自分を支えてくれるのは他でもない、自分が選んだ『生き方』なのではないでしょうか。
そして、それを医療者に理解してもらい伴走してもらえれば、厳しく長い日々は違ったものになる気がします。

 

済生会今治病院公開講座にて

2009年9月5日 8:35 PM

きょうは、済生会今治病院主催の市民公開講座で司会をさせていただきました。
これは、病院が「がん診療連携拠点病院」に指定されたのを機に始まったそうで、がんに関する様々な情報を市民に提供するというものです。
3回目のきょうは、約200人の方が参加していました。

初めに「切らずに治す食道がん・胃がん治療ESD」についての紹介、次に「タバコのほんとの恐ろしさ」についてのお話が、それぞれの専門家からあり、最後はタレントのらくさぶろうさんが「一日一笑 元気の源」と題して楽しくお話をしてくださいました。
学んで笑って、参加者のみなさんも満足した様子でした。

講座の合間に、おれんじの会の紹介も少しだけさせていただきました。
あすの緩和ケアについての勉強会にも触れ「緩和ケアは初期から、すべての患者・家族に必要」という話をしました。

帰り道、30代くらいの男性が話しかけてくださいました。
お父さまががんの治療中で、ある時腫瘍マーカーが急上昇し、その結果を聞いた時には息子である自分が倒れそうになったとのことでした。
常につきまとう再発の不安と死の恐怖。
手術が成功し、元気を取り戻したように見える患者にもその家族にも、不安に寄り添うケアは必要なのです。

200人もの参加者があれば、当然がんを経験した人が少なからずいるはずです。
らくさぶろうさんの話に大笑いしながらも、どこかで不安や恐怖を消せずにいる人のことを改めて思いました。
そういう人が助けを求められる場は、病院でも患者・家族会でも、1つでも多くあるべきですね。

 

例会のご案内

2009年9月4日 8:40 PM

残暑が厳しいです。
松山ではきょうも真夏日。
そんな中、若い女性のブーツ姿を見かけました。
オシャレには季節の先取りと我慢が必要。とは言えモコモコブーツの中の足は悲鳴を上げてるんじゃないかと心配になってしまいました。

さて、明後日6日(日)は例会です。
今回のテーマは「緩和ケア」。7月に続いての第2弾です。
前回は身体の痛みとこころの痛みについての対処法を学びました。
緩和ケアの必要性はある程度理解できたと思います。
今回は、その次のステップ。では私はどうするのか?を考えてみます。
自分の療養生活に具体的にどう取り入れるのか?
診てくれるドクターはどこにいるの?
いまの主治医との連携はどうなるの?
緩和ケアって費用はどのくらいかかる?

講師は、松山ベテル病院院長の中橋恒先生です。
中橋先生は、かつてはバリバリの外科医でした。でも思うところあって「切って治す医師」から「看取る医師」に転身した方です。
にこやかでざっくばらんな中橋先生と共に、緩和ケアについて考えてみましょう。

詳しくはトップページから例会案内をご覧ください。
初めての方も歓迎します!
いま、一人きりで病気に向き合っている方もぜひご参加ください。
仲間が待っていますよ。

 

死生学

2009年9月3日 8:54 PM

情けない話ですが、ムシが大の苦手です。
一昨日から巨大な…と言っても手のひらサイズのクモが出現して悩まされています。
あちらも大きな図体をしていながら弱気で、私が近付くとサササッと逃げていきます。
昼間は姿を見せないのに、夜になると音もなく現れます。
あ~ユウウツ。

さて、きょうは「死生学」についての情報提供です。
関西学院大学社会学部准教授の藤井美和さんは、「死生学」がご専門です。
もともとは新聞記者だったのですが、ある日突然体調を崩し、動くこともままならなくなってしまいます。
後日回復され、勉強を重ねて「死生学」の研究者になった方です。
「死生学」とは何か?
藤井美和さんのお話をインターネットで聞くことができます。
関西学院大学が提供しているアイディアカプセルというサイトです。http://blog.radionikkei.jp/kwangaku/kwangaku0712/?page=2

 

眼科にて

2009年9月2日 8:16 PM

きょうは半年に一度の眼科受診の日でした。
数年前に「網膜裂孔」が見つかり、以来経過観察が続いています。
これは網膜に穴があくもので、網膜剥離にもつながる侮れない症状なのです。
私は強度の近視なので、それが原因ではないかと言われています。

夏休みが終わり、少しは落ち着いているかと思いながら病院へ行きましたが、相変わらずの混みようで待合室のイスが足りないほどでした。
視野、眼圧、視力、眼底と一通り検査を終えてようやく診察室へ。
「すみません、お待たせして」とにこやかに主治医が声をかけてくれると、長く待ったイライラが消えていきます。

この主治医は、いつでもゆったりと構えています。
もちろん患者が山のように待っていることは百も承知のはずですが、診察室の中にはゆったりした空気が流れています。
高齢者の多い眼科で、このゆったりした空気は大事です。

患者が診察室に入ってきてもPCの画面を見たまま、挨拶もせずに診察が始まれば、患者は委縮してしまいます。
正直に病状を話そうという気持ちー勇気といえるかもしれませんーも失せてしまいます。
そこに患者の満足度、安心は生まれないでしょう。
PCから目を外して患者に一言「お待たせしましたね」と語りかけるのに何秒かかるでしょうか?
その小さなアクションで、患者の状態を正確に把握し、診察・説明がスムーズに運べばむしろ効率的だと思うのですが。

この眼科医の人気の秘密は、技術の高さだけでは決してないと改めて感じました。

ちなみに、検査の結果は問題なし。
来年2月の予約をして帰りました。はぁ、やれやれ。

 

病院の屋上

2009年9月1日 9:09 PM

きょうから9月。
新学期が始まりました。
秋は運動会のシーズンです。
昼間、遠くから風に乗って運動会の練習の音が聞こえてきました。
そういえば私も高校生の時は、毎年の運動会に燃えていました。
いまでもグループ歌を口ずさめます。
「紅樹 その響き その心 いま一つに 紅の旗の下 声限り歌え~」

さて、昨日ある人と話をしていて、共に高校生の時に父親をがんで亡くしたことがわかりました。
しかも同じ病院。
「屋上に上がる階段があって…」
「もしかして同じ病棟かも?」

よくドラマには病院の屋上に洗濯物が干してある場面が出てきます。
最近では、事故を防ぐために出入りできない所が多いようですが、父が入院していた25年前には自由に屋上に上がれて、まさに洗濯物が風になびいていました。
私は、病室で涙が出そうになると屋上へ上がりました。
一緒に話をした彼は、父親が亡くなったとき屋上へ上がりこれからの事を考えたそうです。まだ高校1年だったそうですが、長男である自分が家族を支えて行くんだと決心した場所なのだそうです。

思いがけず、悲しみの分かち合いができたのでした。

 

 
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