在宅緩和ケア
2012年6月9日 11:08 PM
これからのがん医療を考えるときに、自宅での療養をいかに支えていくかが大きな課題といわれています。
期待されるのは、地域の医療資源。
特に開業医がかかりつけ医として深く関わることが期待されています。
松山市では、開業医を対象として緩和ケアの研修が行われていて、昨日は特別に参加させていただきました。
痛みの評価、薬の選択、そのほかの治療法も含め、いかに患者や家族の苦痛を緩和していくかについて議論が行われました。
現在受け持っている難しいケースについて、他の医師からアドバイスを受ける場面もありました。
知識や技術の習得もさることながら、この研修をキッカケにネットワークができて、お互いに情報交換などができることも目的としているそうです。
これからも月に1回のペースで計画されています。
一日の外来診察が終わったあと夜遅くまで熱心に議論する医師たちの姿に、希望を見出した思いでした。
21年間病気に向き合うということ
2012年6月6日 9:40 PM
寛仁親王が亡くなられました。
報道によれば、最初にがんが見つかったのは21年前。
この間に16回の手術を受けられたそうです。
そういえば、わたしが入院していた13年前、寛仁親王が自分の病気について書かれた手記のようなものを読んだ記憶があります。
手術直後に、体力が衰えてはいけないからと病院の階段を昇り降りしていて医師に叱られたとか、ともかく前向きな姿が描かれていました。
治療のために声を失ってからは、人工喉頭を使って話をなさっていたということです。
同じ状況にある患者さんたちには、大きな希望だったことと思います。
ご冥福をお祈りします。
診察室にて
2012年6月5日 10:29 PM
友人の診察に同行した大学病院での出来事。
診察室に入り名前と立場を伝え同席について尋ねたところ、医師はさっと立ちあがり名札を示して「医師の※※です。患者さんがよければ問題ありません。よろしくお願いします」と言ってくださいました。
海外のドラマなどでは見たことのある風景ですが、日本では初めての経験です。
ドラマだとここで握手するところだけど…、さすがにそれはやめておきました。
患者とのやり取りも見事でした。
丁寧な説明、質問できる雰囲気作り、患者の意思の尊重…
どうすれば、こういう態度を身につけられるのか?
どんな思いがあるのか?
機会があれば是非訊いてみたいと思っています。
こんな医師もいるんだなぁと嬉しくなった出来事でした。
がん患者の相談、支援とは?
2012年6月1日 8:35 PM
あ~目が疲れた…。
昨日締め切りの原稿が、まだ仕上がりません。
何かが違うんだなぁ。
気持ちは焦るけれど、しっくりくる表現が出てきません。
こんな日にも、相談の電話はかかってきます。
県外の方からの相談でした。
病院の情報がまったくわからないので、その方が受診している病院の相談・支援センターへ電話をしてみました。
こちらが一つ質問をすると、まくしたてるような回答。
何かにつけて「病院の事情もご理解ください」と繰り返し、こちらの要望よりも、自分たちの都合を優先させようとする態度。
朝早い時間帯にかけたので、忙しく落ち着いて対応できない状況だったのかもしれません。
病院には病院の事情があるのも、よくわかります。
しかし、患者側に寄り添って何とかできることはしてみようという気持ちが微塵も感じられないのが許せないのです。
対応が難しいというのが事実であったとしても
「それは出来ないかもしれません。病院の事情をご理解ください」と言うのと
「少し難しいかもしれませんが、出来る限りご希望に応えられるよう努力してみます」と言うのでは、まったく違うのです。
わたしは腹を立てれば済むことですが、体も心もしんどい患者や家族がこんな対応を受けたら、どんなに絶望することでしょう。
なんのための相談・支援センターなのか。
久々に血圧急上昇した出来事でした。
下半期へ!
あっという間に5月が終わってしまいました。
1ヶ月間で、このブログを更新できたのは9日だけ。
そして6月へ。
「下半期」という言葉を聞いて焦ったのは、わたしだけでしょうか?
