勉強会報告
2009年7月28日 9:06 PM
7月も終わろうかというのに、真夏の青空はまだ遠く。
我が家では梅雨が明けると東に面した窓に簾を掛けるのですが、今年は出番があるのでしょうか?
さて、積み残しになっていた勉強会の写真です。
今更という感じですが、このところ写真なしの記事が続いて殺風景なので載せてみます。
勉強会会場は代々木のグラクソ・スミスクライン本社です。
すぐ近くに共産党本部がありました。
2つの講演とワークショップがありましたが、最も印象に残ったのはサプライズで参加なさった上野直人先生からの提案でした。
上野先生は、アメリカのM.D.アンダーソンがんセンターの腫瘍内科医です。一時帰国中の飛び入り参加でした。
提案は『Patient Empowerment Project』
患者の自立プロジェクトと和訳できますが、日本語だと硬いので略してPEP(ペップ)と呼ぶそうです。
現在は基本計画の作成中ですが、患者中心の医療の実現に向けて、医療依存型から自立型へ転換していくプロジェクトを展開していくのだそうです。
なかなか面白い取り組みが始まりそうです!
きょうとあすの「クローズアップ現代」
2009年7月27日 8:32 PM
もうご覧になった方もあるかとは思いますが…。
きょうと明日、NHKの「クローズアップ現代」では”がんとともに”というシリーズが放送されます。
きょうは、子供に親の病気をどう伝えるかがテーマでした。
明日は働き盛り世代の問題を取り上げます。
放送は総合テレビでは19:30~
衛星第2では24:10~(深夜0:10~)
詳しくは
http://www.nhk.or.jp/gendai/ をご覧ください。
元気に見えても辛いカラダがある
2009年7月26日 8:47 PM
会員用掲示板に、きょうの朝日新聞の記事について書き込みがありました。
NPO法人HOPEプロジェクトが作ったキーホルダーの記事です。
朝日新聞を読んでない方のためにご紹介します。
キーホルダーには「知ってほしい 元気に見えても辛いカラダがあります」と書かれています。
例えば抗がん剤治療を受けた帰り道、手術後初めて満員電車に乗ったとき…外観からは、抱えている痛みや辛さは見えません。
電車の中でよく見かける優先座席の表示には、そういう辛さを思いやるマークはありません。
自分の周りにも、病と共に歩む人がいるかもしれないと想像しお互いに少しの思いやりを持ってほしいという思いで作られたものです。
HOPEプロジェクトは、がん経験者などで作られた団体です。
理事長の桜井なおみさんは乳がん経験者です。
実は、昨日の勉強会でもご一緒になり、このプロジェクトの話を聞いたばかりでした。
全国各地でいろいろな取り組みが行われています。
このキーホルダーは1個300円で販売されています。
詳しくは(http://kibou.jp/)をご覧ください。
そんなわけで、勉強会報告はまた明日。
充電完了
2009年7月25日 8:17 PM
きょうは勉強会に参加しました。
「患者支援団体代表者サミット」です。
これは、ある製薬企業が主催して開催するもので、今年で4回目。私は初めて参加しました。
がん、パーキンソン病、アレルギー、肺高血圧症など様々な疾患30団体から約50人が集まっていました。
テーマは「日本の医療をより良くするために私たちができること!」
11時から17時まで、講演とワークショップで学びました。
詳細は、あす写真付きでご報告します。
こういう勉強会に参加することの意義は、新しい知識を得ることはもちろんですが、人と交流しネットワークを広げることにもあります。
患者団体を運営する上での共通の悩みと対策、他の団体の活動の好事例などを見聞きすることで、自分の凝り固まりがちな頭の中に新しい空気を取り入れることができるように思います。
いっぱい受けた刺激を、持ち帰って活動に反映させなければ!
ここのところ気持ちが疲れ気味でしたが、充電完了です!
再発した家族を支えるには?
2009年7月24日 8:20 PM
予定通り、きょうは親友に会いました。
彼女は30歳で卵巣を摘出した後遺症で、骨密度が減少しています。薬を飲むなどの積極的治療が必要かどうか、見極める段階に来ているそうです。
でも、いま提案されている薬を使うと血栓が出来やすくなるという副作用があると言われ、どうすべきか難しい判断を迫られています。
9月の診察を前に、来月には様々な検査を受けると話してくれました。
治療後14年経ってなお、後遺症に悩まされています。
さて、きょうはある会員から相談のメールがありました。
夫ががん患者です。
きょう再発を告げられたそうです。
他にも疾患を抱えています。
頭が真っ白になって、ようやく家に帰りついたとのことでした。
これから、どうやって夫を支えればいいのかという相談でした。
会員のみなさん、何かアドバイスがあれば掲示板かメールでお知らせください。
親友
2009年7月23日 11:02 PM
まずは訂正から。
昨日の記事で、次に日本で皆既日食が見られるのは46年後と書きましたが、正しくは26年後でした。
失礼いたしました。
さて、あすは久しぶりに親友に会います。
私と同い年の彼女は、14年前30歳の時に卵巣がんが見つかりました。
進行がんで当時のデータでは5年生存率20%以下でしたが、手術と抗がん剤治療を経て、いま元気にしています。
東京で彼女が闘病している間、私は何も出来ませんでした。
距離もありましたが、それ以上にどうすればいいのかわからず手も足も出なかった、出せなかったのです。
当時彼女が「暗い海の真ん中に1人放り出されたような孤独と恐怖」と話してくれましたが、健康な私には理解できませんでした。
3年経ち、自分にがんが見つかってようやくその言葉が少しだけわかりました。
私の闘病中、彼女の存在が大きな大きな支えになりました。
今のように携帯メールなどない時代でした。その代わり何通もの手紙が届き、それはいまも大事にしまってあります。
お互いの闘病から10年以上が過ぎ、いまでは話題はコスメやオシャレ、おいしいレストランなど他愛無い事が殆どですが、いつも最後は「生かされていることへの感謝」に行き着きます。
あすが楽しみです。
患者必携ご意見募集
2009年7月22日 8:18 PM
天体ショーに沸いた一日でした。
「皆既日食」ってそんなに騒ぐこと?と殆ど関心を持っていなかったのですが、ニュースで映像を見ると…確かに美しい!
