がんとリハビリ
2014年1月13日 8:24 PM

12日は勉強会を開催しました。
テーマは「がんとリハビリ」
写真は、チューブをつかったストレッチに挑戦している場面です。
講演と併せて、このように体を動かすことも取り入れた勉強会でした。
リハビリというと、整形外科領域か脳血管疾患の後遺症対策というイメージが強いものですが
最近では、がん治療でもリハビリの重要性がいわれるようになっています。
がん自体が直接、体力低下や機能障害を引き起こしたり
治療によって不都合が起こったり
進行に伴ってさまざまな症状が起こることがあります。
呼吸機能の低下や、神経障害、腕が動きにくくなるなどの症状です。
こうした症状への対応を行うため、
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が、専門の研修を受けリハビリを行うようになってきました。
以前に、緩和ケア病棟に入院していた男性が
「人生最後の目標は、一人でお風呂に入れるようになること」と言って
リハビリに取り組んでいる話をうかがったことがあります。
病気があっても、またそれによって不都合が起こっても
その人が望む生活をするための治療や支援が提供されることはとても重要です。
次回例会は2月2日(日)13時30分から
仲間同士で語り合う交流会の予定です。
ようやく
2014年1月5日 5:34 PM
2014年最初の更新です。
5日にしてようやく…。
今年も、町なかサロンの情報やがんに関することを書いていきます。
よろしくお願いします。
毎年のことですが、いくつかの締め切りを抱えて年を越します。
今年もそうでした。
その一つは12月20日が締め切り。
何とかクリスマスまでに、いや仕事納めまでに、あぁ年が明けてしまった…というわけで
喉に刺さった魚の骨のようでしたが、ようやく完成!
2000年からずっと連載させていただいている『ぽあん』の原稿です。
松山市の創風社が出版している文芸誌です。
編集をしている方が、わたしの病気を知って
「ご自分の経験を書いてみませんか?」と声をかけてくださいました。
年2回発行、14年間「生と死をみつめる」というテーマで
自分の病気に限らず自由に書かせていただいています。
もともと口で伝える事を仕事としていた人間で、活字にするのは大の苦手。
毎回産みの苦しみで、今回もようやく…です。
もう少し余裕をもって、先回りして仕事ができる年にしたいなぁと
これもまた毎年の事で。
どうなることでしょうか?!
来年へ
2013年12月31日 11:10 PM
たくさんの別れと、大事な出逢いのあった今年が終わります。
みなさんにとって、来年が良い一年となりますように。
”こまちゃん”
2013年12月29日 11:14 PM

”こまちゃん”です。
わたしたちの仲間がフェルトで作りました。
モチーフは、愛媛県の鳥こまどりです。
もともとは、リレー・フォー・ライフのフラッグ用に仲間が描いてくれた絵があり
それを立体にしたものが、この人形(鳥形?)です。
手のひらに乗るくらいの小さなものです。
あまりにもかわいらしく出来たので、自分たちだけで楽しむのではなく活用しようということになり
小児がんに向き合う子どもさんたちにプレゼントすることになりました。
7月から町なかサロンで「こまちゃん倶楽部」を開いて製作を続けました。
患者さんやご家族など、病気に向き合った経験のある人たちが
子どもたちへの思いを込めて、丁寧に作り上げました。
ようやく完成した50体(50羽?)は
今月に入って愛媛県立中央病院、大学病院、松山赤十字病院へお届けしてきました。
松山赤十字病院のfacebookで紹介していただきました!
