仲間だから語り合えること
2015年1月15日 9:56 PM
きょうは四国がんセンターの「ひまわりサロン」でした。
患者さんやご家族など当事者だけで語り合うサロンで
ピアサポーター(患者や家族として病気に向き合った経験があり、一定の研修を受けています)が
運営をお手伝いさせていただいています。
これから治療を始める患者さんが不安を訴えると
先に同じ治療をしている”先輩”が、副作用の対処法を伝えたり
家族と患者、それぞれの立場からの思いを話したり
仲間同士だからこそ本音で語り合えることがあると、サロンのたびに実感します。
愛媛県内のがん診療連携拠点病院7か所すべてで、
がん患者さんとご家族のためのサロンが開設されています。
ピアサポーターが運営の協力をしているのは
四国がんセンターのほか、愛媛大学病院、松山赤十字病院、県立中央病院
そして市立宇和島病院です。
どこも毎月1回定期開催されています。
お気軽にご参加ください。
大切な人を見送った方のためのサロン
2015年1月13日 6:50 PM
きょうの松山の空です。
まぶしいくらいの青空でした。
町なかサロン近くには愛媛県立中央病院があります。
ここで大事なご家族を見送った経験のある女性が、
デパート屋上の観覧車の思い出を話してくれたことがありました。
「お見舞いに行った帰りには、いつも駅の方向にある観覧車を見上げていた。
家族を見送った後はこの風景を見るのが辛くて、目を背けて歩いていた。
でも、ある時ふっと見上げられるようになった。
もう大丈夫かもしれません」
大切な人をなくした悲しみはさまざまで、癒されるきっかけも様々です。
同じ経験をした仲間との話が、そのひとつになることもあるかもしれません。
今月17日(土)午後1時~午後3時まで、町なかサロンで
『大切な人を見送った方のためのサロン』を開催します。
ご家族に限りません。
お友達、恋人、職場の仲間…他ではなかなか口にできない思いを自由にお話してください。
情報の取り方を学ぶ
2015年1月11日 9:35 PM
きょうは今年最初の例会でした。
テーマは「情報の取り方~がんの治療法を選ぶ時~」
愛媛新聞社論説委員で、長年がん医療の取材を続けている早瀬昌美さんが講師です。
早瀬さんのお話の概要です。
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情報は、がんと向き合うための「武器」「闘う力」であり
「どんな治療を選ぶか」が、命や生活を左右することもあることから
まずは「正しい情報」=信頼性の高い情報=科学的根拠のある情報を選ぶこと。
その上で「自分らしく生きる手助けになる情報」を選ぶことが大切。
「標準治療」は(現時点での)最善・最良の治療で、
評価の定まっていない「最新治療」よりもすぐれた治療法。
(研究が進んで「最新治療」が「標準治療」に格上げされることもある)
「エビデンスレベル」を知り、冷静に情報の「質」「信頼度」を見極めること。
これらを理解したうえで
「正しいこと」が「したいこと」とイコールとは限らない。
よく情報を知り、自分の人生観や生き方を踏まえて
納得いく治療と納得いく人生を選びましょう。
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乳がん経験者でもある早瀬さんは、
「いのちがけの決断」に、情報を選び取り判断する難しさを自らも経験しています。
お話の中では、相談できる場所、人を見つけることの重要性も指摘していました。
自分だけで情報を見極められないときには
セカンドオピニオンや、病院の相談窓口を利用するのも助けになるはずです。
患者になった途端、いろいろな問題が押し寄せてきます。
健康なときには聞いたこともないような言葉や仕組みを理解しなければ
前へ進めないこともあります。
わたしどもでは、これからもがんに関する勉強会を開催していきます。
どうぞお気軽にご参加ください。
がん教育
2015年1月8日 10:08 PM
いま「がん教育」への取り組みが各地で行われています。
子どもたちに、がんに関する知識とがん患者への正しい認識を持ってもらうことが目的です。
全国でモデル事業が展開されていて
愛媛でも8つの学校で「がん教育」の授業が行われます。
そのうちの一つ、県立松山盲学校で教職員を対象とした研修会が昨日行われ
四国がんセンター副院長の谷水正人先生と、わたしがお話をさせていただきました。
学校の体育館が会場ですのでストーブが!
まず谷水先生から、がんという病気について基礎からお話がありました。
わたしからは、患者がどんな気持ちになるのか?
どういう備えが必要なのかなどについて、仲間のメッセージも交えてお話させていただきました。
今年度、県内8つの学校を含め全国各地で行われるモデル事業について
今後評価、検討が行われ
近い将来に教育現場での「がん教育」につなげられることになっています。
がんについて正しい知識を身につけ
患者への差別や偏見をなくし
思いがけない試練を乗り越えていける力を備えるための「がん教育」が実現することを
期待しています。
情報の取り方~治療法を選ぶとき~
2015年1月5日 9:10 PM
きょうから仕事始め。
松山はあたたかな日差しに恵まれ、気分よくスタートできました。
さて、おれんじの会としての最初の取り組みは勉強会です。
次の日曜、11日に開催します。
テーマは『情報の取り方~がんの治療法を選ぶとき~』
町なかサロンでお話を聞かせていただいていると
多くの方が、あふれるほどの情報の中でとても戸惑っていることを実感します。
インターネットで調べた情報を大量にプリントアウトし持って来られる方もあり
その中には、どう見ても胡散臭い情報が紛れ込んでいることも少なくありません。
がん治療に関する情報が増えたのはいいことなのですが
自分に必要な情報を取捨選択するのは、実はとても大変な事です。
わたしもそうでした。
そこで、今回の勉強会では情報の見極め方について学びます。
講師は愛媛新聞は論説委員の早瀬昌美さんです。
早瀬さんは、長年がん医療に関する取材を続け
2010年には、第29回「ファイザー医学記事賞」優秀賞を受賞しています。
「科学的根拠」とは何か?