きょうまで出張でした。
2日間で3つの会議と1回の講演。
がんばった自分にご褒美~と昼間お買物に時間を使ってしまったため、こんな時間まで原稿書きに追われています。
5月末日が締め切りの原稿、あす朝一番にメールで送るためもうひと頑張りです。
今月は、ブログ更新もがんばります。
残されたメッセージを聴く
2012年5月27日 11:34 PM
きょうは一歩も外へ出ず、ひたすらPCに向かっていました。
来週開かれる会議に提出する資料作りと、原稿書きのためです。
どちらも緩和ケアに関するものです。
今まで関わった患者さんやご家族が残してくれたメッセージの一つ一つを振り返り、次に活かすためにどう伝え、どう対策に繋げていけばいいのか、一日中考え続けました。
なかなか考えはまとまりません。
もうしばらく、メッセージに静かに耳を傾けます。
次へ
2012年5月26日 9:36 PM
NPO法人として活動していると、収支や活動内容について県や法務局、地方局などに報告が義務付けられます。
おれんじの会は、3月末で事業年度が区切りを迎えますので、この時期は書類作りに追われます。
特に会計担当者は大変です。
フルタイムで仕事を持っていて、その合間に作業を進めてくれています。
あと少し、PCに向かう日が続きます。
さて、24日に厚生労働省で新たに設けられた「小児がん医療・支援のあり方に関する検討会」を傍聴してきました。
資料によると、
小児がん患者とその家族が安心して適切な医療や支援を受けられるような環境の整備を目指し、小児がん拠点病院(仮称)に必要とされる機能及び全国の小児がん関連施設に対する診療、連携、臨床試験の支援等の機能を担う中核的な機関のあり方等について検討する。
とあります。
このほかにも、緩和ケアや、がん検診、がん医療提供体制などについての検討会が次々に動き出します。
がん対策推進基本計画の変更案も、間もなく閣議決定される見込みです。
先を行った多くの患者さんの思いが実って「がん対策基本法」が施行され、5年。
渡されたバトンをつないでいくための取り組みが、次の段階に入ろうとしています。
世界をつなぐ患者・家族支援イベント
2012年5月20日 8:54 AM
ほぼ週1回のブログになってしまい、申し訳ありません。
東京と松山が一つの街になっているような生活が続いています。
きょうはイベントのお知らせです。
drum STRONG というイベントがきょう開かれます。
以下は、ご案内の文面です。
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とき:5月20日(日)午後1:30~4:00
場所:コミュニティスタジオ デーセブンス
松山市大街道3丁目8-3(松山城ロープウェイのりば向いのビル2階)
参加費:1000円(高校生以下500円)
*この参加費は、DrumsForCuresからガンの為被災者の為に活動している団体に直接寄付させていただきます。
*参加には申し込みが必要です。
お申込み:drumSTRONG松山実行委員会
dsm_2012@yahoo.co.jp
drumSTRONGは、元来、ガンへの関心を高め、計らずもガンと共に生きることとなった方々が 、社会の中でその人らしく人生を楽しむ権利を守ることなどを目的としたチャリティイベントです。
が、スコットは、昨年日本で起きた東日本大震災にも同じく人生をその人らしく生きる権利を守りたいと、
ガンに限らず、震災のチャリティの為と位置づけ、このイベントを行うことになりました。
今年は、世界15か国54都市が参加し、アメリカ東海岸時間の5月19日(土)~5月20日(日)
約30時間、リズムが地球を一周していきます。
その様子は、UStreamで動画配信され、病院から出ることもままならない小児がんの子供たちも、一緒にリズムを演奏します。
日本では、札幌・群馬・広島そして松山。同じ時間帯では、本部があるアメリカのノースカロライナ州シャーロット、
マレーシア・クアラルンプール、オーストラリア・メルボルンが同時にドラムサークルを行います。
みなさんもぜひご一緒にリズムを演奏しに来ませんか?
今年は、松山大学愛媛大学の学生が実行委員会を立ち上げ、若者発信のイベントとして頑張っています。
イベントの最初には、「夢」をテーマにしたちょっとしたワークショップも行う予定だそうです。
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事前申し込みが必要ということなので、きょう参加できるかどうかわからない中の情報提供です。
興味のある方は、それぞれでご確認のうえお出かけください。
就労の電話相談
2012年5月15日 10:07 PM
治療と仕事の両立をどうするか?
法律なども絡み、とても難しい問題です。
この問題に対応する電話相談が始まりました。
詳しくはこちらをご覧ください。http://workingsurvivors.org/secondopinion.html
仲間へ
2012年5月7日 11:23 PM
連休が明けて、一気に仕事が動き始めました。
時々深呼吸をして、気持ちを整えながらスケジュール調整をしていきます。
付き合いの長い仲間Nさんから、久しぶりにメールが届きました。
治療に使う薬を変更するので入院したとのこと。
早速会いに行きました。
おや?
何か雰囲気が違う??
この半年で10キロも太ったとのこと!
Nさんは、長い間治療を続けています。
いろいろな副作用に苦しんできましたが、半年前まではまったく食べられない、食べたくないという辛さと闘っていました。
痩せて体力が落ち、気力も萎えていました。
しかし、医療者と話し合って治療法を変え、少しずつ食べられるようになったのです。
そして体重が増え、気力も取り戻したそうです。
あぁよかった~。
よくがんばった!!
明日から新しい薬にチャレンジします。
「どんな副作用が出るのか不安だけど、でもいまは、がんばれそうな気がする」と笑って話してくれました。
がんばって。
よしちゃんも、きっと力を貸してくれるから!