わたしが入院していた頃、同じフロアに小児科病棟があり
小さな手に抗がん剤治療用のルートを取った子どもを見かけていました。
大人でさえ辛い治療に小さな体で向き合っている姿を目の当たりにして、胸が痛みました。
現在、小児がんの治療成績は向上し
7割から8割の子どもは治る時代になったと聞きます。
しかし、成長期に強い治療を受けることで、後々さまざまな問題が起こってくることもわかってきました。
患者数が少ないために治療薬の開発や承認も進みません。
こうした小児がんの問題に、ようやく国は取り組みを始めたところです。
わたしたちも、小児がんの問題にも目を向け続けていきたいと思います。
小さな灯り
2013年12月24日 11:26 PM
クリスマスイブです。
デパ地下のケーキ売り場の賑わいを横目に、夕食用のお弁当を買って
町なかサロンへ。
夕方6時から、夜のサロンでした。
参加してくださった方と2時間のオシャベリ。
病気の不安、医療者とのコミュニケーション、お墓探しの話まで。
仲間だからこその遠慮のない話が続きました。
満足に眠れないとおっしゃっていた患者さん、今夜はどうでしょうか?
町なかサロンは小さな場所です。
でも、その小さな灯りを求めて足を運んでくださる方がいる限り
この場所を守り続けようと、改めて思いました。
あす(25日)は市立宇和島病院でサロンが開かれます。
午後1時30分から、1階栄養相談室にて。
ピアサポーターが心を込めて準備してお待ちしています。
クリスマスにも・・・
2013年12月23日 10:44 PM

先週の愛媛大学病院でのクリスマスコンサートの模様です。
(ご案内の記事に木曜と書いてしまいましたが、正しくは18日水曜開催でした。スミマセン!)
ゲストのより子さんの力強い歌声が響きました。
その中の1曲 「Home Party」の歌詞
~大切な人たちがいることを感じられるこんな夜は
一生のうち何度あるだろうか~
寂しさを経験したからこそわかる、大切な人が一緒にいてくれることの嬉しさ。
そんな思いが溢れたステキな曲でした。
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さて、町なかサロンの年末年始のご案内です。
通常は平日の午前10時~午後3時までですが、年末年始は特別サロンを開催します。
★12月24日(火)午後6時~午後8時
★12月30日(月)午前10時~午後3時
★1月2日(木)午後1時~午後3時
★1月3日(金)午後1時~午後3時
街が賑やかになるほど、病気と向き合う寂しさは増していきます。
誰かと話したくなったらお越しください。
あたたかいお茶を用意して、同じ思いを知っている仲間がお待ちしています。
がん対策の効果は?
2013年12月17日 9:45 PM
気が付けば、クリスマスまで1週間。
そして2週間余りで2014年がやってきます。
1年を振り返る感慨も持てないほど、バタバタの日々が続いています。
昨日、きょうは研究に関する会議が2つ。
がん医療の質を改善していくための指標を考える会議と
がん対策の効果を測る指標を考える会議です。
がん対策基本法が成立し、がん対策推進基本計画が策定されて6年。
さまざまながん対策がとられてきました。
わたしが治療を受けた14年前とは、医療そのものも、病院のシステムも、
患者・家族への情報提供の在り方も、あらゆるものが大きく変わったことを実感します。
果たして、その”変化”は、本当に効果があるのか。
患者・家族の苦痛を軽減につながっているのか。
効果を測り、よりよい対策に活かしていくための取り組みが始まりました。
患者・家族の一人として、研究に参加させていただきます。
年末年始は、膨大な量の宿題に取り組まなければなりません…。
その前に
あすは、愛媛大学病院のクリスマスコンサート。
シンガーソングライター より子さんの歌声を楽しみにしています。
18日(木)午後4時30分~ 病院1階のレストランで開かれます。
歌声~愛媛大学病院コンサート~
2013年12月12日 8:52 PM
きょうは宮崎へ来ています。
ひさびさのご当地グルメ情報。

串間市でいただいた『ブリプリ丼』
ブリの切り身とサラダ、ご飯が盛られた丼で、手前の2種類のタレをかけて食べます。
上に見えている切り身とは別に、ご飯の下にプリッとした食感のブリが隠れています。
お値段は、串間市の語呂合わせで940円。
とても美味しかったです!