「標準治療」とは何か?
自分に必要な情報をどう見極め、どう選ぶのか?などについて
わかりやすくお話していただきます。
1月11日(日)午後1時30分~ 愛媛県総合保健協会9階会議室
参加費は500円で、事前申し込みの必要はありません。
ご参加をお待ちしています。
お正月に思うこと
2015年1月2日 11:14 AM
あけましておめでとうございます。
1月2日、松山は曇り空、予報では午後から雪になるそうです。
12月後半にインフルエンザで体調を崩した余波で(言い訳?)
いろいろな事が積み残しになったまま年越しをしてしまいました…。
きょうの箱根駅伝で、ようやく新年を迎えた気分です。
さきほど、仲間の一人が箱根駅伝観戦をツイートしていました。
20代半ばでリンパ腫治療のため入院していた時にテレビ観戦し
襷をつなぐ姿に勇気づけられ、以来ずっと観戦を続けているというコメントでした。
滅多に個人的な事をツイートすることがない人だけに
その思いの強さを感じました。
このお正月を病院で過ごしている方、自宅や施設で病気に向き合っている方
また、病気の家族を介護している方がいることを思います。
わたしも、25年前のお正月は自然気胸の手術後で入院中でした。
初詣の人の中を病院に通ってくれた母親の事を思うと、今更ながら胸が痛みます。
病気の治療そのものは医療者の手に委ねるしかありませんが
周辺の辛さ -医療者とのコミュニケーションや仕事の問題、孤独感や不安などー に対しては
わたしたち患者・家族経験者にも出来ることがあるはずと思い
この活動を続けています。
一つでも、少しでもいい方向へ。
仲間と一緒に今年も進んでいきたいと思います。
インフルエンザ!
2014年12月21日 10:25 AM
インフルエンザです。
突然やってきました。
咳が出るなぁと思っていたら、その夜に38℃を超える発熱。
翌日病院へ行った時に熱が自然に下がっていたことと、体の痛みがなかったのがいけませんでした。
インフルエンザの検査も受けずに咳止めだけもらって帰ったところ
再び深夜に38℃を超える発熱。
その翌日にようやくインフルエンザの診断がつき、薬を処方してもらいました。
薬がよく効いて熱は下がりましたが、食欲が戻りません。
発症後5日が経過し、かつ解熱後2日を過ぎるまでは感染のおそれがあるそうで、
人に会えずもちろん仕事にも行けません。
厚労省の大事な会議にも欠席せざるを得ず、ピアサポーターの事例検討会も欠席、
楽しい食事の約束もキャンセルです…。
今回学んだこと。
・予防接種は早めに受けておくこと
(わたしが受けたのは1週間前、12月に入ってからでした)
・関節痛など一般的な症状がなくても、急な発熱がある場合はインフルエンザの検査を申し出ること
これから寒さが一段と厳しくなり、年末年始で人の移動も激しくなります。
まだ予防接種は間に合うかもしれません。
うがい、手洗いの徹底などできることはあります。
みなさんもどうぞお気をつけて!
傷を癒してくれるのは
2014年12月14日 6:56 PM
きょうは、仲間と新しい取り組みについてのディスカッション。
4時間があっという間に過ぎてしまいました。
ハードスケジュールの中でのディスカッションでしたが、
こういう時間は、かえって元気を与えてもらえます。
残念ながら心を折られる出来事もあります。
先日仕事で出会った初対面の方から、「子どもは?」と聞かれました。
「がんの治療のために子宮を取りましたから、子どもは産めなかったんです」と答えたところ
「あら、その前に産んじゃえばよかったのにね」とアッサリ言われてしまいました。
33歳で子宮をなくしてから、何百回も問われ、答えてきたやり取り。
50歳目前で、いろいろな事に腹が据わってきてはいても
やはり心に突き刺ささります。
まだ痛む心を、仲間との未来へ向けてのディスカッションが癒してくれたようです。
仲間がいてくれることに感謝です。
新しい取り組みが、次の世代の仲間を支えるものになるよう頑張ります!
選挙へ行こう!
2014年12月13日 11:32 AM
あすは衆議院議員選挙投票日です。
わたしは仕事があるため、不在者投票を済ませました。
現在の患者を救うのは医療者ですが
5年先、10年先の患者を救うのは政治家だといえるかもしれません。
医療制度、予算配分、がん対策の方向性…
これらを決めるのは政治です。
自分たちのために、次の世代の患者のために
一票を投じる権利を放棄してはいけないと思います。
選挙へ行きましょう!
当事者として考えなければならないこと
2014年12月12日 9:55 PM
今月は会議が続いています。
昨日は、HTA(Health Technology Assessment)や患者申出療養制度などの
医療費、医療経済についてのディスカッションに参加しました。
医療費の問題は、私たち患者・家族に直接関わりがあり重要な課題ですが
残念ながら直接議論に加わる機会がほとんどありません。
2010年に愛媛県からの依頼でわたしどもが実施した「愛媛県がん患者満足度調査」では
医療費の負担の大きさが課題として浮かび上がりました。
経済的な不安を感じずに、必要な治療を誰もが受けられる社会であるべきだと思います。
では、そもそも「必要な治療」とは何なのか?
増え続ける社会保障費をどう考えていくのか?
わたしたちは何をどう負担するのか?
当事者も議論に参加する機会を得られるよう働きかけをしていかなければいけませんが
その前に、わたしたち自身も情報を集め、学び、考えなければと思いを新たにしました。