これを自分の眼で見たいと思う気持ちが、ようやくわかりました。
わかったのは夕方のニュースの時間。もはやです。
次は46年後だそうです。
さて、がんに関する情報提供についての話題です。
国立がんセンターがん対策情報センターでは、『患者必携』という小冊子の作成を進めています。
これは、がん患者・家族のために、病気に関する情報や療養生活のアドバイスなどをまとめたもので、国の「がん対策推進基本計画」に基づいて作成されるものです。
試作版が出来上がり、現在広く意見を募集しているところです。
詳しくはhttp://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/hikkei_index.html
この作成には、がん患者・家族も関わってきました。
私も2度の会議と、数回の査読で関わりました。
自分が関わっておいて何ですが、まだまだ改良の余地有りだと思います。
患者・家族が本当に使いやすいもの、欲しいものはどういうものなのか?
関心のある方は是非意見を出してください。
がんは政治
2009年7月21日 8:58 PM
雷の鳴り続ける一日でした。
山口では土石流が高齢者の施設に流れ込み、3人が亡くなったとのこと。
ニュース映像では、施設の屋上で救助を待つお年寄りの姿が映し出されていました。
胸が痛みます。
また雨の音が激しくなってきました。
さて、いよいよ政治の季節到来です。
私たちの”いのち”に真摯に向き合ってくれるのはどの政党なのか?どの候補者なのか?
高額な治療費が払えないために治療を諦めること。
望む場所で治療が受けられず家族と離れなければならないこと。
住んでいる場所によって受けられる医療に差があること。
…こんなことでがん患者・家族が泣くのは、もうお終いにしなければなりません。
より良いがん医療を手に入れるために私たちが出来ること。その一つが政治を選ぶことです。
しっかり考えて行動しなければ!
子供のいる光景
2009年7月20日 8:00 PM
松山では時折雷が鳴りながら雨が続く一日でした。
7月20日というと夏休み初日…ではなくて、今年は曜日の関係でもう3日目なんだそうです。
スーパーに行くといつになく混雑。親に子供たちがくっついて来ているからなんですねぇ。思わぬ動きをする子供たちに行く手を阻まれます。
こういう光景を見るのが、ちょっと辛いです。
子宮頸がんの治療のために、33歳の時に子宮を摘出しました。
それは子供が産めなくなることを意味します。(向井亜紀さんのように代理母という選択肢もありますが、これはなかなかの荒業です)
当時は、自分の人生設計にもともと子供の存在はなかったので辛いとか悲しいとか思いませんでしたが、年齢を重ねるにつれて”子供のいる幸せな光景”というものが眩しくみえるようになりました。
がんに関係するMLの中で、メンバーに子供が生まれた記事があり、当分の間お祝いメールが飛び交いました。
子供を育てる喜び、我が子の愛おしさ、いのちの素晴らしさ…。
何だかなぁ。私のほかにも治療で子供が持てなくなった人がメンバーにいるはずなんだけどなぁ。
素直にお祝いできない自分が惨めで、情けなくて、そして自己嫌悪でした。
婦人科がん治療の後遺症の一つが、生殖機能を失うことです。
特に子宮頸がんは最近若い世代に増えていますから、子供を産む前に、もしくは結婚前に生殖機能を失うことに繋がります。
この後遺症への対処法は……自分の中で折り合いをつけていく以外にないのです。それは簡単なことではありません。
きっと、子供が持てない辛さを抱えて、夏休みの賑わいの中を耐えている人は大勢いるはずです。
少なくとも、子宮頸がんによってそんな思いをする人を減らしたい。
そんな事を考えています。
読みたい本 読んでいただきたい本
2009年7月19日 9:21 PM
壊れたと思ったテレビは復活してくれました。
(決して叩いて直したわけではありません。昔は電気製品が壊れると叩いて直したものでしたよね?一時しのぎですが…)
おかげで、録画しておいた番組を見ることができました。
がんで亡くなった科学者戸塚洋二さんを紹介するNHKの番組です。
大変丁寧に作られた見応えのある番組でした。
ノーベル賞確実と言われた物理学者である戸塚さんが、自らのがんに向き合い、最後まで科学者の眼で綴ったブログを基に展開する番組でした。
病気との向き合い方、患者会としてのこれからの取り組みについても考えさせられました。
残念ながら再放送の予定はないようですが、おそらく相当の反響があるでしょうから、そのうち再放送されるかもしれません。
その戸塚さんの記録を立花隆さんがまとめた本が「がんと闘った科学者の記録」(文藝春秋)です。
右側のブルーの表紙の雑誌は「がんサポート」(エビデンス社)8月号に、おれんじの会の紹介記事が掲載されています。
私の拙文での紹介でお恥ずかしいのですが、これまでの経緯などをまとめています。
ご一読いただければ嬉しいです。