さて、愛媛大学病院のサロンの情報です。
毎月第2金曜に開かれている「ふれあいサロン」は、あす13日(金)午後1時から午後3時まで。
患者図書室で開かれます。
がんに向き合っている患者さんやご家族、お友達などが対象です。
病気のこと、暮らしのことなど自由に語り合うサロンです。
また、今月は患者さんとご家族のためのコンサートも開かれます。
今年のゲストは、より子さん。
小児がんのサバイバーで、現在はシンガーソングライターとして活躍しています。
一度歌声を聴かせていただきましたが、本当にすばらしい!
病気を経て、生かされていることを感謝して歌いたいというより子さんの歌声を、どうぞお楽しみください。
こちらは、今月18日(水)午後4時30分~ 大学病院1階レストランで開かれます。
自分らしく生き抜く
2013年12月11日 10:28 PM
冷たい雨が続きました。
その雨に送られるように、仲間が旅立ちました。
病気が見つかって10年近く。
治療を終えてからの2か月あまりを自宅で過ごしました。
子どものために、家にいてやりたい。
できるだけ一緒に過ごしたいというのが、一番の願いでした。
でも、長く病院での治療を続けてきたので
本当に家で過ごせるのか、なかなか不安が消えませんでした。
医師による訪問診察や、訪問看護がスタートし
少しずつ不安は薄らいでいきました。
「病院は、辛い治療と、悪い検査結果を聞く恐怖の場所だった。
でも、在宅医療は、わたしの気持ちや体調に合わせてくれる。
とても楽になれた」
そう言っていました。
食欲が落ちてからは、親友が好きなものを作ってくれるのを楽しみにしていました。
リビングの真ん中にベッドを置いて、最期まで家族と共に自分らしく過ごすことができました。
わたしたちが2010年に実施した「がん患者満足度調査」では
自分らしく過ごせる自宅で過ごしたいと希望する声が多く聞かれました。
しかし、家族に負担をかけるなどの理由で遠慮してしまうという現状もうかがえました。
在宅を支えてくれる医療資源の充実。
そこへの確実な連携。
そして、患者・家族への適切な情報提供と精神的なサポート。
残念ながら、地域や医療機関によって格差が存在します。
どこに住んでいても、誰でも
自分らしく生き抜くことができる仕組みを整えていかなければなりません。
がんと就労
2013年12月8日 9:25 PM
晴れておだやかな一日でした。
昨日は、東京秋葉原で開かれた「がんと就労」に関するシンポジウムに登壇させていただきました。
これは、国立がん研究センターの高橋都先生が代表者を務める厚労科研研究班が主催したものです。
医師、看護師、ソーシャルワーカー、そして患者それぞれの立場から
がん患者の就労に向けたさまざまな支援について報告を行いました。
この中で、名古屋第二赤十字病院の赤羽和久先生のご発表は特に興味深いものでした。
乳がんと診断された患者199人のうち、告知直後に退職した人が17人もいたそうです。
告知後、詳細な検査を経て治療法が決まってから
仕事を続けるかどうかを決めてもいいはずなのに
「早過ぎる決断」をしてしまうケースが少なくないというお話でした。
赤羽先生は、医療現場での就労支援は告知時から始めるべきで
まず医師から「仕事はすぐにやめる必要はありません」と一言声をかけることが重要とのご意見でした。
そして休業が必要な期間を含め治療の見通しを患者にしっかり伝えること、
また勤務形態や通勤手段などの就労内容について、医師が理解することも必要だと指摘されました。
わたしもそうでしたが
がん告知というのは、冷静な判断力を奪います。
妙な焦燥感にかられます。
そんなときに、仕事を辞めるなどの重要な決断をすべきではないのです。
最近は、治療と仕事の両立について関心をもつ医療者が増えています。
主治医やソーシャルワーカーなどに相談してみると
仕事と治療を両立する方法が見つけられるかもしれません。
一人で抱え込まないこと
専門家の知恵を借りること
急いで決断しないこと
これが、患者側にできることです。
シンポジウムを主催した研究班では
がん患者の就労を支援するためのさまざまなツールを開発、提供しています。
詳しくは http://www.cancer-work.jp/tool/index.html

